2015年1月11日 (日) 掲載

◎ガンバレ! 受験生 応援グッズ 販売に活気

 17、18日の2015年度大学入試センター試験が迫る中、函館・道南の専門店では、受験応援グッズの販売が活気を帯びている。縁起を担ぐ食品や文房具のほか、合格へ導く乗車券も登場。受験生の強い味方になりそうだ。

 道南産品アンテナショップ「フードカンねばねば本舗」(函館市若松町19、田中理絵店長)では、〝強い粘り〟が特徴のガゴメコンブ製品がそろう。

 田中店長の一押しは「おしゃぶりがごめ昆布」(339円)で、ガムのようにかむことで眠気覚ましになり、勉強にも一段と気合が入りそう。また、「がごめ男爵」(160円)、「がごめ昆布茶」(540円)、「函館がごめ昆布チョコレート」(216円)、「函館がごめ昆布キャラメル」(130円)もあり、田中店長は「ガゴメに豊富に含まれる粘り成分が免疫力を高めると言われている」と強調、「ガゴメを食べて粘り強く頑張ってほしい」と話す。

 石田文具(北斗市七重浜2、後藤理香店長)では、昨年発売し人気を得て通年で扱う縦一列のそろばんキーホルダーが売れ始めている。合格と印字された木枠に「5か9(合格)」しか出ないよう固定した珠で縁起を担いでおり、お守りとして購入する人が多いという。

 このほか、センター試験に使えるマークシート用の無地の鉛筆のほか、五角形やサクラをかたどった消しゴム、「必勝」と書かれた折り紙など多彩なグッズがそろう。後藤店長は「さまざまな受験生向けの用品が店頭に並んでいるので、縁起担ぎにどうぞ。受験生の皆さんは体に気をつけて試験を乗り切って」とエールを送る。

 函館市の駒場乗車券販売所や函館朝市えきに市場内の「イカール星神社」などでは「うか〜る星人」をデザインした市電1日乗車券を販売している。函館の人気キャラクター「イカール星人」を受験シーズン限定で変身させた姿をデザインしており、電車の車輪空転防止用の「滑らない砂」が付く。

 市企業局交通部と「シンプルウェイ」(阪口あき子社長)が昨年から販売し、今回は限定300枚を用意。同部は「うか〜る星人の乗車券と砂で受験生を応援しています」。(山崎大和、斎藤彩伽、平尾美陽子)



◎江差に妖怪現る 追分看板と共演 人気キャラ雪像に

 【江差】妖怪と江差追分が共演—。町本町の十字街商店街休憩所に10日、全国的に人気を集めている「妖怪ウォッチ」の人気キャラクター2体の雪像がお目見えし、早速住民を喜ばせている。

 地域を盛り上げようと、町の地域人づくり事業の一環として、江差商工会の職員が制作。高さ1・7㍍、横3㍍、幅2㍍で、キャラクター「ジバニャン」「ウィスパー」の間に階段形式のベンチもあり、幼児が座れるようにしている。

 職員は同日午前9時から午後4時すぎまで作業。ことしの江差は雪が少なく、雪集めから汗を流していた。完成直前には親子連れが訪れて記念撮影を楽しみ、職員も寒さを忘れて笑顔を見せていた。

 大瀧奏太ちゃん(4)は「妖怪ウォッチが好きなのでうれしい」と満足の様子。一角には観光名所の案内と江差追分の大型看板もあり、町内外の“人気者”が集結。雪像は1週間ほどの設置を予定している。(田中陽介)



◎新ビル着工 民間を刺激 市の中心市街地活性化基本計画

 JR函館駅前と函館市本町地区で、北海道新幹線開業を見据えた新拠点の開発が進められている。それぞれ分譲マンション、商業施設、市の公共施設を併設し、これまでの函館にはなかった清新なデザインの複合ビルとなる。中心街への居住促進を図り、市民、観光客の交流の場とする計画で、周辺では開発事業に誘発される動きも見え始めている。

 2つのビルは2013年度にスタートした市中心市街地活性化基本計画の中核事業。ともに16年中の完成を予定している。駅前の旧WAKOビル跡地の再開発ビルは地下1階、地上16階で、昨年10月に着工した。同月からフージャースコーポレーションが手がける5〜16階部分のマンションの販売も始まった。

 市が3、4階に整備する「はこだておもしろ館」「子育て世代活動支援プラザ」は、最新のデジタル機器を活用した体験型施設とする計画で、1月末までに実施設計を終え、新年度に整備が始まる。

 一方、本町の旧グルメシティ跡地でも昨年12月に建設が始まった。地下1階、地上19階、高さ約73㍍の市内最高層のビルとなる。4階部分の「市民交流プラザ」の施設概要は3月末までにまとまり、大和ハウス工業のマンションも4月には販売開始となる見通し。

 ともに低層階は民間の商業施設が入居する。両ビルの開発を手がける「NAアーバンデベロップメント」と「SPC函館本町開発」(ともに布村隆二社長)は、観光客の往来が多い駅前は飲食中心、市民が集う本町では物販中心のテナントを誘致し、すみ分けを図りたい考えだ。

 また、中活エリア内の空き店舗への新規出店者に対する改装費などの補助制度の利用も好調。昨年度と本年度当初予算分では計14件中9件が駅前・大門地区に集中。昨年9月に追加した5件分の補正予算で決まった3件は、本町や中島町での飲食店開業に向けた利用だった。市経済部商業振興課は「大門地区の空き店舗が埋まりつつあり、本町方向にシフトしている」とする。

 このほかにも松風町で大手ファストフードチェーン「マクドナルド」の開業、千代台町での賃貸物件建設計画が進んでおり、エリア外でも高砂通り沿いにスーパー、ドラッグストアの開店などが相次ぎ、中活事業の副次的効果が現れ始めている。同部中心市街地再生担当は「徐々にではあるが中活事業に民間の動きがついてきている。新幹線開業年に2つのビルが完成し、人の流れが変わることを期待している」としている。(今井正一)


◎高専シンポジウム道内初開催 函館の研究成果発表

 全国から高専生や教員が参加する「第20回高専シンポジウムin函館」(函館高専、高専シンポジウム協議会主催)が10日、道内で初めて函館高専で開かれた。研究発表や特別講演などがあり、約450人が函館の強みである水産海洋研究について理解を深めた。

 開会式で、函館高専の岩熊敏夫校長(実行委員長)が「函館は水産業が盛んで、産学官連携の研究によってガゴメコンブを使った付加価値のある商品を生み出している」と強調した。

 函館地域産業振興財団の宮原則行研究開発部長が「函館マリンバイオクラスター形成への取り組み」と題して特別講演。2003年に国の補助事業に採択されて以来、ガゴメを活用した製品は200品目以上、売り上げは累計で100億円を超え、経済効果額は220億円以上と推計。ガゴメに続く海藻「ダルス」や「ウガノモク」の研究開発も進んでおり「地域資源を使い、持続的な産業支援を行っていく。そこに高専のバックアップは大きい」と期待を込めた。

 研究発表338件(口頭発表209件、ポスター発表129件)のほか、道立工業技術センター(函館市桔梗町)による研究成果の紹介、ガゴメ製品の展示・販売、さきいか製造の実演も行われ、参加者の目を引いた。(山崎大和)