2015年11月29日 (日) 掲載

◎冬の始まり 街キラキラ、クリスマスファンタジー開幕

 函館の冬を彩る「2015はこだてクリスマスファンタジー」(実行委主催)が28日夜、函館市末広町の金森赤レンガ倉庫群前で開幕した。雨模様にもかかわらず会場には大勢の人が詰め掛け、海の上で色鮮やかに輝くクリスマスツリーに見入っていた。

 ツリーは函館市の姉妹都市、カナダ・ハリファクス市から贈られた高さ20メートルのモミの木で、14万8000個のLED電球や北海道新幹線の車体にちなんだ紫色の装飾が施されている。

 日本航空の客室乗務員でつくるハンドベルグループ「JALベルスター」の演奏でセレモニーが幕開け。午後6時過ぎ、河内孝善実行委員長や工藤寿樹市長らの「メリークリスマス!」の掛け声でツリーが点灯すると、祝福の花火が打ち上がり、観客の大きな歓声が会場に響いた。

 友人と訪れた北斗市常盤の会社員山田谷絵里さん(28)は「5年ぐらいこのツリーを見ることができなかったので、きょうは良かった」と笑顔を見せた。

 12月25日までの期間中の点灯時間は午後4時半~同5時45分と同6時~午前0時(金、土曜、12月22~25日は午前2時まで)。(金子真人)



◎地上の星くっきりと、五稜星の夢

 国の特別史跡・五稜郭跡の周囲1・8キロに約2000個の電飾で星型の明かりを浮かび上がらせるイベント「五稜星の夢(ほしのゆめ)イルミネーション」が28日、始まった。初日は五稜郭タワー展望台で点灯式が行われ、大勢の来場者がライトアップされた五稜郭の眺望を楽しんだ。

 同イルミネーションは1989年から冬の風物詩としてほぼ毎年行われている。電飾は今月中旬、高校生ら市民ボランティアが設置した。

 点灯式は午後5時にスタート。電飾の明かりがともると花火が打ち上げられ、歓声が上がった。その後、はこだて観光大使を務める歌手、平田まりさんのミニコンサートが行われた。

 福島市から訪れた遠藤めぐみさん(25)は「とてもきれいで感動しました」と笑顔で話していた。

 イベントは来年2月29日までで、点灯時間は午後5時~同8時。(鈴木 潤)



◎〝桐花プライド〟未来へ 閉校式に500人

 69年間、ありがとう―。来年度から大川、五稜の両中学校と統合し、「函館五稜郭中学校」となる函館桐花中学校(風間和夫校長、生徒311人)で28日、閉校式が行われた。在校生や歴代校長、旧職員、同窓生など約500人が出席し、紡いできた歴史と伝統に思いをはせた。

 風間校長は、第3代校長柏崎賢次郎氏の言葉を引用し「歴代校長や教職員が地域住民と共に、毎年丹念に校風という米をまき、生徒と教員が汗を流して歴史と伝統という米を実らせた。閉校は寂しいが、生徒は五稜郭中学校開校と同時に新しい米をまき、育てていくものと確信している」と力を込めた。

 開校からの歩みを振り返る映像を放映した後、生徒有志14人が「多くの先輩がつないでくれた心は、私たちの誇り、〝桐花プライド〟。名前はなくなってしまうけれど、歴史は絶対に消えるものではない」と群読。前生徒会長の板谷美優さん(3年)からバトンを託された現生徒会長の対馬楓菜さん(2年)が「新しい時代を担う代表として、プライドを必ず未来につなげる」と誓った。


◎函館2誌が最優秀賞、日本タウン誌・フリーペーパー大賞

 本地域情報振興協会(東京)が主催する「日本タウン誌・フリーペーパー大賞2015」の受賞媒体が28日に発表され、コミュニティー部門賞で北海道国際交流センター(HIF)の「ボラット」、グルメ部門賞で函館新聞社の「ハコラク」がそれぞれ最優秀賞に輝いた。5回目の今年は、全国から276誌の応募があった。(半澤孝平、稲船優香)

 ■ボラット

 函館のボランティアとコミュニケーションを考えるコミュニティー誌「ボラット」の発行人を務める池田誠さんは「メーン事業の国際交流活動を支援してくれるホストファミリーなどのボランティア活動を発信してきた成果が認められ、うれしい」と喜んだ。

 同誌は2004年3月創刊の季刊誌で、今年9月までに既刊47号を数える。5000部発行し、市内の公共施設や店舗、道外のNPOなどに無料で配布している。編集に関わるスタッフは現在5人。今年3月に全カラーページで新装刊したほか、毎号テーマを決めて統一感を出すなど、読み物としての魅力づくりに取り組んでいる。

 編集スタッフの1人、松倉亜希子さんは「これからもボランティアをしたい人と探している人をつなぐ誌面づくりをしていきたい」と意気込んだ。

 コミュニティー部門賞は、趣味など同じ志向を持つ仲間同士の情報交換に役立つコンテンツや、デザインなどの表現力に優れた媒体に贈られる。

 ■ハコラク

 道南エリアの2市16町をカバーするフリーペーパー「ハコラク」は、月1回新聞購読者に配布するほか、商業施設や銀行、飲食店など約550店に設置。佐藤史子編集部長は「読者や広告協賛を頂いている企業のおかげ。初めての応募で受賞でき、うれしい」とほほ笑む。

 食の宝庫である道南。人を幸せにするグルメ紹介には、特に力を入れている。常に新鮮な情報を追い求め、味はもちろん、店を切り盛りする人の表情や奮闘ぶりを伝えるよう心掛けているという。読者の食欲をそそる写真を散りばめながらも、すっきり見えるレイアウトにこだわる。

 09年の創刊時は90ページだったのが、今では130~140ページに。今後も内容の充実を図る構えで、佐藤編集部長は「北海道新幹線の開業を間近に控え、さらなる穴場を掘り起こしていきたい。道南の活性化には飲食店の盛り上がりが欠かせない。その一助となれるよう、応援団としての役割を果たしたい」と意欲を示している。