2015年11月22日 (日) 掲載

◎ふわふわ「はやぶさ」大人気、函館初登場

 JRA函館競馬場(駒場町12)に21日、空気で膨らませた大型遊具「北海道新幹線ふわふわ H5系はやぶさ」が登場した。子供たちが中に入り、スライダーなどを楽しんだ。

 同競馬場で12月27日まで開催している「秋のGI感謝祭」の一環で、23日までは北海道新幹線開業記念企画として開業機運を高める内容を用意。同遊具は長さ8・8メートル、幅4メートル、高さ2・9メートル。中には長さ2メートル、高さ1・5メートルで上部が運転室を模した展望台になっているスライダーがある。これまで札幌市内のイベントで使われたことはあったが、函館は初の“乗り入れ”となった。

 幼児から小学生を対象とし、中では飛び跳ねたり、窓から親に手を振ったりして遊んでいた。外に出て来ると「楽しかった。あとでもう1回入る」と満喫した様子だった。同競馬場は「人気の遊具があることで、子供から大人まで新幹線への注目が増すことを期待している」と来場を呼び掛ける。時間は開門から午後4時半までで、荒天時は休止となる場合がある。

 22日は北斗市公式キャラクター「ずーしーほっきー」「北斗知りたい!かぶり隊」や「函館はやぶさPR隊」が来場する。(山崎純一)



◎ボルダリングジム 若者に人気

 手や足をかける突起(ホールド)を頼りに人工壁を登るボルダリングが楽しめるジム「HOMIE(ホーミー)REDBRICK WAREHOUSE」(入舟町1)が7月のオープン以来、若い世代を中心に人気を集めている。オーナーの高野祐輔さん(34)は「動きやすい格好で来ていただければすぐに始められる。たくさんの人にボルダリングの魅力を伝えたい」と意気込んでいる。

 高野さんはもともとアウトドアスポーツが趣味で、8年前からは関東圏を中心にクライミングに挑み、ボルダリングにも親しんできた。3年半前に地元函館にUターン。報道テレビカメラマンとして働く傍ら競技を続けてきた。そのような中で「札幌や旭川に比べてボルダリングをできる場所が極端に少ない。自分でやってみよう」と思い立ち、妻の綾子さん(33)とともに構想し、生まれ育った西部地区に念願のジムを作り、現在は仕事を辞めオーナー業に勤しむ。

 築90年という赤レンガ造りの漁具倉庫を活用し、132平方メートルの館内には傾斜角度や大きさの違う縦4メートル以上、横8メートル以上の人工壁2つを配置し、周りにはマットを引いて安全面にも配慮した。ホールドの横には色や形が違うテープが張られ、それによって難易度が違うコースに挑戦できるという。

 オープンして4カ月余り。「予想以上の反応をもらっている」と高野さん。20、30代が中心だが、中には60代の利用者もいるという。訪れる9割が初心者といい「壁を見た瞬間に登れないという人が多いが、2、3時間で簡単なコースなら達成できる。普段の生活で、はしごが登れる人ならすぐに上達する」とほほ笑む。

 21日に友人4人とボルダリングに初挑戦した市内の会社員、山田翔大さん(22)は「指で自分の体重を支えるので痛かったが、達成感はもの凄く、面白かった。また足を運びたい」と満足気な表情だった。

 料金は平日(午後2時~同6時)が一般1300円、学生1100円、高校生以下600円(1日利用は200円増)。土日・祝日は1日利用で一般1800円、学生1600円、高校生以下1100円。初回登録料1000円がかかる。登録料、レンタルシューズ(300円)、2時間利用料込みのビギナーズパック2000円や回数券なども用意する。営業時間は平日が午後2時から同10時半、土日・祝日は正午から午後8時。定休日は水曜日。問い合わせはホーミー(☎0138・866440)へ。(小杉貴洋)

 ◆ボルダリング フリークライミングの一種で、専用のシューズと手が滑らないように付けるチョークのみの最低限の道具で行うスポーツ。30年ほど前から徐々に広がりをみせ、ここ数年はインドアスペースも多くなってきたことで競技人口が増えている。2020年の東京五輪の追加種目として国際オリンピック委員会に提案され、注目を集めている。



