2015年12月12日 (土) 掲載

◎「プラレール」に熱視線 函館駅

 JR函館駅構内のコンコースに11日、人気の鉄道おもちゃ「プラレール」を使ったジオラマが登場した。新函館北斗駅や北海道新幹線車両「H5系」などを精巧に表現し、旅行客らの目をを楽しませている。

 JR北海道函館支社が、北海道新幹線の開業機運を盛り上げようと企画。青いレールで親しまれるプラレールは1959年に発売され、今年3月末までの販売個数は1億5000万個以上になる。

 ジオラマは縦180センチ、横180センチ、高さ60センチ。新函館北斗・木古内・奥津軽いまべつの各駅の外観を忠実に再現しているほか、レール上には北海道・東北の各新幹線や寝台特急カシオペア、スーパー白鳥などの車両を配置している。

 旅行で友人と札幌から訪れていた田中恵さん(21)は「思わず見入るほど、細かいところまで良くできていますね」と笑顔で話していた。展示は当面の間行う予定。(山田大輔)



◎〝本物〟サンタさん来たよ

 北欧フィンランドのラップランド州公認のサンタクロースが11日、函館市内の病院や幼稚園などを訪れた。本物のサンタの登場に、子どもたちは大喜びで一足早いクリスマスプレゼントを受け取った。

 金森赤レンガ倉庫のテナントでつくる金森赤煉瓦会が毎年行っている。この日は4カ所を回った。

 このうち、15歳未満の約20人が入院している函館中央病院の小児病棟では、サンタクロースが病室を一つ一つ訪ね、お見舞いの言葉と共にプレゼントを届けた。野呂楓菜ちゃん(1)と両親は「会えてうれしい」とにっこり。同院は「クリスマスの雰囲気を実感してもらういい機会」と歓迎していた。

 12、13の両日には、金森洋物館(末広町13)の中央ロビーにサンタクロースが登場する。12日は①午後1時②同3時③同5時―で、13日が①午前11時②午後1時③同3時④同5時―。1回1000円で記念撮影ができ、写真は24日に届ける。各回50人限定。問い合わせは金森赤レンガ倉庫(☎0138・27・5530)へ。(稲船優香)



◎コミュニティー・スクール 五稜郭中での導入検討

 函館市議会第4回定例会は11日も一般質問を継続し、5氏が登壇した。函館市教委は、学校の運営に保護者や地域住民らが参画する「コミュニティー・スクール」(CS)について、来春に五稜、大川、桐花3中学校の統合校として開校する、五稜郭中学校での導入を検討していることを明らかにした。

 松宮健治氏(公明党)への答弁。

 CSは地方教育行政法に基づき、学校を管理する教育委員会が指定。保護者や住民らでつくる学校運営協議会が設けられ、▽校長が作成する学校運営の基本方針の説明を受け承認▽教育委員会や校長に学校運営に関する意見が述べられる▽教職員の任用に関して意見できる―などが主な役割で、学校と地域の情報共有や教職員の意識改革などを図る。

 ただ、市教委によると道内の小中学校、高校のうち、CSの指定校となっているのは43校(11月1日現在)と、2%ほどにとどまる。道南では知内町の湯ノ里小学校と知内高校の2校が、ともに昨年度に指定を受けているが、推進はいまひとつだ。

 11月に開かれた工藤寿樹市長と教育委員会で構成する「市総合教育会議」では、委員からCSの導入を評価する声が上がった一方「高齢化や町会役員の担い手不足が進む中、協議会に参加する人材は限られる」「町会と学校側が交流を増やす仕組み作りが必要だ」との意見が出されている。

 市は人材確保や地域との体制構築など諸課題の解決に努めながら、再編により統合する学校や条件が整った学校から順次導入を進める。今後、協議会規則の制定や関連規定の整備、協議会委員の報酬などについて予算計上する見通しだ。(蝦名達也)


◎来年開館20周年 新作映画を構想 シネマアイリス

 函館市民映画館シネマアイリス(本町22)の菅原和博館長は11日、開館20周年を迎える来年に、函館出身の作家・故佐藤泰志原作の新作映画を撮影する構想があることを明らかにした。

 同館はこれまでに実行委員会形式で市民から制作費などの協力を募り、佐藤原作の映画「海炭市叙景」(熊切和嘉監督)「そこのみにて光輝く」(呉美保監督)を企画・製作。「そこのみにて―」は第38回モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞するなど、高い評価を受けている。

 今夏は市内で、函館3部作の締めくくりとされる「オーバー・フェンス」(山下敦弘監督)のロケを敢行。映画は来年9月に全国に公開される予定だ。

 菅原さんは新作映画について「3部作を撮ったことで、もう1本撮れるという手応えを感じた」とした上で、脚本を佐藤の作品から選び、若手の監督を起用する考え。「才能のある人を見出したい。これからの映画界を支えていくような監督やスタッフと映画を作りたい」と意気込んでいる。

 開館20周年記念となる新作について、菅原さんは「海炭市叙景を作った時の原点に立ち返り、映画作りの初心を再び取り戻すような作品を作りたい」と話す。「実現すれば佐藤映画色や函館色、シネマアイリス色の強い作品になる。これから準備を進めていきたい」と抱負を語った。(半澤孝平)