2015年12月30日 (水) 掲載

◎新幹線開業記念福袋、2016万円の住宅も

 2016年の初売りに向けて、函館市内、近郊の百貨店や大型スーパーで福袋の準備作業が進んでいる。来年3月26日の北海道新幹線開業を記念した商品ほか、住宅の福袋も登場。各店とも例年にはないインパクトのある高額商品を用意し、“新幹線元年”を盛り上げる。

 テーオー小笠原(港町)は、住宅福袋として通常価格2670万円の土地付き建物(深堀町、3LDK)を2016年にちなみ2016万円(税込み、限定1棟)で発売する。1月2~4日にテーオーデパート(梁川町)、6~11日にテーオーハウス(中島町)で申し込みを受け付け、応募者多数の場合は抽選となる。同社は「新幹線開業に沸く地元の企業として、話題性のある福袋の提供で函館のPRにつなげたい」としている。

 棒二森屋(若松町)と丸井今井函館店(本町)の両店では、北海道新幹線開業にちなんだ福袋として、純金製の開業記念メダル(直径5センチ、60グラム)、新函館北斗―仙台間の往復ペア乗車券、東北のホテルペア宿泊券がセットになった福袋を91万8000円(税込み)で販売する(両店とも5セット限定)。棒二森屋の販売担当者は「新幹線開業を迎えるにあたり、さまざまなサービスや企画を展開して機運を盛り上げていきたい」と意気込む。

 イオン上磯店(北斗市七重浜)は1日午前9時開店。米5キロやカップ麺1ケースなど人気の食品10種類を詰め合わせた「福カート」(税込み5400円、限定30台)を用意するほか、同11時から近畿大の養殖本マグロの解体ショー、即売会を実施する。

 棒二森屋、丸井今井函館店は2日午前9時から、テーオーデパートは同10時から初売りを開始する。(金子真人)



◎年の瀬、市場活気

 年末年始の食卓を彩る魚介類や野菜を求めて、函館市内の市場は連日大勢の客でにぎわっている。29日も終日活気に満ちた。

 中島廉売(中島町)の鮮魚店では、カニやマグロ、カズノコ、アワビなどがずらりと並び、「これもサービスしてあげる。安いからたくさん買って、いい年を迎えてね」と売り手の威勢の良い掛け声が響いた。

 はこだて自由市場(新川町)には市民のほか観光客も多く訪れ、イクラやタラコ、クジラベーコンなどを購入。すぐに宅配手続きをする姿が目立った。同市場によると例年30日がピークだという。

 中島廉売で買い物した市内の山本拓也さん(42)は「家族の健康と世の中の平和を願いながら新年を迎えたい」。母親と自由市場に来た七飯町の中川凜々愛ちゃん(5)は「大好きなエビを早く食べたい」と笑顔だった。(田中陽介)



◎千歳町電停付近で市電が脱線

 29日午前10時半ごろ、函館市千歳町の市電千歳町電停付近で、湯の川発谷地頭行きの電車が脱線した。単独事故で乗客約70人のうち60、70代の女性2人が腰の痛みなどを訴えたが、命に別条はない。

 市企業局交通部と函館西署によると、同電停を発車直後に車両前輪が脱線、上下路線の軌道をふさぐ形で乗り上げた。発車直後で、スピードはそれほど出ていなかった。一般道の車両通行に支障はなかった。

 脱線に気付いた運転士の40代男性が無線で本部に連絡し、乗客のけがの有無を確認したところ、女性2人が名乗り出たが、病院に搬送するまでの状態ではなかった。

 同部によると、レール付近に異常はなく、異物などによる大きな衝撃音も運転士は聞いていないという。当時、断続的に雪が降っていた。原因を調べている。

 五稜郭公園前―函館駅前間で運休し、代行バスで対応した。同日午後5時ごろに復旧した。

 現場近くの自営業の男性は「特に大きな音は聞こえなかった。近所の人が脱線を教えてくれて初めて分かった」と話していた。本町方面に買い物に行こうと正午すぎ、同電停に来た女性は「脱線があったことを知らなくて困った。家族に頼んで車でデパートに行く」と話していた。

 同部によると市電の単独事故は2010年12月にも発生。この時は積雪が原因だった。同部は「年の瀬の時期の脱線事故で多くの人にご迷惑をお掛けして申し訳ない。一層の安全運転に努めたい」としている。


◎正月用餅作りがピーク

 年の瀬も迫り、正月用の鏡餅やのし餅作りがピークを迎えている。正月餅を扱う店では早朝から職人たちが作業を進め、外にはもち米を蒸す甘い香りの煙が上がっている。

 栄町5にある1990年創業の老舗餅専門店「丸井榮餅」(佐藤秀昭代表)では、26日から連日午前1時に作業を開始し、同9時ごろまでに終える。従業員を通常より6人多い10人で対応しており、ピークは31日まで続くという。

 こだわりの餅は、岩手県紫波町(しわちょう)産の「ヒメノモチ」を使用。「手間暇をかけておいしい餅を作り、お客さまに喜んでもらいたい」と話す佐藤代表(62)は、田植えと稲刈りの時期に現地に行き、生産者との交流も大切にしている。

 作業場では鏡餅のほか、佐藤代表が自ら北斗市まで摘みにいったヨモギののし餅や、黒糖と上白糖で作る砂糖餅など、職人の技で仕上げられていった。

 同店では、お供え餅(鏡餅)を1合(346円)~2升(6920円)のほか、豆餅やゴマ餅など6種類の餅を大きさ別に販売している。(能代俊貴)