2015年10月8日 (木) 掲載

◎ロープウェー11月にリニューアルオープン

 函館山ロープウェイ(函館市元町、竹村隆社長)が来年3月26日の北海道新幹線開業を見据え、昨年8月から進めている山麓、山頂施設の改修工事が今月下旬にも完了し、11月13日にグランドオープンする。併せて、消費増税の転嫁分以外では初となる搭乗料金の改定を行い、個人、団体の相対平均で10・7%値上げする。

 7日に桜井健治専務らが市役所で記者会見し、概要を説明した。

 同社は北海道新幹線開業に伴う利用客の増加に対応するため、総工費約16億5000万円をかけて大規模改修を進めている。

 山麓駅では機械室などの一部の施設を残して解体し、1424平方メートルを増築。全体で1767平方メートルとなる。待合室やプラットホームの拡充、トイレ増設のほか、同社が運営するコミュニティーラジオ局「FMいるか」のオープンスタジオを待合室のそばに設け、放送の様子を見ながら待ち時間を過ごせるよう工夫する。

 展望施設は、トイレやエレベーターの増設のため38平方メートルを増築。レストランや売店の床などの修繕も行う。このほかにも、グランドオープンに先駆けて、昨年10月に125人乗りのゴンドラ2基を更新している。

 料金は大人往復が1200円から1280円、子ども往復が600円から640円(ともに6・7%増)となるほか、夏期・冬期の団体運賃を廃止し、通年で同じ価格とする。桜井専務は「ゴンドラのレールに当たる支索(しさく)などの設備交換費の確保」などと説明。交換は2020年ごろを予定しており、費用は2億7000万円程度を見込んでいる。

 また、改修工事や法定検査に伴い、13日から11月12日までロープウエーの運転を休止。山頂展望台のレストランや売店は平常通り営業する。(金子真人)



◎神山茂賞に松村隆さん

 函館文化会(安島進会長)は7日、渡島・桧山管内の郷土史研究功労者を対象とした今年の神山茂賞を、文化団体「江さし草会」代表の松村隆さん(88)=江差町円山=に授与すると発表した。本賞の受賞は5年ぶり。表彰式は神山氏の命日にあたる11月7日午前11時から、五島軒本店(末広町)で開かれる。

 松村さんは1926年泊村(現江差町)生まれ。43年から同町役場に勤務し、63年に江差フォトクラブを創設。93年から江さし草会代表を務め、文芸誌「江さし草」を発刊し江差地方の風土・文化の発掘に尽力している。同誌は季刊で、現在155号に達している。

 また、桧山地方の生活文化を写真で記録するとともに、文献資料の少なかった民謡「江差追分」の歴史と現状を明らかにし、松村さんならではの「江差追分史」をまとめ上げた。現在は追分録音制作会社「H・Kサービス」社長を務めるほか、自らのシベリア抑留など戦争体験を語り継ぐ活動に積極的に取り組んでいることなどが評価された。

 松村さんは受賞の知らせを受け「江差の文化、歴史に関する活動が評価され非常に感動している。この受賞を誇りに今後も文芸誌の発刊などを続けていきたい」と話している。

 同賞は函館出身の郷土史研究家、故神山茂氏(1893~1965年)の業績をたたえ、函館文化会が1989年に創設。函館や近郊の郷土史について優れた研究、出版など事跡を残した個人・団体に贈られる。今年を含め18個人5団体が本賞、7個人3団体が奨励賞を受けている。(蝦名達也)



◎名産品求め、買い物客でにぎわう「棒二全国うまいもの味めぐり」

 全国の名産品を集めた「第56回全国うまいもの味めぐり」が7日、棒二森屋(函館市若松町)本館7階催事場で始まり、初日から大勢の買い物客でにぎわった。14日まで。

 毎年3月と10月に開いている同店の人気企画で、今回は全国各地から58社が参加。このうち、仙台の牛タンを提供する「利久」や、大阪の老舗フランス料理店「エプバンタイユ」など7店が初めて出店。実演や試食もあり、買い物客は会場を回りながら好みの食材を探していた。

 また、来年3月26日の北海道新幹線開業を記念し、北陸新幹線富山駅の「富山ますのすし」や、東北新幹線仙台駅の「網焼き牛たん弁当」などの人気駅弁20品を集めた「全国新幹線駅有名駅弁大会」も12日まで実施している。

 母と訪れた七飯町の主婦坂下麻衣さん(38)は「おいしそうなものばかりで目移りしてしまいます」と笑顔で話していた。(金子真人)


◎西部地区文化施設3館 ツアー募集開始

 函館市西部地区に所在する文化施設3館による初めての市民向けツアーが、文化の日の11月3日に行われる。普段文化・社会教育施設に訪れることの少ない地元住民に、改めて3館への理解を深めてもらおうと、3館を管理する市文化・スポーツ振興財団が企画した。現在、参加者を募集中している。

 ツアーは旧函館区公会堂(元町11)、市北方民族資料館(末広町21)、市文学館(同22)の3施設を徒歩でめぐり、普段聴くことのできない解説付きで見学してもらう。

 同公会堂は佐久間浩志館長と観光ボランティア一會(いちえ)の会の佐藤喜久恵会長が案内し、バルコニーと貴賓室が見どころ。同資料館は学芸員の長谷部一弘さんが解説、同文学館は藤井良江館長が、函館出身の作家・故佐藤泰志の資料について詳しく紹介する。また、参加者には各館オリジナルの記念品も贈られる。

 公会堂の佐久間館長は「ツアー参加を機会に、市民の皆さんに3館それぞれの良さを知っていただきたい」と話し、参加を呼び掛けている。

 当日は午前9時に文学館へ集合。正午解散予定。参加料は、小学生から大人まで1人300円(傷害保険料込み)。定員は、先着30人。3館には、いずれも駐車場がないため、付近の観光駐車場(有料)や公共交通機関の利用を呼び掛けている。問い合わせは同資料館(☎0138・22・4128)まで。(半澤孝平)