2015年11月14日 (土) 掲載

◎函館山ロープウェイ 新装オープン

 来年3月26日の北海道新幹線開業を見据え、函館山ロープウェイ(函館市元町、竹村隆社長)が昨年8月から進めてきた山麓、山頂施設の大規模改修が完了し、13日にグランドオープンした。総工費16億5000万円を投じ、新幹線時代に向けて万全の体制を整えた。

 新幹線開業後の利用者増加に対応するため、青函トンネルが開通した1988年以来、27年ぶりの大幅改修に踏み切った。

 山麓駅は延べ床面積870平方メートルから、約2倍の1767平方メートルに拡大。これまで50人ほどしか収容できなかった待合スペースを拡充し、600人まで対応。同社が運営するコミュニティーラジオ局「FMいるか」のスタジオを入り口そばに移転し、放送の様子を見ながら待ち時間を過ごせるようにした。

 山頂施設はエレベーターやトイレ、授乳室などを増設。また冬場の転倒事故防止のため、屋外展望台の路面にロードヒーティング装置を導入した。ほかにもグランドオープンに先駆け、昨年10月に125人乗りのゴンドラ2基を更新している。

 この日の営業開始前にはオープンセレモニーが開かれ、関係者約100人が出席してテープカットなどを行った。竹村社長は「お客様の利便性に則した改装が完了し、これからは中身を磨いていくことが必要になる。職員一同おもてなしの心を持ち、函館観光の一翼を担っていきたい」と述べた。

 乗客は新しくなった施設に目を見張り、友人と埼玉県から訪れた佐藤康子さん(70)は「以前に来た時よりもきれいになっていて驚いた。今度は夫と新幹線に乗って遊びに来たい」と笑顔を見せた。

 15日はグランドオープンを記念したイベント「市民感謝デー」を開く。終日(午前10時~午後9時)ロープウエー搭乗料金が無料になるほか、お楽しみ抽選会、大道芸のステージイベントなどを実施する。問い合わせは同社(☎0138・23・3105)へ。(金子真人)



◎東京で新幹線PR

 【東京】来年3月26日の北海道新幹線開業をPRする「北海道つながる物産・観光祭」が15日まで、JR東京駅構内で開かれている。初日の13日のオープニングセレモニーで、函館出身のロックバンドGLAYのビデオメッセージが披露され、大勢の乗降客にアピールした。

 道、北海道観光振興機構(近藤龍夫会長)などでつくる東京駅お祭りストリート実行委員会の主催。セレモニーには高橋はるみ知事、島田修JR北海道社長、北海道経済連合会(道経連)大内全会長、道南の首長らが出席した。高橋知事は「鹿児島から北海道までが新幹線のレールでつながる。北海道でお待ちしています」と呼び掛けた。

 2000枚の写真を組み合わせて北海道新幹線車両を描いたモザイクアートを、関係者で除幕した。GLAYの楽曲を使用したテレビCMが上映され、メンバーの4人は「長年の夢、期待に応えようと制作した。たくさんの夢を乗せた北海道新幹線に乗って北海道に行きたい」と寄せた。

 また、子どもを対象にした絵画展「つながる美術館」の表彰式が行われ、受賞者を代表して藤原朱花さん(函館万年橋小1年)に高橋知事から表彰状が贈られた。会場ではアイヌ古式舞踊のステージのほか、道内の菓子や珍味などが並び、買い物客でにぎわっている。午前10時~午後8時(最終日は同5時まで)。



◎五稜郭公園前電停 16日に供用開始

 函館市企業局交通部は16日の市電始発便から、改築工事中の市電五稜郭公園前電停の利用を開始する。湯の川方面行きの乗り場は従前の電停位置に戻り、函館駅前方面行きの乗り場は本町市場前に変更となる。

 本年度のグッドデザイン賞を受賞した函館駅前電停と同デザイン、同規格でそろえ、白を基調とした鉄製の防護壁と上屋を整備。バリアフリー対応で安全地帯の幅員は従前の1・0~1・3メートルがそれぞれ1・5メートルに拡幅。ロードヒーティングの設置、LED(発光ダイオード)照明を採用した。

 また、従前の電停は双方向の乗り場が向かい合っていたが、駅前方面行きの乗り場を50メートル湯川寄りにずらすことで、本町交差点の自動車の渋滞緩和も期待される。改築工事に伴い設置した湯の川方面行きの仮設電停と、駅前方面行きの既存安全地帯は今月中に撤去が完了する見通し。

 市経済部中心市街地再生担当は「安全地帯の幅も広くなり、安全に電車をお待ちいただける。本町の交差点地下横断歩道の改修や拠点ビルの整備と合わせて、より人が集まりやすい地域になってほしい」としている。(今井正一)


◎中部高3年2人が上位入賞、乳製品料理コンクール

 道内の学生や社会人が牛乳や乳製品を使ったアイデア料理を競う「36回牛乳・乳製品利用料理コンクール」(北海道牛乳普及協会、ホクレン農業協同組合連合会主催)で、函館中部高校3年の小山石悠花さん(18)の「ザクザクチーズサンド」が最高賞の北海道知事賞に輝いた。同校3年の滝沢華麗(かれん)さん(17)の「オムパオ」も優秀賞に入り、2人は「入賞できると思っていなかった」と驚きながら、会心の笑みを見せている。

 高校生以上が対象で、同校からの応募は初めて。2人を含む3年生5人が選択授業「くらしと食物」の中で、4人分で計200グラム以上の牛乳・乳製品を使用するなどの条件に合ったレシピを考案し、試作を重ねてきた。

 全道から応募のあった206点のうち、書類審査を通過した上位10点が10月23日に札幌市で開かれた実演審査に進んだ。

 小山石さんの料理は、スキムミルクやバター、卵、砂糖、塩などを混ぜて焼いたクッキー生地でクリームチーズやオレンジピールをサンドし、最後にプロセスチーズをトッピング。「塩を入れることで、スキムミルクのまろやかな甘みが引き立つ」と工夫を語る。

 滝沢さんは、道南産のジャガイモやホウレン草などを入れたふわふわのイタリアンオムレツを春巻の皮とチーズで二重に包み、揚げ焼きした一品だ。

 指導した家庭科の石川佳寿美教諭は「2人の発想力と豊かな感性が存分に生かされたレシピ」と太鼓判を押す。入賞者のレシピは同協会のホームページで近日中に公開される。食べることが大好きだという2人は「全て身近な食材。たくさんの人に作ってほしい」と話している。

 また、函館水産高3年の長谷川沙絵さんの「ホワイトハンバーグライス」が北海道教育委員会教育長賞に入賞した。(稲船優香)