◎買収、改装 開業へ動き活発…湯の川温泉 競争激化必至

 年間約130万人(2014年)の宿泊客が訪れる湯川地区。来春の北海道新幹線開業をにらみ、同地区では道内外に拠点を置く企業による宿泊施設の大規模改装やホテル買収が相次いでいる。旅館組合の地元業者はこうした動きを「活性化につながる」として歓迎する姿勢をみせるが、競争激化は必至。新幹線需要を逃すまいと首都圏などでPR活動を強化し、宿泊客の呼び込みを狙っている。(山田大輔)

 野口観光(登別)は11月に「湯元啄木亭」の改装計画を発表。12億円を投じて東館をリニューアルし、準高級ホテル「HAKODATE海峡(うみ)の風」として来年4月に開業する。トーホウリゾート(札幌)は19日、「平成館しおさい亭」「別館花月」のレストラン工事に着手。座席数を2倍にする計画で、来春の完成を目指す。

 ノースグループ(札幌)は8月に「丸仙旅館」、オリックス不動産(東京)は10月に「ホテル万惣」をそれぞれ買収した。両社は老朽化した施設を一新するため、早ければ年内にも改装工事に着手したい考えだ。

 道内外資本の企業による積極的な投資に対し、函館湯の川温泉旅館協同組合(金道太朗理事長)は、「みんなでスクラムを組んで一緒に湯の川温泉を盛り上げたい」と歓迎の意を示す。一方で、一部関係者は「ハード面の整備や国内外の宿泊客を呼び込む手法は大手にかなわない」とする。

 現在、同組合に加盟する宿泊施設は17。青函トンネルの開通に沸いた88年と比べ、約3分の1まで減少した。バブル期は団体客中心の受け入れで成功したものの、景気後退に比例して宿泊客数は減少。近年高まる個人旅行客のニーズへの対応も遅れ、廃業する施設が急増した。

 新幹線開業は約30年ぶりに訪れた大きなチャンスとなる。好機を生かそうと、同組合は昨年から首都圏を中心にプロモーション活動を展開中だ。金道理事長は「昔と違い、市内には湯川地区以外にも温泉宿泊施設がある。駅から10分、空港から5分という立地と歴史ある湯の川温泉の良さを多くの人に伝えたい」と話す。

 同地区にとって現在追い風となっているのが、8月に開業した函館アリーナだ。アリーナから徒歩で移動できるという立地条件をPRし、同地区の宿泊施設は軒並み前年を上回る宿泊客を獲得している。

 新幹線が開業する来年の宿泊客数について、同組合は昨年より30万人多い160万人を見込む。金道理事長は「増えた分をいかに持続させるかが大事。組合全体で従業員の再教育に取り組み、一丸となっておもてなしの質を向上させたい」としている。


◎知内ニラの可能性探る、函館学本年度最終回

 函館市と市内8高等教育機関でつくる「キャンパス・コンソーシアム函館」(会長・星野立子道教育大函館校キャンパス長)は21日、10年目を迎えた合同公開講座「函館学」の本年度の最終講義を函館高専で開いた。道内一の生産量・生産額を誇る知内産ニラの可能性について、函館高専の清野晃之(てるゆき)准教授が語った。

 知内のブランドニラ「北の華」は葉幅が広く肉厚で、甘いのが特長だが、出荷に向け、葉や茎はカットされ廃棄されてしまう。この部分に着目した清野准教授は「栄養分があるのに、捨てるのはもったいない。現在、(函館高専と連携協定を結んでいる)知内町と有効利用に向けて動いている段階。ニラの廃棄部分を分解し、スープの素や食品添加物などに応用できないかと模索している」と話した。

 また、清野准教授は九州大大学院農学研究院の小名俊博准教授との共同研究で、ニラに抗がん効果があると世界で初めて科学的に証明しており、この研究について紹介。北の華の廃棄部分から抽出した成分をヒトの肝臓がん細胞に投与したところ、臨床実験と同様の濃度でがん細胞を弱らせる効果があると分かったという。

 今後の展望については「ニラの中から抗がん効果を示す成分だけを抽出して評価を行い、医薬品や健康食品の開発につなげていけたらと考えている」と語った。

 終了後には、今年6月から始まった全6講座のうち、4講座以上を受講した56人に修了証書が贈られた。(稲船優香)