2015年12月3日 (木) 掲載

◎上磯郡漁協が23日にイートイン型直売施設オープン

 【北斗】上磯郡漁協(本所・知内町、山崎博康組合長)は23日、直営のイートイン型直売施設「貝鮮焼 北斗フィッシャリー」を北斗漁港上磯地区の敷地内(飯生1)にオープンする。津軽海峡で水揚げしたカキやホタテ、ホッキ貝など新鮮な魚介類を自分で焼いて楽しめる。北海道新幹線を利用し、道南を訪れる観光客に北斗の海の幸をアピールする考えだ。

 渡島管内の漁協でイートイン方式を採用した直売施設の建設は初めて。フィッシャリーとは「漁業・水産業」という意味。施設は国が所有し道が管理する土地を賃貸、木造平屋延べ208平方メートル。飲食部門はガス台を置いた6人掛けのテーブルが12卓あり、72人を収容。食材は季節によってツブ貝やウニなどが楽しめる。生ビールやソフトドリンクも提供。津軽海峡の眺めも良く、憩いの場となりそうだ。

 このほか、直売部門ではホッキやホタテ、カキをはじめ、塩蔵ワカメ、乾燥フノリ、乾燥ヒジキなど水産加工品がそろう。常勤の従業員は店長を含め4人。

 駐車場は26台(うち身障者用3台分)で、店内までバリアフリー構造とした。営業は午前11時~午後4時。月曜定休(月曜が休日の場合は翌日)。年内は29日までだが、28日も営業する。年明けは1月5日に営業を開始する。

 同漁協は施設を組み込んだツアーの実現に向け、旅行会社やJR、観光協会に働き掛けを強化する考え。三上珠樹専務理事は「津軽海峡に面した管内の海の幸を多くの人に召し上がってほしい。きじひき高原、あぐりへい屋、フィッシャリー、トラピスト修道院を周遊するルートも考えられるので、ぜひ旅行プランに組み込んでもらえれば」と話す。

 事業費は6420万円で、道と北斗市から4476万円の補助を受ける。7月に着工し、今月中旬に引き渡される予定。(山崎大和)



◎観光客数増321万人、函館上期

 函館市は2日、本年度上期(4~9月)の観光客の入り込み数(推計値)を発表した。総数は約321万人で、前年同期比約4万8000人(1・5%)の増加。函館アリーナ開業(8月)効果や好調な訪日外国人客が後押しした。外国人宿泊者数も上期として過去最高の約18万人となり、年間40万人台が現実的な数値となった。

 入り込み客数は、交通機関別の利用客数などを基に推計している。市観光部は「北陸新幹線開業などで、北陸や関西圏に向かう傾向があった」とする一方で、市内ではGLAYのこけら落としライブ、全国中学校柔道大会などが行われた函館アリーナの開業、外国人観光客の入り込みが好調に推移したことなどが増加につながったと分析する。下期(10~3月)が前年度並みの約167万人で推移すれば、過去10年では最多となる年間490万人台も視野に入る。

 交通機関別では、航空路線が前年同期比で7・3%増の約41万人。2社が乗り入れる台湾線に加え、今年就航した中国の天津、北京線の国際線が好調で、国内線の利用も堅調に推移した。国内線を利用して訪れる外国人客も増加傾向にあるという。船舶は前年と比較し、クルーズ船の寄港数が減少したため、11・1%減となった。JRは約69万人でほぼ横ばいとなった。

 また、321万人のうち、204万人が道外客で、116万人が道内客。宿泊客は198万人、日帰り客は122万人だった。道外客、宿泊客の比率が増加した。

 一方、市内主要宿泊施設への聞き取りでまとめている訪日外国人宿泊客数は、前年同期比で4万3345人(30・9%)増加の18万3818人。国・地域別では、台湾が同6530人増の10万7580人で最も多く、次いで中国が同2万1338人増の3万4466人。以下香港8448人、韓国7930人、シンガポール5772人、タイ5454人などで、いずれも前年同期を上回った。

 外国人宿泊客数の過去最高は、14年度の約34万6000人(上期14万人、下期20万人)。近年、冬の北海道人気に加えて、「春節」(2月)前後に中華圏の訪日客が急増する傾向が続いている。今月8日には中国東方航空、来年1月下旬から北京首都航空がそれぞれ函館と杭州を結ぶ定期便開設を予定し、中国本土からはさらなる入り込み増加が期待される。市観光企画課の本吉孝年課長は「伸び率を考えると、45万人も期待できる」と述べた。(今井正一)



◎駅前「光の回廊」19日から点灯

 JR函館駅前広場で、イルミネーションの設置作業が本格化している。道南スギ素材の木製フレームが組み立てられ、駅舎出入り口から国道に向かう回廊部分となる。今月中旬に設置作業が終わり、点灯パターンの仕掛けなどを調整し、19日の点灯開始を予定している。

 本年度の駅前のイルミネーションは、民間からの公募として、髙田傑建築都市研究室(松風町)など市内4社でつくるグループの提案を採用。市と細部を調整し、11月20日から設置作業が始まった。

 駅舎から80メートルの区間に、四角すい状に組み合わせた木製フレームが連続して並び、真横から見た場合には函館山をイメージし、いさり火に見立てた球状の電飾をつり下げる。内部を通行することが可能で、点灯パターンに変化を持たせる。周辺の花壇部分は青色のLEDを使い海をイメージし、街路樹にも電飾を巻き付ける。駐車場の入り口付近にも電飾を拡充して、全体的なボリューム感を出した。

 1日の作業では、光の回廊となる部分に足場が組まれ、木製フレームの組み立てが始まった。中旬には設置作業が終わる予定。点灯時間は、開港通りや二十間坂などのイベント「はこだてイルミネーション」と同じ日没から午後10時までで、来年3月末までを予定している。(今井正一)


◎木古内駅停車「10往復以上」、町長らJR北に要請

 【札幌、木古内】来年3月26日の北海道新幹線開業に向け、木古内町や道南西部9町などでつくる新幹線木古内駅活用推進協議会(会長・大森伊佐緒木古内町長)などは2日、札幌のJR北海道本社を訪れ、北海道新幹線の木古内駅への停車本数を、現在の在来線(函館―新青森間)の特急本数と同じ10往復以上とするよう同社に要請した。

 北海道新幹線の1日の運行本数は、新函館北斗―東京間10往復、新函館北斗と仙台、盛岡、新青森を結ぶ列車がそれぞれ1往復することで、新函館北斗-新青森間は計13往復する。

 木古内駅への停車本数や運行ダイヤは未定で、発表は年内に予定されている。現在の在来線の特急は新幹線開業に伴い廃止となるため、木古内町などは特急本数と同数が維持できるように、これまでも同様の要請活動を行ってきた。

 この日は、大森町長と同協議会の工藤昇上ノ国町長が同社の小山俊幸常務と宮越宏幸取締役に要請書を手渡した。大森町長は「町民の生活路線だけでなく、9町を周遊する観光客の利便性を守るため、停車本数の確保は極めて大事」と強調。JR北海道側は「新幹線の速達性と住民や観光客の利便性のバランスを取るよう努力する」とした。(斎藤彩伽)