2015年11月1日 (日) 掲載

◎商学一筋50年節目祝う 函大

 開学50周年を迎えた函館大学の記念式典と祝賀会が10月31日、函館国際ホテルで開かれ、卒業生や教職員ら約300人が節目を祝いながら、一層の発展を誓った。

 式典で野又淳司学長は商学一筋の半世紀を振り返りながら「これからは地方における社会科学の教育、研究が不可欠。専門分野間の相互作用を推進し、チームとして創造性があり中心となる人材を輩出していきたい」と式辞を述べた。

 来賓を代表して3人がお祝いの言葉を贈り、日本私立大学協議会の小出秀文常務理事は「今後も全学一致して躍進を遂げられるよう祈念します」と述べた。

 また、永野彌三雄、河村博旨、溝田春夫の3名誉教授に対し、野又学長が感謝状を贈った。

 式典後、一橋大学の山内進名誉教授が「とまれ、お前はあまりにも美しい—漱石・ゲーテ・実学革命—」と題して記念講演し、商学の歴史などについて語った。祝賀会では鏡開きを行い、出席者は会食しながら和やかに歓談した。

 函館大学は1965年4月、初代学長の故野又貞夫氏(1901〜76年)が道内5番目の4年制私立大学として高丘町に開学した。68年5月に十勝沖地震で被災して校舎が全壊したが、翌年8月には新校舎が完成。商学部のみの単科大学として一貫して商業・商学教育を実践し、2014年度まで9638人が巣立った。(鈴木 潤)



◎美しい音色 聖堂包む でんけんコンサート

 函館市西部地区の伝統的建造物の魅力を音楽とともに伝える「2015でんけんコンサート」が10月31日、函館カトリック元町教会聖堂で開かれた。バイオリンとチェンバロの美しい音色が会場を包みこんだほか、公立はこだて未来大の学生が制作した映像作品も上映され、伝建への関心を深めた。

 市伝統的建造物群保存会(小林敏夫会長)が主催し、今回で12回目。同会は設立25年の節目を機に、若い世代への啓発を目的に初めて同大と協力した。

 例年を上回る約310人が来場。映像には伝建所有者が建物に抱く思いや、多くの観光客が訪れる西部地区の街並み保全のため、今後も継承しようという姿が映し出された。

 演奏会は函館出身のバイオリン奏者、烏野慶太さんと箱館バロック合奏団代表の森洋子さん(チェンバロ)が出演。フレスコバルディの「パッサカリアによる100のパルティータ」やタルティーニ作曲のバイオリンソナタト短調「悪魔のトリル」などが披露され、来場者は美しい音色に聴き入った。

 市内の保育士、秋田文奈さん(32)は「函館には建物や音楽など魅力がたくさんあると実感した。町の歩き方が変わりますね」と笑顔を見せた。(蝦名達也)



◎台湾・香港で函館人気 政投銀、アジア8地域北海道観光調査

 日本政策投資銀行北海道支店は「アジア8地域・北海道観光に関する訪日外国人の意向調査」をまとめた。東京〜大阪間のゴールデンルートと北海道が人気で、訪日経験者2153人の8%が「函館を訪れたことがある」と回答。特に台湾、香港からの来訪が多く、認知度、訪問意欲度ともに、全国でも上位に食い込んだ。

 政投銀と日本交通公社の共同調査。韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシアの8地域の海外旅行経験者4111人がインターネットで回答した。国内訪問地の選択肢は、道内は「北海道」を含む7カ所、全国では50カ所。約半数の1958人は訪日経験がなかった。

 認知度上位スポットは東京、富士山、大阪で、北海道が4位、札幌が9位。函館の認知度は全体では20%だが、地域別でみると台湾52%、香港42%と高く、両地域は訪問経験者の割合や今後の訪問意欲も高い。

 北海道観光に期待する点は「自然や風景」「雪景色観賞」「伝統的日本料理」「温泉」が上位。マレーシアやシンガポールでは桜や紅葉への期待も高かった。ただ、訪日経験が1回で、道内を訪れた旅行者は母国語や英語の通用しやすさ、日本の人々との交流に不満を抱く傾向がみられた。

 また、滞在中の通信手段は自国の通信事業者が提供する国際サービスやレンタルルーターなどよりも、宿泊施設や市街地で提供している「無料Wi−Fi(公衆無線LAN)」の利用が高い。情報端末は日本から滞在記などを発信するだけではなく、通訳アプリなどコミュニケーションツールとしても役立つことから、同支店は通信環境の利便性を高めるために、統一した規格、認証方法でのスポット整備が進むことを期待する。

 同支店は「北海道は高い人気だが、訪日経験者、個人旅行者が増え、北陸や九州などの人気も高まっている。新たな観光ルートの発掘や新幹線開業後の二次交通整備も必要になる」としている。(今井正一)


◎全日本吹奏楽 上磯中2度目の金賞

 【名古屋】第63回全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟など主催)の中学校の部は10月31日、名古屋国際会議場で開かれ、北斗上磯中吹奏楽部が2年ぶり2度目の金賞に輝いた。

 30校が出場し、上磯中は後半の部11番目に登場。課題曲「秘儀III—旋回舞踊のためのヘテロフォニー—」と、自由曲「ルイ・ブルジョワの讃歌による変奏曲」を演奏した。

 部員50人は顧問の中條淳也教諭の指揮に合わせて熱演。ほとんどの部員が全日本初経験だったが、堂々とした演奏を披露した。

 「金」受賞に部員たちは応援に来た保護者らとともに歓喜に沸いた。中條教諭は「楽しく感動的な演奏だった。プレッシャーに負けずやってくれた」とたたえ、佐藤嶺部長(3年)も「普段以上の力を出せた。前回とは違った感動と達成感が得られた」と笑顔で話していた。(鈴木 潤)