2015年11月2日 (月) 掲載

◎「峩朗ガキ」の生産拡大 上磯郡漁協

 【北斗】上磯郡漁協上磯支所は、市の新たなブランドとして期待される「峩朗(がろう)ガキ」の生産拡大に取り組んでいる。今年は本格生産を始めた昨年の倍以上となる9万3000個を養殖。北斗漁港上磯地区にイートイン方式を採用した物販施設が12月にオープン予定で、来年3月26日に開業する北海道新幹線の利用客に売り込む狙いだ。

 昨年は4万5000個の養殖に成功。今年は施設基数を増やし、知内地区から9万3000個の半成貝を搬入、7月下旬に養殖を開始した。生育は順調で、実入りも良好という。

 11月7日ごろ今季の水揚げが始まり、同14日に道内の居酒屋などに対して販売がスタート。同日には上磯支所で一般向け直売会も予定している。昨年は12月に販売を開始しており、今年は実入りが良いため1カ月販売時期が早まった。12月27日には注文を受けて販売する直売会を開催予定。

 同支所は「昨年より取引先も増え、札幌の居酒屋では『峩朗ガキ』の名前で販売されている。漁業者の生産意欲も高まっており、ホッキ貝と並ぶ2本柱に育てたい」と意気込む。

 北斗カキ部会(11人)の山崎誠部会長(41)は「1年目はいい品物ができ、販売したらみんな良い評価をもらったので、2年目の増産につながった。新幹線開業に向け、新たな特産品に育てたい」と話す。

 石灰岩を採掘する峩朗鉱山から川を経て海に流れ込む水は、ミネラルが豊富で栄養満点。このため峩朗ガキは実入りが良く、カキ本来の味が楽しめると好評を博している。(山崎大和)



◎多彩な舞台500人魅了 「華麗・錦秋の夕べ」に9団体

 本年度の函館市民文化祭舞台部門「華麗・錦秋の夕べ」が1日、函館市芸術ホールで開かれた。市文化団体協議会(安保天壽会長)加盟の9団体が出演。和洋の舞踊のほか吹奏楽、民謡などの舞台発表が行われ、約500人の市民が見入った。

 オープニングは創立15年を迎えた大正琴サークル、ゴールデンローズが飾り、社交ダンスや邦楽舞踊、フラダンス、ジャズダンスなどが続いた。

 今年は初めて京都きもの専門学院和装専門教室セキグチと函館邦楽舞踊協会がコラボし、同教室の創作帯を締めた9人が日本舞踊を披露した。このほか函館吹奏楽連盟として遺愛女子高校吹奏楽局から生徒71人が出演し、ミュージカル「レ・ミゼラブル」のテーマや「宝島」を演奏した。

 文団協・舞台委員長の武井佳子さんは「創立から半世紀以上経ったが、先人から受け継がれてきた伝統文化、芸能芸術に新しい風を入れながら守り続けたい」と話した。(半澤孝平)



◎大間の危険性考えて 小出さんが講演

 元京大原子炉実験所助教で、40年以上にわたり反原発を訴える小出裕章さんが1日、カトリック宮前教会で講演した。大間原発(青森県大間町)の問題点にも言及し、「30キロという距離に住む皆さんには、危険性を踏まえ、心して考えてほしい」と語った。

 大間原発の建設に反対する市民グループ「大間とわたしたち・未来につながる会」(野村保子代表)が主催。約200人が聴講した。

 小出さんは1950年代、日本が国を挙げて原発を推進した経緯を説明しながら、「海外が70年代にリスクに気付いて撤退を開始した一方で、日本国民は“幻の夢”に酔い続けた」と指摘。福島第一原発事故により、今も放射能汚染に苦しむ住民や原発作業員の現状を語った。

 その上で「原発の暴走を許した大人は、責任のない子どもたちを被ばくから守らなければならない」と強調。「高度な汚染を受けなかった私たちがすべきなのは、福島を決して忘れないこと」と呼び掛けた。

 また、大間原発が世界で初めてフルMOX燃料炉となることに関し、「日本は他の原発で分離したプルトニウムを、長崎原爆4000発分に相当する48トン保有しており、世界から危険視されている。大間はプルトニウムを燃やすための原発だ」と訴えた。(稲船優香)


◎函館の小板さん随筆で最優秀賞 本新三景選定100周年記念フォーラム

 【七飯】大沼の「日本新三景選定100周年記念フォーラム」(実行委主催)が1日、大沼国際セミナーハウスで開かれた。全国から応募のあった、大沼での思い出を募った随筆の表彰式も行われ、函館市の小板蠢繭(しゅんじ)さんが最優秀賞に選ばれた。

 町内外から約170人が参加。随筆の選考委員長を務めた作家の谷村志穂さんと、声優としてナレーションなどで活躍する、大沼出身の槇大輔さんを招待し、谷村さんの記念講演や、槇さんによるエッセイの朗読が披露された。また2人には、中宮安一町長から七飯町観光大使委嘱状が交付された。冨原亮道議、中宮町長に加え、同じく日本新三景に選ばれた「耶馬渓」のある大分県中津市の稲田亮副市長が祝辞を述べた。

 随筆の授賞式では、小学時に大沼でのキャンプの思い出をつづり、最優秀賞に選ばれた小板さん(69)らに、谷村さんから賞状が手渡された。小板さんは「話しの中に出てくる人たちがこれを読んで、当時のことを思い出してくれたら」と話していた。

 そのほかの受賞者は次の通り。(敬称略)

▽優秀賞 澤口らん子(函館市)、佐藤ヒサエ(札幌市)▽佳作 信永昭三(函館市)、鈴木真一(森町)、後藤夏江(函館市)、立花恵(同)、佐藤千佳子(札幌市)▽特別賞 佐藤弘美(函館市)