2015年10月9日 (金) 掲載

◎はこだてライナーお目見え

 来年3月26日の北海道新幹線開業に合わせ、JR北海道が運行を始める函館―新函館北斗間を結ぶアクセス列車「はこだてライナー」で使用予定の車両が8日、回送のため五稜郭駅など道南を通過した。

 両は、札幌圏の通勤電車で使用している733系がベースで、ロングシートタイプ。車体には新幹線車両「H5系」と同様、パープルをメーンカラーにライトグリーンの帯が入っている。

 この日、北海道に初上陸したのは3両編成が2本で、車体には函館運転所所属を意味する「函ハコ」の文字が表記されている。6日に川崎重工兵庫工場を出たとみられ、札幌方面へ向かった。

 同列車は、新函館北斗駅を発着するすべての新幹線に接続し、1日16往復運行。同区間17・9キロを最短17分で結ぶ見通しだ。同社によると、通常時は3両編成(定員441人)で運行し、開業時や繁忙期は6両編成として輸送力の強化を図るとしている。



◎新人機動救難士、100キロ走破

 第一管区海上保安本部函館航空基地(野口昌幸基地長)は7、8の両日、同基地の機動救難士として4月に配属された4人の研修の総仕上げに、24時間以内に松前町から市内赤坂町の同基地まで走る「100キロ行軍」を行った。4人は7日正午に出発後、先輩職員たちが迎える中で8日朝、同基地にたどり着き、過酷な訓練をやり遂げた。

 機動救難士は、海上で漂流する遭難者らをヘリコプターや潜水で迅速に救助する。本年度配属された阿萬野礼央さん(29)、福本直晋さん(26)、村上裕記さん(25)、柴崎翔平さん(25)の4人が参加した。

 100キロ行軍は、機動救難士には体力とともに過酷な条件下でも救助者を安全、迅速に助け出す冷静な判断力が求められることから、業務を行う前の研修として全国の海保で行われているという。

 持ち物は水500ミリリットルとライト、着替えなどの簡単な装備のみで、水と塩以外の飲食はできない。4人は2人1組に分かれて松前町の道の駅を出発し、声がけやストレッチなどをして助け合いながら、空腹や寒さ、痛みに耐えてゴールを目指した。

 8日午前7時半ごろ、福本さんと村上さんの2人が同基地に到着。阿萬野さんと柴崎さんは制限時間2時間前の同10時ごろにゴールテープを切った。4人には機動救難士になった証としてオレンジ色の機動救難服が今月末ごろに贈られるという。

 福本さんは「いろんな人が支えてくれたおかげでゴールが出来た。今までの訓練で得た知識や技術を生かし、プロ意識を持って今後の活動につなげていきたい」と話し、同基地の高橋基一次長は「荒天の中でいろいろ考えながら来たと思う。今回の経験を一つの糧として現場で生かしてもらいたい」と期待を込めた。

 同基地によると、道内と東北の一部で、機動救難士が出動した回数と救出人数は、2012年度103回12人、13年度86回16人、14年度92回25人。本年度は8日現在で31回4人。(能代俊貴)



◎急行はまなす最後の秋、週末や休日ほぼ完売

 来年3月で廃止が決まった、札幌―青森間(479・1キロ)を結ぶ夜行急行列車「はまなす」が鉄道ファンなどから人気を集めている。週末や祝日の指定席はほぼ完売の状態が続いており、JR全社で唯一残る急行列車のチケットは、今後ますます入手が難しくなりそうだ。

 同列車は、青函トンネルが開通した1988年3月に5両編成でデビュー。現在は7両編成(定員313人)で、同区間を1日1往復し、約7時間半で結んでいる。

 JR北海道によると、特に人気が高いのが寝台車とカーペット車両。2両の寝台車両は、旧国鉄時代に活躍していたブルートレインを一部改造して使用している。「のびのびカーペットカー」と称した車両では横になって就寝でき、同様の車両を連結しているのは、全国でも首都圏と山陰地方を結ぶ「サンライズ出雲」など2列車のみだ。

 同社は9月16日、同列車を来年3月で廃止すると発表。北海道新幹線開業に伴う青函トンネルの架線電圧の変更で、従来の電気機関車が使えなくなるためだ。

 同日、札幌から青森まで同列車に乗車し、新幹線に乗り継いで東京へ向かった学生の金口健さん(21)は「北斗星に続いて、はまなすもなくなるのは本当に寂しい。今のうちにしっかりと目に焼き付けておきたい」と話していた。

 同社は廃止後の代替列車として、札幌―室蘭間を結ぶ特急「すずらん」を増便し、夜間に運行する方向で調整を進めている。(山田大輔)


◎函館市昨年度、滞納繰越額5年連続減少

 函館市の2014年度決算で、各部局で徴収できなかった市税や国民健康保険料などの滞納繰越額は、前年度比13・4%、10億8569万円減の70億3769万円となり、5年連続で前年度を下回った。市が14年度実施した生命保険や預貯金などの差し押さえは、債権回収対策室が設置された08年度以降最高額となる9億4070万円に上り、滞納者対策の強化が奏功したといえる。

 同室によると、14年度に市税や国保料、各種使用料、貸付金などで滞納が発生した債権は全会計で73件、調定額は同2・5%減の687億7739万円だった。このうち収入額は同1・2%減の599億4986万円、収納率は同1・2ポイント増の87・2%となった。時効成立などで徴収できなくなった不納欠損額は、同1・8%増の17億8983万円だった。

 滞納繰越額は大半の項目で減少。主な滞納状況は、国保料が同14・4%減の32億349万円だったほか、市税で同17・1%減の18億8435万円。保育料は同17・6%減の1億7543万円、市立病院医療費が同33・6%減の1億5021万円、上下水道料も同16・8%減の1億3316万円だった。毎年度増加傾向にある介護保険料は、約1000万円増に留まった。

 同室は国保料、保育料、介護保険料、後期高齢者医療保険料の4債権で、適切な管理を行うよう担当部局への助言・指導を14年度から強化している。再三の督促や催告に応じないなどの困難事案については、担当部局から同室が移管して直接差し押さえを実施。件数は前年度よりも1121件多い3543件、徴収額で約2億2500万円増の9億4070万円分に上った。

 本年度は未収納の多い国保料に重点を置き、助言・指導に取り組んでいる。高橋哲郎室長は「担当部局との連携により、継続して収納率を上げていく。滞納で困ったらまず相談してほしい」と話している。問い合わせは同室(☎0138・21・3073)へ。 (蝦名達也)