2015年12月7日 (月) 掲載

◎渡島総合振興局、地域材の需要拡大へ 異業種・学生と連携

 渡島総合振興局は、地域材(道南スギ、トドマツ)の利用促進を図るため、異業種や学生と連携した新たなPR作戦に乗り出した。異業種と協力し、地域に調和したデザイン・利用方法を検討するのが柱。また、学生が主体となって屋台を製作し、来春の北海道新幹線開業イベントで土産用の木工製品を売る計画だ。

 本年度から5カ年で取り組む振興局の独自事業「みんなですすめる木づかいプロジェクト」で、本年度の予算額は146万円。

 地域材を使った木質空間の検討を進めるのは函館市、北斗市、森町の建築設計やインテリアデザイン、製材・プレカット、建築施工の6人でつくる「木づかいプロジェクト」。魅力ある施設・木製品のデザインを考え、来年度以降、実践に移す。

 もう一つの「屋台プロジェクト」は公立はこだて未来大、道立函館高等技術専門学院、北海道芸術デザイン専門学校(札幌)の学生が参加。8月に2日間、道立青少年体験活動支援施設ネイパル森で合宿を行い「WAYA型」「組箱型」の2種類の屋台をデザイン、試作した。この成果を受け、木づかいプロジェクトメンバーによる屋台設計図の作成も行った。

 屋台は3月26、27の両日、新函館北斗駅構内と道の駅「みそぎの郷(さと)きこない」の中庭木製デッキに展示し、新幹線利用客に食器などの木工品を販売する。28日以降も同じ場所に配置される予定。

 同振興局は「小樽はガラス工芸のまちとして有名になったが、函館は木工クラフトによる地域おこしを進めたい」(林務課)としている。 (山崎大和)



◎函館競馬場でイルミネーション

 JRA函館競馬場(駒場町12)は27日まで、正門ロータリー前で、6頭の馬をデザインしたイルミネーションを点灯している。

 秋から実施している「GI感謝祭」の一環で、「2015はこだてクリスマスファンタジー」とのコラボレーションイベントとして11月28日から始めた。同競馬場が現在地に開設して来年で120年を迎え、また、北海道新幹線が開業することで、地域の中の競馬場を一層親しんでもらおうと企画した。これまでもツリーなどはあったが、場内施設を装飾するのは初めて。

 1頭の馬は長さ3メートル60センチ、高さ1メートル80センチ。使用するLED電球は全部で約1万8000個。ゼッケンは赤や緑、黄色などがあり、足の形がそれぞれ違うことで、星が輝く銀河を疾走する様子を感じさせている。

 点灯時間は午後4時半ごろから同10時ごろまで。 (山崎純一)



◎イルミナシオン映画祭閉幕

 第21回函館港イルミナシオン映画祭(実行委主催)が6日、すべての上映日程を終え閉幕した。20周年を迎えた今年は、3会場で長編・短編約30作品を上映。函館山山頂・クレモナホールで行われたクロージング上映と閉会式は、大勢の映画ファンの拍手と熱気に包まれた。

 今回の映画祭では、今年の夏に市内でロケが行われた「函館珈琲」(西尾孔志監督)や、函館を愛した故・森田芳光監督の「の・ようなもの」(1981年)などを上映。最終日は、森田監督の下で助監督を務めてきた杉山泰一氏の初監督作品「の・ようなもの のようなもの」(2015年)で締めくくった。また上映後に行われたトークショーでは、杉山監督や映画のスタッフらが森田監督や作品に込めた思いなどを語った。

 閉会式では、米田哲平実行委員長が「僕らの後には次世代が引き継いでくれる。みなさんと一緒に成長する映画祭でありたい」と話した。また、太田誠一副実行委員長は「20周年という節目に地域から発信する映画『函館珈琲』や森田組の新作が生まれたことは感無量だ」と笑顔を見せた。(半澤孝平)


◎函大で弁論大会

 函館大(野又淳司学長)の第16回弁論大会(函館新聞社など後援)が6日、同大で開かれた。同大弁論部(菊池晃弘部長、部員8人)の学生ら12人が登壇、若者ならではの視点で新幹線時代を迎えるまちの将来について熱弁をふるった。

 今年のテーマは「わが街・はこだて」。毎年、函館に関するさまざまな話題をテーマに掲げ、提案などを行っている。

 この日は、学生や市民ら約40人が来場。同校の若松裕之教授は「スピーチを通して発信することは非常に重要な意義を持つ。弁士が語る言葉の基になっている熱い心に触れてほしい」とあいさつした。

 先陣を切って登場した3年の林魁人さんは、函館市が地域ブランド調査で2年連続1位を獲得したことについて触れながら、「まちの良さは、単純に栄えているかどうかで判断すべきではない」と強調。「函館には、街並みなど誇るべきものがたくさんある。北海道新幹線開業を契機に、全国に魅力をもっとアピールすべきだ」と述べた。

 1年の福岡美輝さんは、

 「子どもたちの遊べる場所が少ないことが函館の課題」と指摘。「水族館や遊園地、ショッピングモールがあれば、市民がもっと暮らしやすいまちになる」と提言した。

 このほか、同大OBとして、野村不動産の野村辰男社長ら4人が、函館の将来像などについて弁論を繰り広げた。 (山田大輔)