2015年12月26日 (土) 掲載

◎今年の渡島管内漁業生産高、12%増の558億円

 渡島総合振興局は、今年1~12月の管内漁業生産高(速報値)をまとめた。数量は前年比3%減の17万3000トンと伸び悩んだが、金額は12%増の558億円となり、過去10年で最も高額だった前年を上回った。噴火湾のホタテ貝輸出が好調で価格も高水準で推移したことが要因で、ホタテがスルメイカやスケトウダラなど回遊魚の水揚げ不振をカバーした格好だ。金額の500億円突破は15年ぶり。

 数量、金額とも八雲町熊石地区を除いており、1~11月は14漁協への聞き取り実績をまとめ、12月は振興局が推計により算出した。

 ホタテは数量が26%増の10万4139トン、金額が40%増の291億円と史上最高を記録。1キロ平均単価も前年より26円高い279円に跳ね上がった。中国への輸出好調に加え、オホーツク産ホタテが低気圧被害による減産で噴火湾産への引き合いが強まった。漁協別の金額は長万部57億円、八雲町60億円、落部58億円、森59億円、砂原30億円、鹿部23億円と堅調だった。

 コンブは数量が10%減の5767トン、金額が8%減の83億円となった。天然は着生量の低下、養殖は付着物の影響で落ち込んだ。

 低迷が続くスルメイカは数量が33%減の1万2526トン、金額が23%減の45億円。単価は49円高い361円と高騰。加工業者が原料手当てに動いたためとみられる。

 サケが14%減の3792トン、11%減の19億円、小型の来遊が好調だったブリが42%増の6759トン、1%減の14億円となった。

 以上5魚種で全体の8割、452億円を占める。同振興局は「他の魚種が軒並み落ち込む中、好調なホタテ漁が金額全体を押し上げた」(水産課)としている。(山崎大和)



◎函館八幡宮で大すす払い

 函館市谷地頭町の函館八幡宮(中村憲由樹宮司代務者)で25日、年末恒例の神事「大すす払い」が行われた。神職が長さ3メートルほどの竹にササの葉を縛り付けた忌竹(いみだけ)を使い、社殿の天井などにたまった1年分のほこりを払い落とすなどして清めた。

 忌竹に使う竹は、鏡内にある山林から切り取って用意した。この日は神職や巫女(みこ)6人が掃除を始める参拝をした後、拝殿の作業に入った。忌竹が天井や柱の上部などを払うと「サー、サー」という音が響き、ほこりが落とされた。巫女ははたきを使い窓のほこりを落とした。

 同八幡宮権禰宜の桑原隆次さん(36)は「1年の感謝を込めるとともに来る年も神のお力が栄えるよう神事に臨みました」と話した。26日以降、しめ飾りの取り付けなどをして新年を迎える準備に入る。(鈴木 潤)



◎クリファン 華やかに閉幕

 函館市末広町の金森赤レンガ倉庫群前で11月28日から開かれていた「2015はこだてクリスマスファンタジー」(実行委主催)が25日、最終日を迎えた。会場は強い風雪にも関わらず大勢の観客が詰め掛け、イベントのフィナーレを見守った。

 午後6時、打ち上げ花火を合図にセレモニーが開幕。14万8000個の電飾が施された高さ20メートルのメーンツリーをバックに、市内のグループによるゴスペルライブやダンスステージが繰り広げられ、集まった観客を沸かせた。

 登壇した河内孝善実行委員長は「また来年も、このまち、この場所で皆さんに会えることを楽しみにしている。メリークリスマス!」とあいさつ。フィナーレは花火が盛大に打ち上がると、対象的にツリーの光がだんだんと弱まり、函館の冬を彩ったイベントが幕を閉じた。(金子真人)


◎中部高・宮崎さん、クラリネットで2大会代表

 函館中部高校2年の宮崎萌乃さん(17)が、11月に恵庭市で開かれた第20回全日本中学生・高校生管打楽器ソロコンテスト予選第6回北海道大会(日本吹奏楽指導者協会主催)で金賞に輝き、道代表として全国大会(来年3月、神奈川県)に出場する。宮崎さんは「自分らしく楽しんで吹きたい」と意気込んでいる。

 宮崎さんは中学1年からクラリネットを始めた。現在は同校吹奏楽局に所属し、苫小牧市に月3、4回レッスンに通って技術を磨いている。

 大会には、全道の高校生44人が出場し、宮崎さんは「ソロ・ド・コンクール」(ラボー作曲)を演奏。自信を持って臨んだが、1音目が思うように吹けず、焦りを最後まで引きずってしまったという。全国大会に進む3人に選ばれたものの、笑顔になれなかったという。宮崎さんは「この大会で結果が良くなかったら、音楽の道は諦めるつもりだった。もらったチャンスを生かす」と一層の練習を誓っている。

 また、今月20日に北斗市で開かれた第37回北海道管楽器個人コンクール函館地区大会でも金賞を獲得。地区から一人、道大会(来年2月、北広島市)への進出を決めている。

 選んだのは、「イタリア幻想曲」(ボザ作曲)。イタリア人の自由奔放さをイメージし、楽譜通りではなく遊び心を重視した演奏を心掛けた。「たっぷり余裕を持って吹く曲。後半はテンポが速くなり、転調もあるが、自分なりの表現を大事にしたい」と気を引き締めている。(稲船優香)