2015年11月5日 (木) 掲載

◎知内でカキ出荷始まる

 【知内】カキのシーズン到来―。知内町特産の養殖カキの出荷が4日、上磯郡漁協知内中ノ川支所で始まった。出荷時期は例年よりやや遅いが、昨年と同じで、身入りや品質は上々の出来という。

 知内のカキは全国的にも珍しく、外海で養殖を行う。津軽海峡の荒波で育った2年貝は身が引き締まり、臭みのない食べやすさが特徴。豊富に栄養を含んだ知内産カキは、大きく食べ応えもあることで町の人気名産物だ。

 同支所の施設では4日午前6時ごろから、組合員らが殻むき作業に精を出した。専用のナイフで身を傷つけないように慎重かつ素早くむいていった。むき身は滅菌海水で洗浄処理をした後、函館市内の量販店などに出荷した。

 水揚げは来年5月末ごろまで続き、同漁協では出荷量を平年並みの45トンを見込んでいる。身の大きさは年明けのピークまで大きくなり、出荷量が増えると札幌など道内各地のスーパーにも並ぶ。(斎藤彩伽)



◎本年度の函館市営競輪、売り上げ42億円

 函館市競輪事業部は、2015年度の市営競輪の売り上げをまとめた。前年度より3日間多い計55日間の開催で、年間総売上は前年度比41億9709万5700円(26・9%)増の198億476万4200円だった。8月に5年ぶりに開催したGII「サマーナイトフェスティバル」の売り上げ約40億円が年間の大幅増につながった。

 昨季と同じ48日間開催した普通競輪(FI・FII)は、3億7197万円(3・7%)減の95億9005万円。同部は「昨季より、全国の他の競輪場とナイター競輪の日程競合が多かったため」とする。10月31日から今月3日まで開催した函館記念(GIII)はイベントも功を奏し、金堀町の本場に4日間で9221人が来場。売り上げは同4億9826万円(8・8%)増の61億4390万円だった。8月の「サマーナイト」は40億7080万円だった。

 売り上げ区分別にみると函館以外の他競輪場などで販売する臨時場外が約135億円、インターネットを含む電話投票が約58億円、本場とサテライト松風は約4億円だった。入場者数は8万1881人で、開催日数が多い分、増加しているが、本場来場者は減少傾向という。

 また、198億円の売り上げは近年ではGII開催など大型レースが重なった10年度の210億円に次ぐ規模で、高松宮記念杯競輪(GI)を開催した12年度の181億円よりも多い。本年度の予算額205億円に対し、達成率は96・6%だった。同部は「予算は下回ったが、昨年より売り上げも伸び、無事全日程を終えることはできた。単年度黒字を確保できるのではないか」としている。(今井正一)



◎キラリス2施設の管理者募集

 函館市は、JR函館駅前で建設中の再開発ビル「キラリス函館」の3、4階に整備する「はこだてみらい館」「はこだてキッズプラザ」の指定管理者を募集開始した。2016年10月にオープンを予定し、市は地域のにぎわい創出と魅力ある施設につながる事業提案を求めている。

 みらい館は巨大なLED(発光ダイオード)パネル「4Kメディアウォール」(14・4×2・4メートル)をはじめ、さまざまな先端的技術を活用した映像や音楽体験ができる施設。館内施設を活用した定期的なワークショップの開催、修学旅行など団体客への対応、市内の高等教育機関との連携などを条件に盛り込んだ。

 キッズプラザは子育て中の親子が滞在できる施設で、体を使って遊べる複合遊具などを配置。専門の有資格者を配置した子育て相談業務、保護者同士が交流し、子育て情報を共有するためのワークショップの提案などを求めている。

 指定管理者は両施設を一体的に管理、運営する。委託期間は16年10月から21年3月。市は人件費、維持管理費など管理委託料の限度額を4年6カ月で6億3185万円と設定した。法人格は問わず、グループでの応募も可能。10日午前10時から市役所で募集説明会を開催。募集要項は12月21日まで配布し、来年1月以降、ヒアリングや選定を実施し、3月に事業者と協定を締結する。

 市中心市街地再生担当は「工夫を凝らしたワークショップの開催など、魅力のある施設運営の提案を期待したい」としている。問い合わせは同担当(TEL0138・21・3963)へ。(今井正一)


◎道南市長会、新駅で意見交換

 【北斗】道南6市長で構成する道南市長会が4日、新函館北斗駅(北斗市市渡)で開かれた。駅舎内を視察後、意見交換を行い、来年3月26日の北海道新幹線開業に向け、市の枠を超えた広域連携を進めていくことで一致した。

 地域課題を協議するため年に1回持ち回りで開催しており、今回で32回目。北斗での開催は2007年度以来2回目で、JR北海道の協力で初めて新駅が会場になった。開催地の高谷寿峰北斗市長、工藤寿樹函館市長、青山剛室蘭市長、岩倉博文苫小牧市長、小笠原春一登別市長、菊谷秀吉伊達市長が出席した。

 開会あいさつで高谷市長が「北斗のホットな話題は新幹線に尽きる。開業効果を全道に波及させなければならない」と力を込めた。

 駅舎内の改札やホーム、市観光交流センターなどを見て回り、5カ月を切った開業を実感した。

 意見交換では「道南が広域的に連携して誘客を促進する活動を強化すべきだ」「首都圏ではなく、北海道に来るのに不便な北関東や南東北の住民をターゲットに観光キャンペーンを展開する必要がある」「冬季にイルミネーションや花火のような常設イベントができれば集客効果が高い」などの声が出ていた。

 来年度は室蘭市で開催する。(山崎大和)