2015年12月21日 (月) 掲載

◎石戸君が全国大会出場、松本さんは優秀賞 ジュニア英語スピーチ・コン

 道内の小中学生が日ごろ鍛えた英語の表現力を競う全国ジュニア英語スピーチ・コンテスト(日本LL教育センター主催)北海道ブロック大会が6日、かでる2・7(札幌)で開かれた。函館からは中学生の部で道教育大附属函館中2年の石戸凛太郎君(14)が最優秀賞、小学生の部で千代ケ岱小6年の松本莉鼓さん(12)が優秀賞に輝いた。このうち石戸君は来年2月、東京で開かれる全国大会に出場し、昨年に続き全国でも最優秀賞を目指す。

 同コンテストは、子どもの英語教育を研究する同法人のプログラムで学ぶ子どもたちの学習成果の発表の場として1978年に始まり、今年で38回目。北海道ブロック大会には、予選を勝ち抜いた小学生7人、中学生6人が参加。小学生は課題文の暗唱、中学生は4分以内で自作の英作文を発表し、それぞれ全国大会出場権が得られる最優秀賞を目指して、熱戦を繰り広げた。

 道ブロック初出場だった松本さんは「忠犬ハチ公」をテーマに、「話しかけるように発表するように気をつけた」と振り返る。昨年まで3年連続で最優秀賞に輝いている石戸君は、「オープニング・ザ・ブック」と題した作文で、他者を本にたとえ「表紙(うわさや第一印象)だけで判断してはいけない。本を開いて見るように人と接したい」などと呼び掛けた。石戸君は見事に4連覇を成し遂げ、全国出場を果たした。

 2人が通う大文堂外語スクール(本町25、渡邊晃代表)が全国出場者を輩出するのは6年連続。石戸君は、昨年の全国大会でも最優秀賞を獲得していることから「目標は全国2連覇」と意気込む。松本さんは今回初出場の全道大会で獲得した優秀賞に「うれしい。来年も出場できれば」と期待を込める。(半澤孝平)



◎今年最後の「大間反対」 バイバイウォーク

 大間原発(青森県大間町)建設に反対する市民団体「バイバイ大間原発はこだてウォーク」は20日、今年最後の集会とデモ行進を函館市西部地区で行った。ベイエリアで開催中の「2015はこだてクリスマスファンタジー」のメーンツリー前で「イベントを続けるために大間を止めよう」と気勢を上げた。

 毎月第3日曜恒例の反対行動。今回のテーマは「ファンタジーをいつまでも。事故が起きたら終わりだよ!」。集会で実行委メンバーのピーター・ハウレットさん(60)が「函館は2年連続で全国で最も魅力的なまちに選ばれた。大間で事故が起きれば、素晴らしいまちは壊滅する。クリファンも開催できなくなる。大事なものは守っていこう」と呼び掛けた。民主党の逢坂誠二衆院議員は、電源開発(東京)が昨年12月16日、大間稼働の前提となる新規制基準への適合審査を原子力規制委員会に申請したことに関し「(審査終了には)まだ時間が掛かりそうだ」と述べた。

 デモには約70人が参加。ツリーをデザインした旗(1・5メートル×1・8メートル)を掲げ「大間原発ストップ!」などと声を張り上げた。(山崎大和)



◎駅長やご当地キャラが新幹線開業をPR

 JR北海道函館支社は20日、「2015はこだてクリスマスファンタジー」が開かれている金森赤レンガ倉庫群前で、来年3月26日の北海道新幹線開業をPRするステージイベントを開催した。大勢の市民が詰め掛け、ご当地キャラクターとの記念撮影や抽選会を楽しんだ。

 函館出身のロックバンド「GLAY」が書き下ろした開業イメージソング「Supernova Express 2016」が会場に流れてイベントが幕開け。

 函館駅駅長と、新函館北斗、木古内、奥津軽いまべつの各開業準備駅長が登壇。道南各地や青森から駆け付けたご当地キャラクターが見守る中、「出発進行!」の掛け声で海に浮かぶ巨大ツリーを点灯させた。このほかにも旅行券や新幹線グッズが当たる抽選会もあり、会場は盛り上がった。

 新函館北斗駅の鳴海正駅長は「開業によってこれまで宿泊が必要だった仙台、盛岡が日帰りで行けるようになる」、奥津軽いまべつ駅の石沢透駅長は「今別町は日本で一番小さな新幹線駅のまちになるが魅力はたっぷりある。どうぞお越しください」とPRした。(金子真人)


◎道南の生コン業界、需要減と人材難深刻

 道南の生コンクリ―ト業界が、需要減と人材難にあえいでいる。北海道新幹線関連の大規模工事の終了や公共工事の減少で、今年度の出荷量は過去最低を更新する見通しだ。生コンクリートを運ぶミキサー車の運転手不足も深刻で、道南の3協同組合(函館、南北海道、北渡島)で構成する道南地区生コンクリート協同組合連合会は、生き残りをかけて工場の集約化を加速するなど対応を模索している。

 同連合会は、今年度の出荷量を前年度比25%減の30万立方メートルと想定。ピーク時の1995年度と比較すると4分の1以下となり、落ち込みは顕著だ。

 新幹線工事が着工した05年以降の10年間で、函館と南北海道の協組は合計で約100万立法メートルを出荷。トンネルや橋梁などの建設による特需に沸いたが、大型工事終了により状況は一変。近年は減少の一途をたどっている。札幌延伸にともなう工事は、村山トンネル(北斗市)など一部で着工しているものの、関係者は「大幅な需要の上積みは期待できない」と苦渋の表情を浮かべる。

 道が発注する工事の減少も業界には大きな痛手だ。漁港の堤防建設工事などが著しく減少しており、同連合会によると、官需と民需の割合は最盛期が7対3だったのに対し、現在はほぼ同程度となっているという。

 業界にさらなる追い打ちをかけるのが原料価格の上昇。軽油価格の下落で輸送費の負担は軽減されたものの、全国的に原料の砂利や砂、セメントの価格は上昇傾向が続いており、経営に打撃を与えている。

 こうした厳しい状況を背景として、若者の新規採用に二の足を踏む企業が多くなっている。同連合会の館石亮雄事務局長は「ミキサー車の運転手は40代後半と60代に集中し、高齢化が進んでいる。新規雇用を図りたいが、人を育てる余裕がない企業が多い」と話す。

 14社でつくる函館生コンクリート協同組合は今年に入り、恵山地区の工場を閉鎖。同連合会は道南全体でピーク時に40以上あった工場を半分程度まで集約し、共同操業で生産を効率化させている。館石事務局長は「工場の集約化を進め、適正生産規模の構築を図りたい」としている。(山田大輔)