2015年12月9日 (水) 掲載

◎漁り火がごめ丼 目指すは全国一 来月8日開幕「ふるさと祭り」

 【東京】来年1月8~17日に東京ドーム(文京区)で開かれる「ふるさと祭り2016―日本のまつり・故郷の味」(ふるさと祭り東京実行委主催)の記者発表会が8日、東京ドームで開かれた。ミスはこだての岩館りなさんと函館市のPRキャラクター・イカール星人が「全国ご当地どんぶり選手権」にエントリーする「函館朝市漁(いさ)り火がごめ丼」をPRした。

 同祭りは全国各地の祭りや伝統芸能、グルメを一堂に集め、地域の魅力をアピールする。昨年は10日間で約40万人を動員した。

 全国ご当地どんぶり選手権は、がごめ丼など9月の予選会を勝ち抜いた11の丼とシードの4丼が、来場者の食べ比べと投票でナンバーワンを競う。このほか、全国の麺類が勢ぞろいする「イケ麺スタンプラリー」には函館麺工房あじさいも出展する。

 記者発表会にはスペシャルプロデューサーの小倉智昭さん、EXILEのÜSAさん、TETSUYAさんが登場した。小倉さんは「欲張りすぎる内容で毎日来ても楽しめる」とPRした。がごめ丼は粘りの強いガゴメコンブにイクラなどをあしらっており、岩館さんが笑顔で報道陣に振る舞った。

 入場料は前売り1400円、当日1600円。平日限定券は前売り1000円、当日1300円。問い合わせは東京ドームシティわくわくダイヤル(☎03・5800・9999)へ。



◎中国東方航空、函館―杭州線初就航

 中国・杭州市と函館を結ぶ中国東方航空(本社・上海市)の国際定期便が8日、就航した。初便にはほぼ満席の151人が搭乗。杭州の天候不良の影響で到着が約1時間遅れたが、函館空港には午後5時半ごろから乗客が次々と降り立った。

 函館と中国を結ぶ定期路線は天津、北京に続き3路線目。同社の乗り入れは初めてで、毎週火、土曜日の週2便を運航し、使用機材はA320(156席)。杭州市は浙江省の省都で、人口800万人以上とされる大都市。同社は杭州周辺地域からの集客を見込んでいるという。

 旅行会社の担当者によると、受け入れた約20人のツアーでは、この日は函館で夜景を楽しみ、9日以降は七飯町大沼、昭和新山、小樽などを回り、12日に函館から現地に帰るプランという。担当者は「北海道はカニなどの海鮮料理や牛肉といったグルメが人気」と話す。

 初便到着に合わせて、函館市職員や函館空港ビルデング社員らが横断幕を掲げて乗客を歓迎。観光パンフレットや珍味が配布された。夫婦で来日した杭州市の学校教員、盛哲(シェン・テツ)さんは「風景や雪が楽しみ。すしも食べたい」と話していた。

 同社札幌支店の張俊莉支店長は今後、旧正月の春節需要に期待を示し「杭州は富裕層の多い地域。春節時期には臨時便の運航を準備している」と話していた。 (今井正一)



◎はこだて検定 合格率低下

 函館商工会議所が8日に発表した第10回函館歴史文化観光検定(はこだて検定)の合格者数は、初級が121人、上級は13人だった。合格率は初級が前年比11・1ポイント減の53・1%、上級が同1・9ポイント減の15・9%で、いずれも前年を下回った。上級合格者の有志でつくる「はこだて検定合格者の会」は13日に「受験者の集い」を市地域交流まちづくりセンターで開き、次年度以降の受験に役立ててもらう。

 11月8日に行われた今年の検定は、初級・上級合計で310人が受験。前年比9%減となったものの、上級には過去2番目に多い82人が挑戦した。

 同会の中尾仁彦さんは、今回の出題について「函館周辺地域の知識を問う問題が増えたが、誤答を誘うものはなく良問がそろっていた」と分析。「合格率は低下したが、初級で50~60%台の数字は検定として妥当」とみる。

 初級受験者の合格率を年代別でみると、60~70代の72%に対し、20代以下は28%。同会議所の竹内正幸企画情報課長は「若年層の受験者増や合格率向上が課題。興味や関心をひきつける方法が必要だ」と話す。中尾さんは「受験者減少に歯止めがかかった今が正念場。何もしなければ、衰退するのは目に見えている」と警鐘を鳴らす。

 受験者の集いは昨年からスタート。苦労話や受験で得た知識の活用方法などを語り合い、体験談を来年度の受験者に伝えて参考にしてもらう狙いだ。中尾さんは「受験者のすそ野を広げるためにさまざまな方と意見交換したい」と参加を呼び掛けている。午後1時半~同3時まで。参加無料で、今回の検定の問題用紙を持参する。問い合わせは中尾さん(☎0138・55・9809)へ。 (山田大輔)


◎「連絡船」存続運動ひもとく 七飯の奥村さん、記録まとめた著書出版

 【七飯】大川4の奥村茂樹さん(65)が、青函連絡船の存続と係留保存運動の記録をまとめた著書「青函連絡船をめぐる僕たちのたたかい」が8日、寿郎社から出版された。奥村さんは「地域の近代史を必要とする人に手に取ってほしい」と話している。

 青函連絡船は1908(明治41)年、比羅夫丸と田村丸就航に始まり、88(昭和63)年の青函トンネル開業で終航となるまでの80年間、北海道と本州を結ぶ大動脈として活躍した。

 奥村さんは35歳だった当時、化粧品会社に勤務。転勤に伴って函館で暮らし、「当時の市民運動としては最大規模だった」と振り返る。函館のシンボルとしての青函連絡船を愛してやまなかった人々との出会いと、港湾都市・函館衰退への不安が執筆のきっかけだったという。

 著書は、運動にかかわった人々との出会いや運動の経緯を10章立てで紹介し、人々の思いを一市民の視点でまとめた。奥村さんは「次の世代へ思いが引き継がれていくことを願っており、批判的見地からも読んでほしい。函館の未来を考え、過去を振り返るときに、本を記録の一つとして活用してほしい」と話す。

 B6判204ページ。価格は1700円(税別)。市内外の書店で扱うほか、10日午後7時からホテル法華クラブ函館(本町27)で開く出版祝賀パーティーで500冊を準備する。問い合わせは奥村さん(☎0138・65・3042)まで。  (半澤孝平)