2015年12月10日 (木) 掲載

◎遺愛中高生が市内でキャロリング

 遺愛女子中学高校(福島基輝校長)の生徒が福祉施設や学校などを回り賛美歌を届ける恒例行事「キャロリング」が9日、函館市内で行われた。清らかなハーモニーに包まれた会場で、多くの市民が間近に迫ったクリスマスを実感した。

 中学1年~高校3年の生徒有志214人が5グループに分かれ、市内の14カ所に歌声を届けた。

 このうち、元町の遺愛幼稚園には高校2、3年生計50人が訪問。「クリスマスの喜びを届けに来ました」とあいさつし、園児83人と保護者を前に7曲を歌った。

 「きよしこの夜」や「もろびとこぞりて」は園児も一緒に大合唱。最後は「アンコール!」の声も飛び出し、「あわてんぼうのサンタクロース」を楽しく歌った。

 高校3年の坂井田七海さん(17)は「今年で最後の参加になるのが少し寂しいが、子どもたちが知っている歌を一緒に歌ってくれてうれしかった」と話していた。(稲船優香)



◎野外劇の会が「ダンス」「せりふ」ワークショップ開催へ

 NPO法人市民創作「函館野外劇」の会(中村由紀夫理事長)は来年1月24日、野外劇の魅力を広めようと、ダンスとせりふ読みのワークショップを初開催する。同会事務局長の里見泰彦さんは「ワークショップを通して、野外劇のさらなるレベル向上につながれば」と期待し、参加を呼び掛けている。

 函館市地域交流まちづくりセンターとの共催。同会ではこれまで、殺陣(たて)のワークショップは開いてきたがダンスとせりふは初めて。今夏の野外劇が、五稜郭タワーアトリウムや五稜郭公園一の橋広場を舞台とした初の昼公演となり、観客と出演者の距離が近くなったことにより、今後も同会場で開催する際は劇の臨場感をより高めていく課題があったため、動きや発声を良くすることで企画した。

 ワークショップの会場は市芸術ホール地階リハーサル室。参加は無料。ダンスは午後2時からで、講師は市内石川町で「JADE Dance Studio」を主宰する竹内翠(みどり)さん。せりふは午後4時からと同5時半からの2部制で、講師は青森を拠点に活動する演出家で、俳優の田邉克彦さん。

 ダンスの対象は中学生以上で定員30人。興味があれば経験不問。音楽に合わせて体を動かす楽しさを学ぶ。せりふは小学校高学年以上が対象で、マイクがなくても届く声の出し方などを学ぶ。午後4時からの第1部は子どもと大人が対象。第2部は大人のみが対象。それぞれ定員30人。参加申込書は同会ホームページ(http://www.yagaigeki.com)からダウンロードできる。問い合わせは同会事務局(☎0138・56・8601)まで。(半澤孝平)



◎いさりび鉄道開業準備着々

 北海道新幹線が開業する来年3月26日にJR江差線五稜郭―木古内間37・8キロの運行を引き継ぐ第三セクター、道南いさりび鉄道(函館、小上一郎社長)が着々と開業準備を進めている。年内に運賃と運行ダイヤが決まり、来年1月以降に沿線住民向けの説明会を開く。地道なPR活動が功を奏し、地元での認知度も高まってきた。乗客を増やし収益の向上を図るため、全社員一丸となって沿線の埋もれた〝宝探し〟に奔走している。

 同社が道運輸局に申請した旅客運賃は、現在のJR運賃の1・3倍程度に設定。JR乗り入れ区間を含む木古内―函館間は現行より270円値上げし1110円。同社は「単純に1・3倍だと一部の駅利用者の負担が大きくなるため、それを回避するために営業キロの刻みを工夫した」と説明する。

 今年8月に本社を札幌から函館に移転後は、道南各地で行われる祭りなどのイベントへ積極的に参加、リーフレットやポケットティッシュ、絵はがき、うちわを配るなどの宣伝活動に注力。同社は「いさりび鉄道へ生まれ変わることが、だいぶ浸透したという手応えがある」とする。

 しかし、同社は旅客営業距離1キロあたりの1日平均輸送人員が643人と全国の並行在来線で最も少なく、開業後10年間で23億円の赤字が見込まれる。観光客を含めた乗客を増やすためのサービス向上が求められており、何か特色を打ち出すことはできないか―。

 新しい魅力づくりに向け、先頭に立つのが営業課長の勝又康郎(やすお)さん(46)だ。JR北海道の営業担当時代の2004~14年、77本もの旅行商品を生み出し、約3400人が参加。全国の鉄道ファンから最もよく名前を知られているJR北社員だという。その手腕を買われ、JR北から同社へ出向した。

 勝又さんは営業エリアを自らの足でくまなく歩き、人脈をつくりながらネタ探しに懸命だ。勝又さんの提案で、既に「道南いさりび鉄道で行く各駅停車お菓子の旅」と題した特集を組んだ雑誌も。勝又さんは「沿線は食べる、見る、学ぶという素材に恵まれている。素晴らしい素材に磨きをかけ、利用促進につながるアイデアを生み出せれば」と意気込む。

 大株主の道も手をこまぬいているわけではない。3500万円を予算化し、同社がJR北から譲り受ける9両のうち、2両を簡易改造し、観光列車として活用する。来年2月にはお披露目する見通しだ。

 開業直後から厳しい経営は必至。沿線の北斗市は運行赤字に対し、年間1500~1800万円の市負担が生じると想定。同社は「JRから無事に運行を引き継ぎ、初日から安全を確保しながら安定した運行を実現するため、全社員が準備を急ぐ」としている。(山崎大和)


◎返送されたマイナンバー、函館市が交付の臨時窓口開設

 函館市は10日、郵便局の保管期間を過ぎるなどして返送された、マイナンバーを記載する通知カードが入った簡易書留の交付を開始する。業務が落ち着くまで、市役所本庁舎1階に専用の臨時窓口を設置して対応。市は1世帯当たりの手続きに10~15分ほどかかるとみており「窓口の混雑が予想されるため、時間に余裕を持って来庁してほしい」としている。

 書類の宛先は10月5日時点の住民票の住所で、転居後に住民票を移していなかったり7日間の郵便局の保管期間を過ぎたりした場合、市区町村の窓口に返送される。市の住民基本台帳登録世帯分約14万4000通のうち、返送が完了した11月30日現在で、約1割の1万4883通が戻ってきた。

 窓口での受け取りには、印鑑と本人確認書類が必要。運転免許証やパスポートなど顔写真があるものはいずれか1点で、写真がない場合は2点持参する。代理人が受け取る場合は、本人からの委任状(市ホームページからダウンロード可能)などが必要となる。

 市は管理業務の徹底と想定以上の返送件数だったことから、書類の情報登録や選別を終わらせてから一斉に交付を開始する。全体の1割に当たる1388通の返送があった七飯町は、役場に戻り始めた日の翌日からスタート。北斗市も順次始めているが、市総合分庁舎など計4カ所で作業を行い、8日までに返送された書類の33%に当たる775通を渡し終えた。

 臨時窓口は、市戸籍住民課の住民表示窓口(10番窓口)横に設置、平日午前8時45分から午後5時半まで。書類は来年3月まで保管する。問い合わせは同課(☎0138・21・3745)へ。(蝦名達也)