2015年11月20日 (金) 掲載

◎「北海道への思い 曲に」/GLAYが北海道新幹線イメージソング公開

 【札幌】来年3月26日に開業する北海道新幹線のイメージソング「Supernova Express 2016」を制作した函館出身のロックバンド「GLAY」が、来年1月27日に発売する同曲など4曲を収録したニューシングル「G4・IV」の試聴会を19日、札幌市内で開いた。イメージソングを書きおろしたTAKUROらが曲に対する思いを語った。

 同曲はJR北海道など35団体でつくる「北海道新幹線開業戦略推進会議」が制作を依頼。古里・北海道への思いをはせた歌詞と、新幹線をイメージさせる壮大なメロディーが印象的。これまで埼玉県内でのイベントで一部が流れたが、すべてを公開するのはこの日が初めて。

 試聴会はGLAYと道内のFMラジオ局が主催、会場には抽選で招待された約600人のファンが集まった。応募数は約3500通(1通2人)で、約11倍の高倍率だった。

 TAKUROはイメージソング制作について「ほかの道内出身の有名歌手よりもGLAYを選んでほしいと以前から願っていて、関係者にチャンスをくださいとPRしていた。函館だけでなく、北海道のこれからを感じさせる曲とした」と話した。

 曲は軽快なギターから始まり、HISASHIは「開業を記念しファンファーレをイメージした」と紹介。TAKUROは「曲を制作中、工事関係者を紹介する番組を見て皆さんの苦労を知った時、自分が生半可な気持ちではいけないと感じた」と意気込みを明かした。

 このほかJIROは「最近は函館がGLAYを求めていると感じている」、TERUは「来年は新幹線の曲を担当するなど幸先良いスタートになる」、HISASHIは「GLAYは今、良いコンディション。また来ます」、TAKUROは「北海道発展になるような音楽を作り続けたい」と、それぞれに語った。 (山崎純一)



◎七飯と青森のリンゴがコラボ 果汁100%サイダー新発売

 【七飯】飲料メーカーの小原(町中島29、小原光一社長)は新商品となる「函館近郊ななえ町と青森のりんごを使った果汁100%のりんごのサイダー」を完成させ、12月から販売を始める。来年3月26日の北海道新幹線開業を記念したもので、主力商品「コアップガラナ」とともに、同社を代表するジュースとして全国に発信していく考えだ。

 同社は新幹線開業を見据え、1年ほど前から新商品の開発に着手。本社兼工場を置く同町が「西洋リンゴ発祥の地」であることにちなみ、青森県のリンゴとコラボした商品をつくろうと、これまで試行錯誤を繰り返してきた。

 「-りんごのサイダー」は、七飯町産のリンゴをそのまま搾ったストレート果汁と、青森県産のリンゴ濃縮果汁をブレンドして炭酸を加えた。砂糖や人工甘味料、保存料を一切使用しておらず、リンゴ本来の自然な甘さと微炭酸の飲みやすさ、口に含んだ瞬間に広がる爽やかな風味が特徴だ。小原社長は「商品を通じて七飯町を全道、全国へとPRするとともに、多くの人に愛されるジュースになってほしい」と期待を込める。

 230ミリリットルの瓶入りで、1本200円(税別)。12月から函館市内のほか近郊のスーパー、小売店などから順次販売を開始、拡大していく。

 このほか、クリスマス定番の人気商品「北斗シャンメリー」の道新幹線ラベル仕様の販売が始まったほか、12月から来年3月まで、同ラベル仕様の「コアップガラナ」も登場予定。小原社長は「今だけの期間限定仕様。見た目でも楽しんでもらいたい」と話している。

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 同社は「まずは地元の人に味わってもらいたい」として、「-りんごのサイダー」1ケース12本入りを読者5人にプレゼントする。希望者ははがきに住所、氏名、年齢、性別、電話番号を記載の上、〒041・1133、七飯町中島29の2の同社まで「函館近郊ななえ町と青森のりんごを使った果汁100%のりんごのサイダー希望」と明記して郵送する。応募多数の場合は抽選。当選は発送をもって替える。今月30日までの消印有効。(野口賢清)



◎9888人を大海原に/函館水産高80周年あす式典

 【北斗】函館水産高校(北斗市七重浜、三ツ石茂之校長)が創立80周年を迎えた。函水(かんすい)の愛称で地域に親しまれ、これまで卒業生9888人(専攻科含む)を大海原へ送り出している。21日午前10時から同校体育館で記念式典を挙行し、在校生481人や同窓生など約700人が出席して節目を祝う。

 1935(昭和10)年、旧函館造船学校の施設を継承する形で北海道庁立函館水産学校として産声を上げ、50(昭和25)年に現校名に改称。同校漁業科(現・海洋技術科)26期生の三ツ石校長(60)は「同窓会の『北鳳会』や地域のおかげで、80年の伝統を守ってこられた」と語る。

 幾度の変遷を経て、現在は4学科を設置。全国で唯一、食品の化学分析、衛生管理などの知識を習得できる品質管理流通科、機関士を育成する機関工学科、船舶の運航や栽培漁業などを学ぶ海洋技術科、食品の製造実習に力を入れる水産食品科。「中学校で学ばない専門性の高い教育が魅力。入学して全員同じスタートラインに立つので、頑張れば結果が出ると証明できる生徒が多い」と三ツ石校長は胸を張る。

 その言葉通り、海技士や危険物取扱者、一級小型船舶操縦士などの国家資格の合格者も多く、目覚ましい活躍を見せている。一方で、本年度はボート部、相撲部、新聞部が全国大会へ進出するなど、部活動も活発だ。

 同校の校訓「函水の伝統」の一つに掲げる「堅忍不抜」を重んじる三ツ石校長は「本校の生徒のあるべき姿を映している。社会で生き抜く力を養いたい」と力を込めた。(稲船優香)


◎杭州線定期便 1月就航/北京首都航空 青森にも開設

 函館市は19日、中国の北京首都航空(本社・北京市)が来年1月下旬に函館と杭州を結ぶ国際定期航空路を開設すると発表した。函館には毎週火、土曜日の2往復で、同時に青森空港にも毎週木曜日に1往復を運航する。北海道新幹線の開業をにらみ、青函圏周遊型の旅行商品を展開し、利用客の取り込みを図る考えだ。

 市港湾空港部によると、杭州線は12月に就航予定の中国東方航空に続き2社目で、中国と函館の路線は天津、北京線と合わせて3路線に、4社が週8往復を運航することになる。首都航空の路線開設は青森県が中心となって積極的な誘致を展開し、北海道、青森県への乗り入れは今回が初めて。使用機材はエアバス「A320」で全174席を予定する。

 同社日本支社(大阪)によると、12月に国土交通省への認可を申請、同月中には中国で旅行商品の販売を開始する見通し。青森と函館周辺を5~6日間で周遊する商品も検討しているとし、就航直後に訪れる2016年の春節(2月8日)の休暇客の取り込みを図る。同支社は「来年3月からは日本で最新の新幹線を旅行に組み込むことができる。中国のメディアを活用してアピールしたい」としている。

 工藤寿樹市長は19日の記者会見で「中国や台湾で新幹線を活用して、北海道と東北の空港の組み合わせを考えてほしいと要望してきた」とし、青函圏の周遊拡大につながると歓迎。新千歳をはじめ、青森、仙台、羽田を組み合わせた路線開設に期待感を示し「函館には地理的な優位性がある。新幹線開業で別の動きが出てくるだろう」と期待した。(今井正一)