2015年1月23日 (金) 掲載

◎冬の味覚 ゴッコずらり

 道南の厳冬期に欠かせない魚として市民に親しまれている「ゴッコ(ホテイウオ)」が、函館市内の鮮魚店やスーパーの店頭に並んでいる。値ごろ感が出ており、ゴッコ汁用などに買い求める人が多い。

 はこだて自由市場(新川町1)の照井鮮魚店(照井孝二店主)では、昨年末から扱い、現在は雌1匹1000〜1400円、雄同500〜600円で販売。年明けから量が少なく高値で推移していたが、ここにきてまとまった水揚げがあり、買いやすい価格になった。照井店主(64)は「2月いっぱいまでが旬。雌は卵と一緒にゴッコ汁やゴッコ鍋に使い、雄は生干しにして塩焼きやフライ、天ぷら、バター焼きにするとおいしい」と薦める。同店では注文があれば、下ごしらえも行う。

 主な漁場は函館市戸井、恵山沖で、刺し網漁が行われている。ぷるんとした食感と濃厚なうま味から、冬の味覚として人気がある。(山崎大和)



◎業務社を新幹線カラーに…北斗市商工会

 【北斗】来年3月の北海道新幹線開業を盛り上げていこうと、市商工会(宮崎高志会長)は、業務用乗用車1台を新幹線車両「H5系」の色をイメージした車体に新装した。

 同商工会は業務用の乗用車3台を所有しており、このうち1台を「H5系」カラーにモデルにチェンジ。もともと白だった車体に新幹線車両と同じ緑色のラッピングフィルムをボンネットや天井部分に貼り、側面には紫の帯も入れた。

 ドア部分には、市の公式キャラクター「ずーしーほっきー」の絵や市の新幹線ロゴマークを貼り「2016 新函館北斗開業!」と記した。

 商工会の会員企業が施工を引き受け、昨年12月から新装車両を使用している。

 モデルチェンジの提案者で、経営指導員の吉田竜介さん(38)は会員事業所や金融機関に行く機会が多く、ひんぱんに新装車両を使用。「以前と比べて見られるようになった。少しでもPRにつながると良いですね」と話している。(鈴木 潤)



◎市人口減 6年ぶり3000人超…2014年

 函館市の住民基本台帳に基づく、昨年1年間の人口減少数は3006人(外国人を含む)となった。13年より減少数が40人増え、2008年以来6年ぶりに3000人を超えた。死亡数が出生数を上回る「自然減」の幅が特に大きく、市は新年度から子育て支援をはじめとする人口減少対策に本腰を入れる方針だ。

 市のまとめによると、昨年12月末の人口は27万1479人。減少数は06〜08年に毎年3000人を超え、その後ペースが鈍化していたが、ここ2年間は再び減少傾向が加速している。

 自然減は2003人で、記録が残る1981年以降で最多となった。死亡者数が3620人で昨年とほぼ変わらなかった一方、出生数は前年比121人減の1617人と、81年以降最少だった。65歳以上の高齢化率も31・0%と、右肩上がりの状況が続いている。

 転出者が転入者を上回る「社会減」は1099人で、前年から26人減少したが、高校を卒業する18歳から19歳にかけてが279人、主に大学卒業時にあたる22歳から23歳にかけても102人と、減り幅が大きい。また、子どもを産む中心的年代である20〜39歳の女性も、1年で1113人減った。

 また、周辺2市町(北斗市、七飯町)との人口移動は差し引き65人が流出。渡島以外の道内他地域への流出は328人、道外へも771人と、進学や就職で離れている実態がうかがえる。

 この状況を受け、市は新年度に人口減少対策に力を入れる考えで、市長選後をめどに関連施策や予算を示す見通し。工藤寿樹市長は20日の定例会見で「国の政策をみながら、独自施策を検討していく必要がある」と言及。子どもを生み育てやすい環境づくりや、一度離れた市民が戻ってこられる経済状況への転換に取り組む考えを示し、「地方で高学歴社会に対応する雇用の創出は生半可ではいかないが、挑戦する道筋をつけたい」と話している。(千葉卓陽)


◎江差追分会函館声徳会支部 会報が通算100号

 江差追分会函館声徳会支部(内村徳蔵支部長、会員35人)が発行する会報「民謡ふれあいだより」が1986年の創刊から通算100号となった。福祉施設への慰問公演などを中心に会の活動を紹介、半年に1回のペースで発行し、国内外の仲間らに配布している。内村さん(66)と妻の悦子さん(66)は「これからも仲間の活動を伝えていきたい」と話している。

 同会は75年に発足した同好会を母体とし、今年が40周年の節目。江差追分の伝承と研さんを重ねる中で、会報を創刊した86年から始めた慰問公演は通算355回を数える。

 会報はA3判4㌻で1月と7月の年2回、計200部を作成。国内外の追分会支部や民謡の団体などに配布するほか、市中央図書館、江別市の道立図書館にも送っている。題字は悦子さんが毎回手書きでしたため、構成を担当する内村さんは「活動内容が重複しないように考えながら編集していくのは大変。妻と相談しながら決めている」と話す。

 思い出の出来事として、創刊号に掲載した青函連絡船の存続活動への参加を挙げる。86年8月に市が主催し、東京まで回航した「十和田丸」船内での民謡公演で、「船の揺れがひどい中で歌うのは大変だった」と笑う。

 5日に発行した記念の100号には、江差追分会会長の照井誉之介江差町長がメッセージを寄せた。昨年の大会結果や「秋季善行表彰」(日本善行会主催)の受賞報告、恒例の「投げ銭コンサート」では、孫の月菜ちゃん(3)が〝江差追分デビュー〟を飾った様子も掲載。節目の会報ということもあり、反響が多く寄せられたという。

 年内には積み重ねた会報を参考にしながら40周年記念誌をまとめる。内村さん夫妻は「江差追分の勉強をさせてもらいながら活動を続けてこられたのもみんなの力があってこそ。これからも財産として残していきたい」と話している。(今井正一)