2015年12月4日 (金) 掲載

◎道新幹線 最速4時間2分、JR北、新函館北斗ー東京間

 JR北海道は3日、来年3月26日に開業する北海道新幹線について、新函館北斗―東京間の最速時間を4時間2分とする方針を固め、与党に説明した。地元自治体などは3時間台の走行を求めてきたが、貨物列車との共用走行区間を持つなどの特徴から、安全性と定時運転を最優先した。詳細なダイヤは今月中旬に発表される。

 東京都内で同日開かれた、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの勉強会で同社の西野史尚副社長が報告した。

 同社が計画するダイヤ案によると、最短所要時間で運転する列車は、東京発午前8時台となる予定。東京―新青森間を現在の最速時間である2時間59分で運行。乗務員交代のため新青森駅で2分停車し、同駅から新函館北斗駅までは1時間1分で運転する。奥津軽いまべつ、木古内の両駅は通過する見通しだ。

 新函館北斗―東京間の所要時間をめぐっては、移動時間が4時間を超える他地域で、利用者が航空路線を選択する傾向が強くなることから、新幹線と飛行機の利用の分岐点を示すとされる「4時間の壁」を破れるかどうかが焦点となっていた。

 北海道新幹線(新函館北斗―新青森)は全長約149キロのうち、青函トンネルを含む約82キロが貨物列車との共用走行区間となる。このため、貨物列車とすれ違う場合は最高速度を260キロから140キロまで落とさなければならない。

 関係者によると、新函館北斗―新青森を57分程度で走行することは可能だが、定時運行確保のためには、天候要因などによる徐行要素などを考慮した「付加時分」を確保する必要があるという。

 北海道新幹線は、積雪寒冷地や高温多湿の青函トンネル内の走行に加え、貨物列車との共用走行という全国初の特徴を持つことから、同社は付加時分を多めに取る必要があると判断。3時間台の運転を断念した。

 同社は、開業後2年以内に新幹線と貨物列車の運行時間帯を調整し、共用走行区間での最高速度を200キロまで上げ、約20分の時間短縮を目指す考えだ。 (山田大輔)



◎ラ・サールのラガーが市長訪問

 27日から東大阪市の花園ラグビー場などで開かれる全国高校ラグビー大会に初出場する函館ラ・サール高校ラグビー部の監督、選手らが3日、函館市役所を訪れ、工藤寿樹市長に出場報告を行った。選手たちは南北海道代表として立つ花園に向け、部OBの市長に必勝を誓った。

 ラ・サールは9月26日に市根崎運動公園ラグビー場で行われた道予選会南大会決勝戦で、大会15連覇の強豪・札幌山の手を22―12で下し初の全国行きを決めた。函館勢の花園出場は、札幌山の手の連覇が始まる前年の1999年、函大有斗が南大会を制した第52回大会以来、16年ぶり。

 この日は荒木竜平監督と沖野玄主将、チームキャプテンの江頭翔太朗、バックスリーダーの加藤皓己(いずれも3年)とフェルミン・マルチネス校長、市ラグビーフットボール協会の額賀康之会長らが訪問。同高出身で、ラグビー部創設メンバーの一人である工藤市長は「後輩に伝統をつないでこのまま10年くらい花園に行けるように頑張ってほしい。心から期待している」とエール。江頭も「花園でトライを決めたい」と力強く答えた。

 日々基礎練習に励み技術面の向上を図るとともに、大舞台でもチームワークを武器とする「ラ・サールらしさ」を十分に発揮したプレーに期待がかかる。加藤は「強豪からの視線をもろともせずに頑張りたい」、沖野主将は「最後は勝ちたいという気持ちが勝負を決める。どこが相手でも今までやってきたことをしっかりと出し切る」と決意を述べた。



◎函館市、ICカード乗車券導入に向け来月プロポーザル実施

 函館市は市電と函館バス共通のICカード乗車券の導入に向けて、事業者選定のプロポーザル(提案型公募)を来年1月に実施すると明らかにした。来年度予算案にも関連経費を盛り込む考えで、本年度中に受託候補者を決定し、17年3月の運用開始を目指す。

 市は11月に、国からの支援を受けるための法定計画として、持続可能な公共交通網の構築にまちづくりや観光振興の視点を盛り込んだ市地域公共交通網形成計画を策定。ゾーンバスシステムの導入を軸としたバス路線網の再編、利用しやすい料金体系導入などを掲げる。

 ICカードには現金を入金することができ、市電やバス車内の機器にかざすことで運賃を支払う仕組み。乗降時間の短縮や正確な乗降データの把握ができるようになる。システムには、JR東日本の「Suica(スイカ)」に代表される他の事業者間でも相互利用ができる「全国相互10カード」と、「地域カードによる片利用」方式がある。例えば、札幌の「SAPICA(サピカ)」は後者で、10カード所持者の乗車はできるが、サピカは他地域では使用できない。

 プロポーザルは市企業局と函館バスが共同で実施し、来年1月に公告。委託経費などは今後決定するが、導入経費の3分の1は国の補助金を充てる。事業者には、導入するシステムの種別を含め、導入、運営コストなど総合的な提案をしてもらい、3月に審査で受託候補者を決定。来年度中にシステムの構築や機器を納入してもらい、17年3月に運用を開始する。市は18年3月にはカードに定期券の機能を付加する考え。 (今井正一)


◎道南にもネットスーパー イオン来年9月めどに

 【札幌】流通大手のイオン(千葉)は2日、札幌市内のホテルで記者懇談会を開き、イオン北海道(札幌)の星野三郎社長は来年9月をめどに道南エリアでネットスーパー事業「ネットで楽宅便」を開始する計画を明らかにした。

 ネットで楽宅便は、専用サイトで注文を受けた食料品や生活用品などを、札幌、旭川、帯広、釧路など道内9カ所の配送拠点から配達するサービス。現在道南エリアは対象外だが、今年9月にダイエーの2店舗を承継する形で道南進出を果たしたことで、開始計画が持ち上がった。

 また、懇談会で星野社長はダイエーから経営を引き継いだイオン上磯店、湯川店について「極めて順調。来年の北海道新幹線開業にも期待している」とし、「これまでは全国のイオンで開催している北海道フェアに道南の商品はほとんど並ぶことはなかったが、統合を機会に道南エリアの食材を重点的に提供していきたい」と述べた。

 同じく道南のグルメシティ5店舗を承継したマックスバリュ北海道(札幌)の出戸信成社長は「歴史あるダイエーの店舗を引き継いだことで、地元の生産者との関係が深くなり、承継店舗だけではなく既存の店舗の仕入れも良くなった」と手応えを語った。  (金子真人)