2015年12月19日 (土) 掲載

◎道新幹線ダイヤ発表 東京―函館 最速4時間29分

 【札幌】JR北海道は18日、来年3月26日に開業する北海道新幹線や新函館北斗―函館間を結ぶアクセス列車「はこだてライナー」などのダイヤを発表した。東京―函館間の乗り継ぎ時間を含めた最速時間は、現行から53分短縮され、4時間29分となる。一方、函館市の関係者らが要望していた宇都宮駅の停車が見送られたことに際し、同社は「今後も停車は難しい」との見方を示した。

 札幌市のJR北海道本社で行われた記者会見で、JR北海道の田畑正信常務と鉄道事業本部の宮越宏幸運輸部長らが明らかにした。

 新函館北斗―東京間を4時間2分で結ぶ最速列車は上下計3本で、新青森、盛岡、仙台、大宮のみ停車する。下りは東京午前8時20分発「はやぶさ5号」と同9時36分発「はやぶさ11号」の2本、上りは新函館北斗午後5時21分発「はやぶさ34号」の1本。このうち、はやぶさ5号を利用し、新函館北斗駅ではこだてライナーに乗り継ぐと函館は午後0時49分着となり、東京―函館間最速の4時間29分となる。

 一方で、宇都宮駅が現状通り通過となることについて、宮越部長は「はやぶさは首都圏と北東北、北海道を最速で結ぶという使命を持っている」と説明。ほとんどの「はやぶさ」は、東京-盛岡間で秋田新幹線「こまち」が併結していることを挙げ、「秋田新幹線は単線区間で、列車交換(行き違い)の場所や時間が限られていることで、綿密にダイヤを組んでいる。はやぶさを宇都宮駅に停車させ、ダイヤを変更するこは相当厳しい」と今後も停車の可能性が低いという見解を示した。

 新函館北斗駅を発着する新幹線は、東京便10往復20本を含む13往復26本。木古内駅には8往復16本、奥津軽いまべつ駅には7往復14本が停車し、繁忙期の臨時便の運行について同社は「検討中」とする。田畑常務は「準備作業に追い込みをかけ、万全の態勢で開業日を迎えたい」としている。(山田大輔)



◎函館山ロープウェイ、搭乗者数5000万人達成

 函館山ロープウェイ(竹村隆社長)は18日、搭乗者数が5000万人を突破した。1958年11月の開業から57年目の記録で、祝福セレモニーを行った。

 5000万人目となったのは、この日初めて函館を訪れた愛知県の自営業小山智充さん(29)、妻の絵実さん(31)、長女のひまわりちゃん(1)、小山さんの父で大阪府の会社員博嗣さん(59)、小山さんの兄で東京都の大学専任講師桂史さん(31)の家族5人。

 セレモニーでは、小山さん家族がくす玉を割り、竹村社長らから花束や記念品が贈られた。桂史さんは「5000万人目となり、うれしい」、博嗣さんは「21日に還暦を迎えるのに合わせて、サプライズで函館旅行を企画してもらい、今日もまたびっくりで、最高です」と笑顔で話した。

 同社によると来年1、2月ごろを見込んでいたが、今年は外国人客の来場者数が上半期に続いて下半期も好調で、年内に達成できたという。竹村社長は「来年は北海道新幹線開業に伴い、多くの旅行客が訪れることが予想されるが、混雑なくおもてなしできるようにしていきたい」と話した。(能代俊貴)



◎はこだてライナー最速15分 北斗は3本増便

 北海道新幹線開業記念イベントとして、来年6月26日に開催する「2016函館マラソン」(実行委など主催)のコース図が17日、公表された=別図=。参加資格もフルマラソンは5時間以内(競技終了時間はスタートから5時間20分)、ハーフが2時間50分で完走できる18歳以上と決まった。

 JR北海道は18日、北海道新幹線開業に合わせて行う在来線のダイヤ改正について概要を発表した。新函館北斗―函館間を結ぶアクセス列車「はこだてライナー」は16往復32本運行、全ての新幹線と接続し、同区間17・9キロを最速15分で運転する。また、特急「スーパー北斗」「北斗」(函館―札幌間)を現行の9往復18本から12往復24本に増便、ほぼ全ての便が新幹線に接続する。

 はこだてライナーは、停車駅が五稜郭のみの快速と、五稜郭、桔梗、大中山、七飯の各駅に停車する普通列車の2種類。32本のうち、函館行き7本、新函館北斗行き6本が快速となる。733系電車を使用し、3両編成(定員441人)で運転。繁忙期は最大6両で運行する。

 スーパー北斗は、新たに261系車両を導入。全列車が新函館北斗駅に停車し、函館駅始発の午前6時10分と札幌駅発午後8時の2本を除く11往復22便が、新幹線と接続する。同社は増便による需要予測を明らかにしていないが、「在来線利用客の増加で、収支改善を図りたい」としている。

 一方、新幹線開業と同時に寝台特急「カシオペア」(上野―札幌間)や特急「スーパー白鳥」「白鳥」(新青森―函館間)、急行「はまなす」(青森―札幌間)が廃止となる。はまなすは、札幌―東室蘭間で利用客が多いため、代替便として同区間を結ぶ特急「すずらん」を夜間に増便する。

 また、同社の主力気動車「キハ40系」が老朽化し、車両故障による運休、遅延が頻発していることから全道で普通列車79本を減便。函館と長万部を結ぶ函館線は、49本の普通列車のうち4本が全区間または一部区間が廃止となる。(山田大輔)


◎いさりび鉄道 土曜休日連休なくす 37本運行

 北海道新幹線が開業する来年3月26日にJR江差線五稜郭―木古内間37・8キロの運行を引き継ぐ第三セクター、道南いさりび鉄道(函館、小上一郎社長)は18日、運行概要を発表した。朝夕の利便性を高めるため、土・日曜・祝日の上磯―函館間の運行本数を現行より2本増やし、平日と同じ37本とする。

 全列車が移管後も函館発着とし、JRからいさりび鉄道へ直通運転する。増便するのは、上磯午前7時36分発函館行き、函館午後6時35分発上磯行き。これにより運行本数は平日、土曜・休日とも同数の37本。

 また、木古内発函館行きの一部列車の発車間隔について、現行は1時間2分、3時間6分などと大幅に異なっているのに対し、開業後は1時間54分、2時間20分と「なるべく等間隔に近づけ、利用しやすいようにした」(同社)。

 全列車がワンマン運転し、七重浜―木古内間は運転士後ろのドアのみを開ける。同社は増便に関し「お客さまに利用してもらいたいので、限りある車両と運転士をやりくりした結果」としている。ダイヤの詳細は来年1月以降に開く沿線住民向けの説明会で示す。(山崎大和)