2015年11月3日 (火) 掲載

◎地域安全、サボテンに込め…西署署長が世話、プレゼント

 函館西署(砂原広志署長)は2日、砂原署長が育てたサボテンと観葉植物に、署員が防犯や防災、交通安全メッセージを組み込んだ鉢のプレゼントを始めた。早速、来庁者の笑顔を誘い、啓発活動に生かされている。無料で先着50人。

 「署長室のサボテン」と銘打ち、初めて用意した。署長室でこの1年かけて世話をしたもので「力強く生きるサボテンと観葉植物で、室内の雰囲気が少しでも和めば」と砂原署長。市内で購入したわずかな鉢から次々と成長し、小分けにして地域安全啓発に活用することにした。

 鉢には特製用紙で、特殊詐欺の特徴と被害防止への注意点、防災の心構え、警察相談ダイヤルなどを印刷。「どうぞお持ち帰りください」と正面玄関付近にコーナーを設け、サボテンと観葉植物の育て方のアドバイスも添えた。

 同署は「冬の交通安全運動(11~20日)や歳末安全などに向けて一層の警戒強化に努めたい」としている。

 サボテンの花言葉は「枯れない愛」「秘めた熱意」。署員が心を込めて用意した植物が、住民の幸せとまちの安全を見守る―。(田中陽介)



◎道立漁業研修所が修了式

 【鹿部】道立漁業研修所(中村慎一所長)で2日、本年度の総合研修修了式が行われた。受講生47人は保護者らが見守る中、新たな漁業者としての活躍を誓い、学びやを巣立った。

 漁業振興や漁村の活性化を担う漁業就業者の育成を目的に、1997年の開所以来これまで734人の修了生を輩出してきた。19期目となる本年度は、渡島管内の6人を含む47人が受講。半年間寮生活を行いながら、漁業に必要な知識や技術を学んできた。

 修了式で中村所長は「皆さんは研修を終え、ようやくスタートラインに立ったに過ぎない。これから一人前の漁業者として活躍することを願う」とあいさつした。

 受講生を代表し答辞を述べた小林広人さん(オホーツク管内紋別漁協)は「私たちには道立漁業研修所を修了したという自信と誇りがある。研修所で学んだことを生かし、浜のリーダーとして北海道の水産業の発展に貢献できるよう頑張ります」と力強く誓った。(野口賢清)



◎市内初の就労訓練認定事業者にシゴトシンク

 函館市は2日、NPO法人「シゴトシンク北海道」(五稜郭町7、清野侑亮理事長)を市内初の生活困窮者自立支援法に基づく就労訓練事業者に認定した。同法人が地域企業の協力を得て、就労困難者らにいわゆる「中間的就労」の機会を提供。生活リズムの改善や、働く意欲の喚起につなげてもらう。

 同法人は障害者の就労移行支援事業所「シゴトマップ」(市内山の手3)をはじめ、児童自立援助ホームなどを運営。同法の施行以前から、対象を障害者に限定せず、生活保護からの自立を目指す人や精神疾患を抱える人、障害者手帳はないがさまざまな課題を抱える人など、〝福祉のはざま〟にいる人々にも就労支援の機会を提供。事業スタート後の約2年間で、支援を受けた利用者6人の自立につながった。

 就労支援事業では、地域の協力企業から自動車の部品洗浄、リサイクル家電製品の分解、共同住宅の清掃、水産加工作業といった仕事を受注。利用者の状況に合わせて働く時間や作業内容を決め、企業から法人が得た収入は実働時間に応じた対価として分配している。清野理事長は「福祉就労に対する地域の企業の理解は進んできている」と話す。

 認定事業者には補助金などの財政措置はないが、同法人は、これまで同様に直接雇用を伴わない「非雇用型」の事業を展開。下斗米貴行専務理事は「生活のリズムを身につけたり、働く意欲を養うことのきっかけづくり。1人でも多く、社会の中で自立できるよう支援したい」とする。

 市福祉事務所生活支援第1課によると、本年度開設した生活困窮者自立支援のための相談窓口には、9月末までに147件の相談が寄せられた。相談支援員が相談者と支援プランを検討する際に就労訓練が必要な場合は、同法人の事業を支援内容に組み込み、相互に連携して進めていく。

 問い合わせは同課(☎0138・21・3089)、同法人(☎0138・83・6950)へ。(今井正一)


◎タイ観光客誘致訪問団出発

 函館市の官民で構成するタイ観光客誘致訪問団が2日、現地に向けて出発した。首都バンコクなどを訪れ、タイ政府観光庁や国営テレビ局の訪問などを予定している。

 日本政府観光局(JNTO)のまとめでは、1~9月の同国からの訪日観光客数(推計値)は前年同期比24・7%増の54万1100人。函館でも市場の成長が期待される地域のひとつとなっている。

 市は2013年以降、官民トップによる訪問団が毎年訪問。片岡格副市長、佐古一夫市議会議長、久保俊幸函館商工会議所副会頭、渡邊兼一函館観光コンベンション協会長らで構成。一行は現地入りする3日以降、タイ政府観光庁、国営テレビ局(首相府広報局)、旅行会社などを訪問。函館の魅力をPRし、6日に帰函する。

 片岡副市長は「継続して訪問することが大切だと考えている。北海道新幹線開業後には東京と約4時間で結ばれ、函館への移動の選択肢が増える。新たな函館観光の魅力もPRをしてきたい」と述べた。(今井正一)