2015年11月28日 (土) 掲載

◎サル山の最長老「バアチャン」大往生

 函館市熱帯植物園(湯川町3)のサル山で最長老と見られていたニホンザルのメス「バアチャン」が25日午前8時45分ごろ、死んでいる状態で飼育員に発見された。同園によると、死因は老衰で推定35歳という。

 「バアチャン」は、サル山の初代ボスのつがいだった巴(ともえ)の娘とされ、若いころから他のサルに慕われてきた。晩年は足腰を弱めた上に白内障を患うなど衰えが目立ち、飼育員が総出でサポートしてきた。

 同園によると、一般的なサルの寿命は20~30歳といい「35歳まで生きたのは珍しいほう」という。人間の年齢に換算する場合は実年齢に3倍する計算で、「バアチャン」は推定105歳になる。

 亡くなった日は飼育員が園内で線香やろうそくをともし、手を合わせて死を悼んだ。16年にわたってサル山を見守ってきた飼育員の吉村義弘さん(76)は「親譲りの上品な顔立ちで、優しい性格のサルだった。温泉が好きだったので入れてやれなかったのが心残り」と残念がる。同園は12月1日からプールに温泉を入れる予定だった。

 同園が飼育するニホンザルは現在約90匹。高齢化が進んでいるとしている。(半澤孝平)



◎附属小バレー全国へ

 空知管内深川市で11月22、23の両日開かれた、バレーボールの道スポーツ少年団創設50周年記念第13回道スポーツ少年団交流大会予選ブロックの男子の部に出場した、附属函館ファイターズ(秋江知巳監督)が全道の強豪チームを破って初優勝を遂げた。創部以来初めてとなる全国大会出場も決めた同チームは、部員の減少などを理由に、今季限りで廃部となる。発足当時から30年以上にわたって見守る藤山好美コーチは「最後だからと気張らず、伸び伸びと楽しくプレーしてほしい」と全国に向けエールを送る。

 大会は3月に福岡県で行われる全国大会の北海道代表(1枠)を決めるもので、これまで全国を経験した6チームを含む道内の強豪16チームが優勝を争った。

 メンバーはエースの佐藤耀人主将、レシーバーの藤澤慶一郎、セッターの山本尚輝(いずれも6年)を3本柱とした部員11人で構成。予選はこれまで数え切れないほどの連敗を重ねてきた江別中央ジュニア(石狩)と当たり、苦戦を強いられたがサーブから相手の流れを崩し、終始有利に進めると2―0のストレート勝利を飾って、決勝トーナメントに進出した。秋江監督は「この1勝が自信となって次につながってくれた」と分析する。

 2戦目は粘り強いプレーが持ち味の岩見沢志文ファルコンズ(空知)と対戦し、相手を上回る執念でボールをつなぎ、2―0で勝利。続く3戦目の十勝ジュニアクラブ(十勝)では、相手の連続サーブミスから流れを引き寄せると2セット目こそ21―18と競ったが、強豪相手にも堂々と立ち向かって2―0で決勝に駒を進めた。

 決勝相手は練習試合でも対戦経験が多く、「いつかは全道の決勝で戦いたい」と目標にしていた厚別北ジュニア(札幌)。選手には疲れの色がうかがえたというが「ここまで来たら絶対優勝」と何が何でも“最初で最後の全国”を目指し、力の限り戦った。2セット目は奪われ、一進一退の攻防戦が続いたが、3セット目に佐藤主将が活躍し、15―10で勝ち、フルセットで制した。藤山コーチは「フルセットの流れだと負けることが多かったので、本当に攻めの姿勢を崩さずよく戦ってくれた」と目を細める。

 チームは初の全国大会に向けて練習に熱を入れている。目標は初戦突破、それがかなえば流れに乗って優勝したいと大きな目標を持っている。佐藤主将は「焦らず、全道の時のように頑張りたい。気持ちを強く持って臨みたい」と闘志を燃やしている。(小杉貴洋)



◎主要6公園管理、大半「満足」

 函館市住宅都市施設公社(野々宮勇理事長)はこのほど、同公社が指定管理する主要6公園の利用者を対象とした本年度のアンケート結果をまとめた。いずれも景観や植物の管理などを高く評価する回答が寄せられ、各公園の特性が利用目的や年齢層に反映されていることがうかがえる。

 調査は利用者の声から公園管理の課題を発見し、サービス向上につなげようと2010年度から毎年実施。函館山緑地、函館公園、見晴公園、市民の森、五稜郭公園、昭和公園の計6カ所で、本年度は10月に行った。聞き取りとアンケート用紙による回答で、各公園100人ずつ、計600人の声を集めた。

 公園管理に関し、景観の保持や樹木・草花の管理について「満足」または「おおむね満足」と答えたのは、昭和が97人と最多。同公園は眺めの良い小山「見晴らしの山」や壁泉の配置、市民ボランティアの「地域緑化アドバイザー」と協力した花壇整備などが行われている。五稜郭と市民の森はそれぞれ91人で、他公園も80人以上だった。

 利用目的で多かったのは、五稜郭と昭和がジョギング・ウォーキングで、見晴と山緑地が散策。市民の森では観光も一定数を数えた。このほか、園内に遊園地「こどものくに」を構える函館公園は10~30代の利用者が、毎年紅葉をライトアップする見晴公園では、1人で訪れる人が多くいることも分かった。

 自由意見では、ペットのマナー改善やベンチの増設、イベント開催を求める声があった一方で「今の静かな雰囲気を維持してほしいとの意見も多かった」(同公社花と緑の課)とする。

 同公社は毎年公園活用講座として、各公園で健康づくりや歴史体験会などを実施。本年度は同公社のスタッフブログ更新にも力を入れ、講座やイベント、日常の公園の様子などを積極的に発信している。同課は「1度公園に足を運んで魅力を知っていただけるよう、情報発信やサービス向上に努めたい」としている。(蝦名達也)


◎適性分別7.68ポイント悪化、燃やせないごみ調査

 函館市はこのほど、9月30日に日乃出清掃工場で行った燃やせないごみの組成分析調査の結果を公表した。適正に分別された割合(重量比)は、資源ごみの混入が多く見られたことなどから70.66%と、前年度から7.68ポイント悪化した。

 主な内訳は、小型家電製品が24.96%と最も多く、ガラス類17.38%、金属類17.01%と続いた。

 適正に分別されなかったごみは、資源ごみが前年度比3.75ポイント増の13.93%で、過去5回の調査で最多だった。中でも栄養ドリンク剤や酒類などのガラスびんが10.76%と高い割合を占めた。

 このほか、プラスチック類の中でも燃やせるごみに分類される「容器包装対象外の50センチ未満」が、同比4.56ポイント増の10.33%と増加。園芸用プランターやプラスチック製の保存用ケースなどが多く見られた。

 市環境部は「適正に分別することで有料ごみ袋を購入する出費を抑えられる。広報活動を徹底し、資源の有効活用に努めたい」としている。

 2000年度から燃やせるごみと燃やせないごみを両方調べていたが、昨年度から両ごみを隔年で実施。市内各所から回収した200キロ相当を試料として使った。(蝦名達也)