2015年1月14日 (水) 掲載

◎極寒の水ごり 心身清める…「寒中みそぎ祭り」開幕

 【木古内】1831(天保2)年から続く町の伝統行事「寒中みそぎ祭り」が13日夜、佐女川神社(野村広章宮司)で始まり、行修者の4人が極寒の境内で水ごりを行った。4人は最終日の15日まで水ごりを繰り返して心身を清め、寒中みそぎに臨む。

 今年の行修者は宮下知哉さん(23)、高橋駿さん(23)、目時基史さん(23)、新井田真一さん(16)。午後6時から社殿で行われた参籠(さんろう)報告祭では野村宮司が祝詞を奏上後、関係者が玉串を捧げ、祭りの成功を祈願した。

 同7時、下帯姿の行修者が氷点下3度の境内で水ごりを開始。寒空の下で歯を食いしばりながら冷水を浴びる若者の姿に、集まった人たちから大きな拍手が送られた。

 14日は午後5時45分から「みそぎ行列」。15日は午前11時50分から町の豊漁豊作を願い、ご神体の木像とともに海に飛び込む「寒中みそぎ」を行う。(金子真人)



◎甘く香り豊か…軟白ネギ出荷

 JA函館市亀田(山岸栄一組合長)管内で、ハウス栽培の軟白ネギの収穫・出荷作業が行われている。ハウス内には青々とした香りが漂い、軟らかくて甘みもあるネギが次々と顔を出している。

 函館市桔梗2の泉宗伯(もとのり)さん(36)方では、約240平方㍍のハウス5棟で栽培。昨年7月中旬〜8月上旬に定植、同12月に出荷がスタートした。現在は日量20ケース(1ケース6㌔入り)を、JAを通じ札幌を中心に市場出荷。泉さんは「定植期に干ばつ傾向だったが、生育はまずまず」と話す。

 暖房を使い、夜温は最低3度に設定して管理を徹底。黒いフィルムで遮光しており、白い部分は約40㌢ある。軟白ネギは辛みが少ない分、薬味などに重宝される。泉さんは「灯油代も下がり、単価も平年並みに推移している」と安堵(あんど)の表情を見せる。

 同JA管内では4戸が軟白ネギを生産し、出荷は4月まで続く。(山崎大和)



◎旧ロシア領事館 活用へ民間の知恵…函館市が市場調査初実施

 函館市は13日、旧ロシア領事館(船見町17)の活用方針をまとめた。「公募で民間に売却または賃貸」としながら、その前段階で活用する意思がある民間事業者を対象にサウンディング型市場調査を初めて行うことを決め、今月26日から調査に参加する事業者を募集する。市だけでは市場性の有無や公募実施の判断が難しいため、民間から広く知恵を借りてニーズ把握に努めたい考え。

 市は同領事館に関し、直営での運営は行わず、活用する民間事業者がいる場合に貸し出すことを基本線としてきた。ただ、民間団体が昨年、領事館の利活用をテーマに国際設計コンペを行うなど注目が高まっており、活用に意欲を示す事業者も出てきている。

 今回実施する「サウンディング型市場調査」は、公有資産の有効活用を検討するにあたり、条件を定める前段階で民間事業者から意見を求め、市場を把握する手法のこと。市の内部検討のみで公募条件を判断するのが難しい場合などに、民間との対話を通じて民間が手を挙げやすい環境づくりを進めるもので、横浜市などで数多く取り入れられている。

 市は調査実施にあたり、同領事館を活用する意志を持つ法人などを対象に、希望する事業方式や価格、具体的な活用方法などについて、個別対話を通じて市場把握する方針。参加受け付けの前には事前見学会を開き、参考にしてもらう。

 調査を経て活用案を検討し、3月末までに実施結果を公表する。市企画部は「意欲のある事業者と話をさせてもらうことで、活用の形が見えてくる。民間にとって領事館が魅力ある建物かどうかをまずは調べ、後に要項をつくる際に意見を反映させたい」(国際・地域交流課)としている。  募集期間は26日から2月6日までで、2月16日から調査を実施。今月23日には現地見学会を開く。問い合わせは同課(℡0138・21・3634)へ。(千葉卓陽)

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 旧ロシア領事館 1858(安政5)年に初めて置かれ、大火による焼失や移転を繰り返した後、1908(明治41)年に現在の建物が完成。建物は戦後国が所有し、後に市が購入して1965〜96年まで道南青年の家として活用した。木骨レンガ造2階建ての本館とブロック造2階建ての宿泊棟からなり、敷地面積3732平方㍍。


◎初売り 前年下回る…市内百貨店 売り上げまとめ

 市内各百貨店がまとめた初売りの売り上げ状況によると、多くの店舗で前年を下回った。福袋は軒並み好調だったものの、同時に始まったセールが勢いを欠いたほか、客単価が下回ったことなどが要因。お歳暮商戦も振るわず、昨年4月の消費税増税後、個人消費の回復が鈍い状態が続いており、各店では苦戦を強いられている。

 棒二森屋(若松町)の2〜5日の合計売上高は前年に比べ5%減少。1万500円80袋、3万1500円20袋など用意した福袋は堅調だったが、クリアランスセールが伸び悩んだ。ただ、外国人来店客の購買意欲は引き続き旺盛で期間中、化粧品の売上高は前年比20%増だったという。

 丸井今井函館店(本町)では2日、開店時に前年より約3割多い客が福袋目当てに詰め掛けたものの、当日の売り上げは前年を7%下回った。同店は「来店客数は多かったが、1人あたりの購入金額が落ち込んだ」と指摘。食料品の売れ行きが良かった反面、衣料品などが不振だった。

 一方、テーオーデパート(梁川町)は、高価格帯の福袋の品ぞろえを強化したことが奏功し、前年から売り上げが約1割増加。家具・家電と衣料品・アクセサリーがセットになった1袋10万円の商品が人気で、12組売れたという。

 お歳暮の売上高は、テーオーデパートで前年並みだった他は、軒並み微減。棒二森屋は酒類、丸井今井函館店はハムを筆頭に食料品が好調だったものの、客の購入単価の落ち込みが響き、両店ともに売り上げは前年を5%程度下回った。(山田大輔)