2015年11月18日 (水) 掲載

◎ボジョレヌーボー店頭に並ぶ、あす解禁

 フランス・ボジョレ地方の新ワイン「ボジョレ・ヌーボー」の販売が19日に解禁されるのを前に、各地の店頭で陳列が着々と行われている。

 地酒・ワイン屋みのや(函館市昭和1、藤澤稔代表)では17日にまとまった入荷があり、専用売り場の飾り付けを終えた。

 同店では例年並みの14種類、2000円前後が主流で予約状況は昨年並み。同店の本林万里子さんは「厳しい夏の暑さと記録的な日照量など(100年に一度の上出来と言われた)2003年に並ぶと聞いているので楽しみ」と紹介する。

 ワインショップ・ワダ(同市本町7、和田一明代表)は例年より若干増やして20種類を用意し、予約も好調。和田代表は「ブドウの水分が少なく、丸かじりしたような香り高く濃厚な味わいで格別にいいようだ」と期待。水曜定休のため「お店は休みだが、毎年解禁日前に陳列の準備をする」と和田代表。

 両店とも、すでに予約で完売した商品もある。(田中陽介)



◎日和茶房1億円で売却へ、ぺシェ・ミニョン

 洋菓子製造販売のぺシェ・ミニョン(函館市乃木町、中澤美樹社長)が、国の登録有形文化財に指定された歴史的建築物を利用して運営するカフェ「日和茶房(ひわさぼう)」(元町32)の営業を今季限りで取りやめることが17日、分かった。同社は売却する方針を固め、建物は現在1億円で売りに出されている。

 建物は海産物商、佐田作郎の邸宅として1928(昭和3)年に建築。08年に同社が取得、「プレーリーハウス」の名で親しまれた建物を改装し、2013年6月に開店した。昭和初期の雰囲気が残るモダンな空間を生かして夏季限定で店を開き、焼き菓子やケーキ、軽食などを提供していた。

 〝隠れ家カフェ〟として市民や観光客の間で口コミが広がっていたものの、中澤社長は「ある程度の赤字は覚悟していたが、収支がなかなか改善しなかった。今年に入って人手不足が深刻化したことも重なり、売却は苦渋の決断」と経緯を語る。

 同社は今年の営業が終了した10月末以降、市内の不動産会社に売却を依頼した。中澤社長は「維持費用もかかると思うが、建物の良さを本当にわかってもらえる方に購入してもらいたい」と話している。(山田大輔)



◎函病12億円超の赤字も、上半期水準続いた場合

 本年度当初で2億6000万円の赤字予算を組む市立函館病院について、今年4~10月の水準で事業実績が続いた場合、年間で12億円以上の赤字が見込まれることが17日、分かった。患者数の減少に加え支出額が年度当初の想定よりも増大しているためで、2期連続で7億円を超える大幅赤字が確実な情勢だ。

 同日、同病院で開かれた市病院事業経営改革評価委員会(岩田州夫委員長)で、木村純院長が示した。

 本年度上半期(4~9月)の経営実績は当初目標を4億800万円下回った。1日当たりの入院患者数の目標は480人に設定したが、道南ドクターヘリ導入に伴う入院制限が影響し、入院患者数の回復が予想よりも遅れたことで425人と大幅減。入院収益は当初予算を6億600万円下回る53億7000万円にとどまったほか、新薬の価格上昇などで、医業費用の材料費が同2億2500万円増の27億600万円に膨らんだ。

 一方、10月の入院件数は1002件と年度内最多となり、収入は1入院当たり105万円、手術件数260件と高い水準で推移。この実績が来年3月まで半年間続くと、赤字額は7億1000万円に圧縮される見通しという。木村院長は「現在の入院単価は全国的にも高く、このままいけば大幅な収益増となる」とした上で「コスト削減に向けた取り組みを根本的に見直す必要性がある」と説明した。

 ただ、国が定める診断群分類別包括評価(DPC)の係数が下がるなどして、昨年度に8億3000万円の赤字を計上した影響は本年度も続く。市病院局は支出幅を抑えるため7月から3年間、民間業者に薬品や診療材料の価格交渉を委託し、一括調達に切り替えているが、委員からは「今後委託を更新しなくてもいいよう、この3年間で病院自らが価格交渉を行える人材の育成に努めるべき」などと意見が上がった。(蝦名達也)


◎町会加入促進へ来月協定…宅建協会、市、市町連

 地域コミュニティーの中心となる町会の会員減少を防ぐため、北海道宅地建物取引業協会函館支部(中澤郁雄支部長、179社)は12月1日、函館市と函館市町会連合会(新谷則会長)の3者で、町会への加入を促進する協定を結ぶ。市町連が民間企業と会員加入への連携を取るのは初めて。

 協定は、全国宅地建物取引業協会連合会が2012年度に公益社団法人へ移行後、地域コミュニティーの活性化を目的として取り組んでいる社会貢献の一環。同函館支部に加盟する不動産業者が、物件契約時に新規入居者へ町会加入を呼び掛け、加入希望者には「町会加入取次連絡票」を配布し、市町連を通じて各町会へ連絡する。

 市町連によると、2005年度に68・8%(9万2928世帯)あった加入率は、10年度63%(8万7068世帯)、15年度57・9%(8万369世帯)と、毎年約1%ずつ減少している=別表。高齢者の福祉施設への転居やアパートやマンション住民の加入率の低さなどが減少の要因に挙げられており、街灯管理や港祭りなど、地域住民の安全や文化を守るための町会活動が年々困難になっているのが実態だ。新谷会長は「未加入の市民に町会活動への理解が十分に得られていない現状で、不動産業界から協力をいただけることは大変ありがたい」と歓迎する。

 締結式は市役所で行われ、市市民・男女共同参画課は「今後、町会の役割が大きくなる中で加入者を促進する取り組みに期待している」とし、同函館支部の生田健作副支部長は「町会への加入促進によって地域のつながりが深まり、安心安全な町づくりのお手伝いをしたい」と話している。(能代俊貴)