2015年11月23日 (月) 掲載

◎市民有志 外国人墓地散策マップ作成

 函館の主要観光スポット・外国人墓地(船見町)の魅力をさらに知ってもらおうと、市民有志がこのほど「はこだて外国人墓地散策マップ」を作成した。歴史愛好家らが集まって今月10日に発足した「はこだて外国人墓地散策の会」(遠藤浩司代表)の取り組みで、遠藤代表(55)は「函館に縁あって訪れた異国の人々を、マップを見ながらしのんでみては」と、活用を呼び掛けている。

 函館元町ホテル(大町4)の社長を務める遠藤代表は、以前東京への出張時に見た雑司ヶ谷霊園の墓地マップをヒントに、地元の外国人墓地でも作ろうと考案。「景色が良く、ゆったりとした時間を過ごしたい人にはいいかもしれないが、何を見ていいか分からないという人も多い」と、作成のきっかけを話す。

 作成にあたっては、考古学者の故馬場脩氏が1975年に出版した「函館外人墓地」を参考にまとめた。国や宗派ごとに分かれている墓地の中でも、ロシア人墓地とプロテスタント墓地を中心に構成。中でもロシア人墓地に関して、初代ロシア総領事として知られるヨシフ・ゴシケビッチ(1814~75年)の夫人の墓の存在や、江戸時代末期の1859~63年に埋葬者が集中している点などを重点的に紹介している。

 同会には「はこだて外国人居留地研究会」のメンバーや市内で活動するまちあるきガイドらが参加しており、今後は観光客向けにガイドもしていきたい考え。マップを手にした室蘭からの観光客(27)は「一つ一つの墓にエピソードがあるとは思わなかった」と気に入った様子だ。

 B4判4つ折りで3000部作成。同ホテルや市地域交流まちづくりセンター(末広町4)などで無料配布している。遠藤さんは「来年3月の北海道新幹線開業を見据え、さらに函館の魅力発信に努めたい」と話している。(千葉卓陽)



◎新幹線開業 ダンスで応援…NHK札幌放送局 番組ロケ

 NHK札幌放送局は22日、道南を盛り上げるミニ番組の撮影を函館市内で行った。23日までの予定で、地元のキッズダンサーらが観光名所などを回り、ダンスを収録する。

 NHKの道内7局で展開する「I LOVE JIMOTO北海道キャンペーン」の一環で、北海道新幹線開業を間近に控える道南を盛り上げようと、2分間のミニ番組を制作する。

 収録では道内4つのプロスポーツチームとタッグを組み行うイベント「WE LOVE DANCE オドッチャオ!」のダンス「ジャガイモ機関車」を踊る。10月に札幌で実施した「-オドッチャオ! 北海道フェスティバル」で「ベストオドッチャオ!賞」となった「モーモーズ」(札幌)の8人と、函館のキッズダンサーが数人がカメラの前で元気いっぱいに躍動する。

 収録地は函館朝市、金森倉庫前、八幡坂、函館山など8~9カ所で、函館市内では「イカール星人」や「函館はやぶさPR隊」が参加し、新函館北斗駅では「ずーしーほっきー」、木古内駅では「キーコ」が加わる。

 このほか、北海道出身のタレントやスポーツ選手も登場し、来年1月から3月にかけ、総合テレビで放送される。(山崎純一)



◎おせち料理多様化…百貨店など商戦本格化

 師走を前に函館市内、近郊の百貨店や大型スーパーなどでおせち料理の予約販売商戦が本格化している。各店では老舗料亭が手掛ける高価格品や少人数用の一段重、洋食オードブル風など幅広い商品を取りそろえるなど、多様化する消費者ニーズに合わせた商品を打ち出している。

 棒二森屋(函館市若松町)は、レストラン五島軒(同末広町)の和洋中を盛り込んだ少人数用の一段重(6480円)から老舗旅館竹葉新葉亭(同湯川町)の三段重(5万9400円)まで幅広い価格帯の種類を用意。今年はソムリエが選んだ和食に合うワインを、おせちサンプルの隣に並べて販売するなどの試みも。「それぞれの正月の楽しみ方に合わせて買い求めるお客様が多い」(同店担当者)という。

 丸井今井函館店(同本町)は、市内のホテルや料亭を中心に65種類を取りそろえる。売れ筋は例年と同じ2~3万円台だが、4~5万円台の高価格帯も好調だという。営業統括部の仲居真祐子売出計画マネジャーは「おせちに関しては増税や不景気の影響は感じられない。晴れの日は奮発したいと思う人が多いのでは」と分析する。

 イオン湯川店(同湯川町)と上磯店(北斗市七重浜)では、道産和牛やエゾシカなどの北海道の食材にこだわったレストラン黒島(札幌)の「フレンチと和の極みおせち」(2万7000円)など41種類を販売。犬のご飯研究家が監修した愛犬用おせち(3240円)や二段重のスイーツおせち(5400円)などの変わり種も展開する。

 テーオーデパート(梁川町)は、高齢化や世帯人数の減少を受け、2~4人用(1万~2万台)の品ぞろえを強化。同店担当者は、11月末から12月上旬が注文のピークとみていて、いよいよおせち商戦が激しさを増しそうだ。(金子真人)


◎新駅発 タクシーで名所巡り…北斗市観光協会

 【北斗】タクシーを使い、北海道新幹線新函館北斗駅発で北斗市内の観光地を巡る観光プランが出来上がった。北斗市観光協会(佐々木博史会長)が市内の新星ハイヤー、しんわタクシーと提携、個人客向け9コースの旅行商品を開発し、来年3月26日の開業日に販売を始める。

 新駅前にはレンタカー会社7社が進出するが、自動車運転免許を持たない人もいるため、こうしたニーズに対応しようと、タクシーを使ったモデルプランを考案。新幹線利用客が新駅を出発し、きじひき高原パノラマ展望台や谷観光農場、トラピスト修道院、意富比神社、北海道水田発祥の地碑など観光地をコースに組み込んだ。料金は小型利用の場合、4000円~1万7000円。タクシーを貸し切り、同じコースを個別に回るより1・5割安いという。ジャンボタクシーだと6000円~2万3000円。

 新駅内の観光案内所で予約なしで申し込めるほか、市観光協会でも受け付ける。市観光協会は「足がないお客さまをカバーするとともに、函館を訪れる前に北斗に立ち寄ってもらい、観光を楽しんでもらえたら」としている。(山崎大和)