2015年11月26日 (木) 掲載

◎写真歴史館 本年度で廃止へ

 函館市は旧北海道庁函館支庁庁舎(元町公園内)の市写真歴史館を本年度限りで廃止する方針を示した。入館者数が伸び悩み、赤字も続いているためで、第4回定例市議会に同館の条例廃止案を提出する。

 旧函館支庁庁舎は1909(明治42)年建設の木造2階建ての洋風建築物。57年まで道の施設として使用され、85年に道の有形文化財に指定された。91年の火災で内部を焼失し、94年に復元工事が完了。95年度から、1階を元町観光案内所、2階を写真歴史館として活用。函館国際観光コンベンション協会が指定管理者として運営している。

 市観光部によると、歴史館の収蔵資料は寄贈品を含めて1000点を超える。ペリー来航時に松前藩士を写した国の重要文化財で、現在は市立函館博物館収蔵の「銀板写真」(複製)と被写体の石塚官蔵が着用したかみしも、北海道開拓の様子を数多く残した田本研造がかかわった写真、さまざまな機材など、幕末開港期に始まる函館の写真文化を知ることができる。

 開設初年度の95年度には1万9655人が入館したが、近年は減少が続いた。昨年度は観光案内所利用者の6万4442人に対し、同館は7501人にとどまった。年間約850万円の指定管理料に対して、収入が少なく、昨年度は約789万円の赤字だった。同協会の指定管理期間は17年度末までの約2年間残っているが、財政上も運営継続が難しいと判断した。

 建物は12月下旬まで、外観の修繕工事中。定例市議会で条例廃止案が可決されれば、3月末で閉鎖。4月以降は元町観光案内所のみ継続し、2階部分は当面、資料の保管場所とする。同部は「民間への貸し出しなど、資料の活用方法を考えていく」としている。(今井正一)



◎青函トンネルで防災訓練 JR函館支社

 【福島】JR北海道函館支社は25日、青函トンネル内で列車火災を想定した総合防災訓練を吉岡定点(福島町館)で行った。来年3月の北海道新幹線開業や、今年4月に発生した特急列車の発煙事故を教訓に、乗客が階段を使って地上まで避難する訓練を初めて実施した。JR関係者や警察など約300人が参加、迅速な避難方法の確認や関係機関との連携強化を図った。

 この日は、函館発青森行き訓練用臨時列車(6両、模擬乗客約170人)が知内信号場通過後、1号車(最後尾)の床下で火災が発生したという想定。車掌らは乗客を前方の安全な車両に避難させ、消火設備がある吉岡定点で停車。消防などが負傷者2人を担架で搬送、ほかの乗客が歩いて約15分先にある避難所まで避難開始した後、消火活動を行った。

 8月の竜飛定点(青森県東津軽群)で初めて行ったケーブルカー(定員15人、約600メートル)を使った訓練を取り入れ、負傷者2人を6分かけて地上まで搬送したほか、新幹線開業を見据え、多くの乗客を短時間で避難させるための訓練として、約40人は階段(1180段)を使い地上に出て、福島町が手配したバスに乗り木古内駅まで移動した。

 訓練後、同支社の鈴木理夫次長は、地上に避難した乗客がバスに乗るまで時間が掛ったことを課題に挙げ、「全体として良い訓練が出来た。年明けに新幹線の車両を使った訓練を予定しているので、今までのノウハウを生かして、関係機関との連携を強めていきたい」と話した。(能代俊貴)



◎学テ 桧山の中学生改善 4科目で全国平均上回る

 道教委は25日、文部科学省が4月に全国で行った全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の管内別平均正答率を公表した。渡島、桧山で道教委が目標とする「全国平均以上」を達成したのは、小学6年が渡島の国語Aの1科目、中学3年は桧山の数学Aなど4科目となった。

 テストは、渡島は小学校91校の3023人、中学校49校の2959人、桧山は小学校22校297人、中学校13校314人が参加。国語、算数・数学は、基礎知識を問うA問題と応用力をみるB問題で、3年に1回行う理科はAとBを合わせた問題が出された。

 小学6年は、渡島の国語Aが70・7%と全国を0・7ポイント上回ったほか、算数Aは両管内が全道を1・1〜2・0ポイント上回った。一方、算数Bと理科は両管内とも全道を下回った。

 中学3年は、昨年度の調査で渡島、桧山ともに全科目(国語、数学)で全道平均を下回っていたが、桧山は数学Bを除く4科目で全国平均を超えた。

 また、道教委は市町村別の概要も公表。同意した135市町村のうち、道南では函館や北斗、森、乙部など9市町の結果が道教委のホームページに掲載されている。(稲船優香)


◎幸せ願い縁起物づくり 函館八幡宮

 函館八幡宮(函館市谷地頭町、中村憲由樹宮司代務者)で25日、初詣に並ぶおみくじや破魔矢(はまや)などの縁起物づくりが始まった。同八幡宮敬神婦人会(勝又チカ会長)の会員約40人が集まり、参拝客の幸せを願って和気あいあいと作業を進めた。

 会員は、身と心を清めるという意味でかっぽう着を着用。おみくじは丸めて輪ゴムで止め、破魔矢には来年の干支(えと)のさるが描かれた絵馬を取り付けていた。

 勝又会長は「神さまからのお恵みと先祖に感謝し、世のためにご奉仕するのが私たちの務め。来年も幸せで明るい世の中になるよう、楽しく作業したい」と話していた。

 奉製作業は26日も行い、破魔矢3000本、鏑矢(かぶらや)350本、おみくじは100円と200円の計5万本、お札8000枚を用意する。おはらいを受けた後、正月の参拝客の手に渡る。(稲船優香)