2015年12月8日 (火) 掲載

◎道南スルメイカ上向く兆し

 道南スルメイカ漁が上向く兆しが出てきている。11月の漁獲量は上旬、中旬、下旬と増加傾向を示した。ただ、12月に入ってしけ頻発と道東方面からの南下群の到達遅れが重なり、漁獲は安定しない。今後、南下群の来遊が本格化すれば漁獲は上向くが、盛漁期が短くなる可能性も指摘されている。

 函館港での11月の近海小型釣りイカの水揚げ量は上旬34・5トン、中旬42・8トン、下旬60・9トンの合計138・2トン。好漁だった前年同期(198・6トン)を下回ったが、堅調な伸びを見せた。過去10年(2005~14年)の同時期平均(168・4トン)からは18%少なかった。

 6月からの漁期トータルでみると、7日現在で691トンとなり、01年以降で最低だった昨季(755トン)を上回るのは確実な情勢。しかし、通年では夏季の漁獲低迷が響き、低調なまま終わる可能性が高い。

 南下群の来遊の遅れは、釧路沖で水温が平年より3度高い海域があり、イカにとって好適な水温範囲で長くとどまっているためとみられる。

 函館市漁協(橘忠克組合長)によると、今月はまともに出漁できたのは6日現在、1日のみにとどまっている。「しけと南下遅れの影響で9~11月は思うように漁獲が伸びなかった」と残念がる。

 函館市中島廉売内の紺地鮮魚(紺地慶一社長)では7日、イカ2匹を700円で販売。同店は「しけの影響もあり、入荷の増減が激しい。夏場ほど需要は少ないが、たくさん捕れてほしいね」と期待を込める。

 道総研函館水試の澤村正幸研究主査は「今後、釧路沖にいた群れが南下してくれば漁獲は上向くだろう。ただ、来遊が遅れるほど盛漁期も短くなる懸念がある」と話す。(山崎大和)



◎デザイン画コンテスト 大妻高2年2人が入賞

 函館大妻高校家政科のファッション造形コースに通う2年生2人が、デザイン画のコンテストで優秀な成績を収めた。2人は「信じられない」と声をそろえ、一層のレベル向上に意欲を見せている。

 萬谷梨湖さん(17)は、「第7回全国理容美容学生技術大会」(日本理容美容教育センター主催)のヘアデザイン画部門「中学・高校生の部」で、3位に当たる銅賞に輝いた。

 作品は課題テーマ「キュート」から連想し、カラフルなリボンや花を散りばめた。女性らしい編み込みや三つ編みを取り入れ、色鉛筆で彩色。6月から「ファッションデザイン」の授業の中で、2週間ほど掛けて仕上げた。

 デザイン画を描くのが好きという萬谷さんは「受賞で自信がついた。次に挑むコンテストでは1位を目指したい」と意気込む。

 稲船さくらさん(同)は、学生服メーカーのトンボ(岡山)が主催する学校制服アイデアコンテストで道内唯一の入選。ブラウスにベストをプリントし、暑い日に重ね着をしなくても透けない工夫を施した。

 11月28日には同社の本社工場で行われた表彰式で試作品がお披露目された。稲船さんは「努力すれば何事も形になると学んだ。もし商品化したら、たくさんの女子学生に着てほしい」とほほ笑む。

 両コンテストには同校から2年生33人、3年生26人の計59人が応募。学校制服コンテストでは学校賞も受賞した。  (稲船優香)



◎松前町長選、小野寺氏が出馬表明

 【松前】前町政策財政課主幹の小野寺則之氏(48)は7日、任期満了に伴う松前町長選(来年3月29日告示、4月3日投開票)に出馬する意向を表明した。小野寺氏は同日付で町を退職し、「地域づくりの先頭に立ち、夢や希望を明るく語れる町にしたい」と意欲を示した。

 取材に対し、出馬への動機として「まちづくりに対する基本的な考え方に相違を感じ、自ら町のリーダーとして旗を振りたい思いが強まった」と語った。

 主な政策として「若者が活躍できる場をつくり、雇用の維持・確保で地方創生を図る」とし、2年前に存続問題に揺れた町立松前病院について「流れを一度断ち切り、高齢者が安心して暮らすため、町と病院側の信頼回復に一層努めたい」と述べた。

 小野寺氏は1967年、松前町生まれ。91年に道教育大函館分校(現・同大函館校)卒業後、町役場入り。これまで福島町との合併協議や「道の駅」の建設・運営、町内小中学校統合など、町政に関わる重点プロジェクトに携わった。

 町長選への出馬表明は小野寺氏が初めて。石山英雄町長は9日に始まる第4回町議会定例会で、再選についての進退を明らかにする。(斎藤彩伽)


◎地場産「きたくりん」に舌鼓 函館市教委が学校給食の米飯切り替え

 函館市教委はこのほど、市立小中学校の学校給食で提供する米飯を道南産の「ななつぼし」から、北斗市、七飯町産の「きたくりん」に切り替えた。和食給食や地場産品の活用を進める市の取り組みの一環で、コメの品種・産地指定変更は初めて。7日に導入を開始した函館亀田小学校(秋山隆行校長、309人)では、JA新はこだての職員が食育出前講座を開き、児童にきたくりんのおいしさの秘密などを伝えた。

 市は2012年度からサケやコンブなど地元の食材を積極的に使用。14年度からは月1回「和食の日」を設け、地場産の農水産物を中心とした献立を提供している。

 きたくりんは13年度から本格栽培が始まり、今月3日に全小中学校に納入された。農薬をこれまでの半分以下に抑えて栽培でき、いもち病や寒さに強いのが特徴で、食味もななつぼしと同程度からやや優れていrる。

 JA新はこだての三浦治米穀課長が講師を務めた出前講座には、同校の5年生47人が参加。三浦課長は「きたくりんはもみ殻が固く食害や病気に強い。食べる前に知っておくと、よりおいしく感じる」と説明した。

 この日の献立は函館産の野菜をふんだんに使用したどさんこ汁やサケの磯風味などで、子どもたちはきたくりんとともに口いっぱいに頬張った。井上弘太郎君(11)は「パンよりコメの方が好き。とてもおいしい」と話していた。  (蝦名達也)