2015年1月15日 (木) 掲載

◎ガソリン値下がり続く、25カ月ぶり140円台

 世界的な原油価格の下落を受け、函館市内でもガソリンの値下がりが続いている。市が14日発表した石油製品小売価格調査によると、レギュラーガソリンの平均価格は前月比10・23円安の1㍑146・89円で、5カ月連続の値下がり。市内のガソリンスタンドでは当分の間、現行価格で販売する見通しで、消費者の家計の手助けとなる状況が続きそうだ。

 市市民部が毎月市内の卸、小売30店を対象に行っている価格調査によると、140円台は2012年11月以来、25カ月ぶり。1月のレギュラーガソリンの最高価格は1㍑170・80円、最低価格が同137円だった。

 石油情報センター(東京)は「需要が大きかった中国経済の低迷と米国のシェールオイルの増産などで、供給が過剰になった。原油価格の低下が卸、小売企業に直接的に反映された」と説明する。

 市内の大手小売企業は14日、フルサービスのスタンドで1㍑145円、セルフスタンドで同132円で販売。ドライバーにとってうれしい状況が続いているが、担当者は「昨年に比べて温暖な気候が続いており、販売量が大きく伸びたわけではない」と話す。さらに「ガソリンを買いやすい環境ではあるが、顧客の購買意欲低下が見受けられる」という声も上がった。1000円分給油したという市内在住の男性は「値下がりはうれしいが、車に多く乗るようになってはいない」と口にし、昨年4月の消費増税後からの節約志向は変わっていないという。

 同センターは今後の見通しについて「来週末にかけて引き続き小売価格は下落するだろう。その後も大幅な値上げはないのでは」とみている。

 市の調査ではガソリン以外の石油製品も軒並み値下がりが続いており、家庭用灯油(1㍑ホームタンク用)は平均90・30円(前月比10・54円安)、軽油1㍑で同129・42円(同10・23円安)、重油1㍑で同91・20円(同9・58円安)。プロパンガスも5立方㍍平均で5949・15円(同4・80円安)、10立方㍍で9713・30円(同12・90円安)と値下がりしている。(蝦名達也)



◎元気いっぱい3学期、北斗市内小中学校で始業式

 【北斗】渡島・桧山管内の小中学校のトップを切って、北斗市内の小中学校16校が14日、新学期を迎え、児童、生徒が久々に会った級友や担任教諭との再会に笑顔を見せていた。

 このうち、北斗上磯小学校(伊藤剛史校長、児童586人)では午前9時半から始業式が行われ、伊藤校長が「3学期は1年のまとめとともに次の学年に向けた準備の時期。しっかり頑張って」と呼び掛けた。

 冬休み中、大会やコンクールで好成績を挙げたサッカー少年団と吹奏楽部、合唱部に対して表彰状の伝達式も行われた。

 式後の学級活動では、児童は冬休み中の思い出を発表したり、自由研究を提出するなどした。2年の中島希乃羽さん(8)は「スキーの検定で6級と5級に合格した」と冬休みの思い出を話し、小林優太君(8)は「体育を頑張る」、成田亮太君(8)は「字をきれいにしたい」と3学期の目標を口にした。

 道南の始業式は函館市など20日に集中。このほか江差中が桧山のトップを切って、16日から新学期を迎える。(鈴木 潤)



◎タイの格安航空、函館線も視野

 タイの格安航空会社(LCC)「タイ・エアアジアX」のナッダー・ブラナシリCEO(最高経営責任者)ら同社関係者が14日、来函し、函館市役所で工藤寿樹市長と懇談した。ブラナシリ氏は新千歳空港線の就航に向けた準備を進めているとし、「北海道で1日2便の運航を考えている」と述べ、函館が有力な候補地であることを明かした。

 同社は2013年に設立し、昨年4月から営業運航を開始。バンコク・ドンムアン空港と、成田空港、関西国際空港を結ぶ路線を開設している。機材(377人乗り)は2機所有しているが、年内に6機まで増やす計画があるという。

 函館を訪れたのはブラナシリ氏のほか、営業や広報担当の幹部ら7人。同日午前に函館空港に到着し、国際線ターミナルビルでCIQ(税関・出入国管理・検疫)体制の状況を視察後、五稜郭タワー、夜景観賞など市内の観光スポットを回った。

 懇談で工藤市長は北海道新幹線開業で青森県内が1時間圏内になることや、登別や洞爺湖、ニセコなどが含まれる函館─札幌間を「北海道のゴールデンルート」と紹介。函館に航路を開設している台湾の航空会社や中国・天津航空を事例に新千歳と函館に航路を開設することで「効率的に旅行を楽しむことができる」と述べ、チャーター便、定期便の就航を要請した。

 ブラナシリ氏は新千歳線は1日1便の毎日運航としたい意向で、将来的に「札幌以外」で道内向けの路線を開設し、新千歳と合わせて1日2便体制とする考えを示した。その上で「函館を見なければ北海道旅行は完成しない」と述べ、函館側の受け入れ環境の充実を要望。同社はターゲットとする個人客向けに函館の情報発信を強化するとした。

 函館を訪れるタイからの観光客は新千歳に定期航路が開設された2012年以降、急増。11年度に826人だった市内の宿泊客数は、12年度2346人、13年度8918人となり、14年度は上期(4〜9月)で4700人だった。市は外国人観光客誘致の重点地域と位置付けて13、14年度に同国でトップセールスを展開している。

 ブラナシリ氏ら一行は15日は登別や小樽、札幌を回り、16日に帰国する。(今井正一)


◎札幌延伸80億円増、新幹線配分が決定

 政府の新年度予算案が14日、閣議決定されたのを受けて、国土交通省は整備新幹線の事業配分を発表した。北海道新幹線新函館北斗—札幌間に本年度当初比80億円増の200億円、来年3月開業予定の新青森—新函館北斗間は同24億円減の500億円を計上した。

 北陸、九州を含めた5路線の総額は1600億円(前年度比1%増)でこのうち国費分は755億円。

 新函館北斗—札幌間は、事業が本格化した2013年度から3年連続の増額配分となった。開業時期について、政府・与党は当初の予定から5年前倒しの2030年度末と決めており、必要な予算を含め計上した。

 札幌延伸に向け、本年度は村山トンネル(北斗市)や立岩トンネル(八雲町)などの工事が始まっており、トンネル整備や橋梁建設がさらに進む見通しだ。

 沿線に新八雲駅(仮称)が建設される八雲町は「順調に予算がつき良かったが、地元負担も気掛かり。前倒しによって単年度負担が増えるので、国の支援も期待したい」としている。

 一方、新青森—新函館北斗間は建設工事が終盤を迎え、3年連続で減額。着工(05年度)からの総配分額は今回計上分も含め5300億となり、事業ベースの進捗率は97%に達している。(鈴木 潤)