2015年1月25日 (日) 掲載

◎江差彩るひな飾り…来月1日開幕

 【江差】全国から寄贈を受けた貴重なひな人形を飾る「江差・北前のひな語り」(実行委、江差町歴まち商店街協同組合、町主催)が2月1日に開幕する。毎回工夫を凝らした催しを行っており、ことしは結婚50周年を祝う「金婚式」を3月3日に初めて企画。主催者は地元に縁深い夫婦を探しており、「長年まちを支えてくれた年配者に地域を挙げて感謝を伝える機会にしたい」としている。

 冬場の体験型観光を推進しようと開いており、今回で4年目。ことしは167組のひな飾りを町内の公共施設や民家など65カ所に設置する。各地の寄贈者が愛着ある人形の様子を見たいと江差に足を運んだりするなど、温かな交流が育まれている。

 メーン会場の一つ、壱番蔵(姥神町)では、高さ6㍍、幅10㍍の足場を組んで展示。約20組を天井ぎりぎりまで飾るなど、例年にない大掛かりな演出だ。改行 今回の目玉企画「金婚式」は、毎年5月の連休に町内で行う「花嫁行列」の盛り上がりをヒントに発案。ことし金婚式を迎える、または近年にその節目にあたる夫婦が対象で、応募多数の場合は抽選などで決めるという。

 このほか、4月5日までの期間中、コンサートやお茶会、親子べこ餅づくりなど週末を中心にイベントを繰り広げる。改行 壱番蔵でひな飾りの展示準備に取り組む伊勢谷彰宏さん(58)は「人形の元の持ち主の気持ちを考えながら、丁寧に扱っている」と話している。ひな飾りは展示準備中だが、随時見学は可能。

 金婚式などの問い合わせは実行委事務局の江差商工会(電話0139・52・0531)へ。(田中陽介)



◎「十二単」着装 美しさに魅了…小林豊子きもの学院がショー

 着物文化を広めようと、小林豊子きもの学院は24日、平安時代から伝わる十二単(ひとえ)の着装を披露するショーを函館蔦屋書店(石川町)で開いた。訪れた約70人の観客が、目の前で重ねられていく衣の美しさに見入った。

 着十二単には平安時代と江戸時代のものがあり、この日は平安時代の着装を披露。衣紋方と呼ばれる着付け役3人が、はかま姿の女性に色鮮やかな袿(うちき)を重ねていく。袿を重ねるごとにひもを結ぶが、その前に結んだひもはほどいてしまうため、何枚重ねても最終的に残るひもは1本だけという。解説を務めた同学院北海道学院長の信田豊愁さんは「ひもが1本なので苦しくないが、衣装は16㌔とかなり重い」と話した。

 着35分ほどで着付けを終え、衣装を脱ぐ空蝉(うつせみ)を実演。脱いでもすぐに着られるよう、形を保ったまま女性がするりと十二単から抜け出すと、観客から拍手が起こった。

 着函館市本町から息子と訪れた加藤静子さん(94)は「脱ぎ方など日頃疑問に思っていたことが解決した。美しいものに触れることを生きがいに、これからも元気に生きます」と笑顔。信田さんは「学院は今年で45周年。着物の原点である十二単を知ることで、着物にも興味を持ってもらえれば」と話していた。(稲船優香)



◎函館空港 国際線ビル改修検討

 函館空港ビルデング(東陽一社長)は、国際線の利用客急増を受け、ターミナルビル改修の検討に入った。待合スペースや免税店などを改修し、狭あい化の解消を図る計画だ。国や市など関係機関との調整を経て、今春をめどに規模やスケジュールを固める。

 同空港の国際線は、2013年秋に台湾のエバー航空と復興航空の2社が定期便の運航を開始。14年11月には中国・天津から、12月にはマレーシア・クアラルンプールからのチャーター便が運航され、同年の国際線利用客は16万人を超えて過去最高となった。また、3月からはエバー航空が毎日運航を始めるなど、今後も利用者増加が見込まれている。

 現在の国際線ターミナルビルは、1階ロビーとチェックインカウンター部分が389平方㍍、出入国審査スペースは758平方㍍。改修は06年に大韓航空のソウル線就航に合わせて実施した時以来となる。同社は「もともとユジノサハリンスク線の小さな飛行機の乗り入れからスタートしており、近年の利用客増加という状況には対応していない」とする。

 同社によると、出発口と到着口、チェックインカウンターが一緒で、離発着時の混雑などが課題という。現在は社内で協議を重ねている段階だが、1、2階の出国待合室や1階のロビー、免税店の拡充などの案を検討している。

 関係機関と調整した上で、今春には計画や投資額を決め、早々に工事に着手したい考え。同社は「混雑や出国時に待ち時間が長くては、函館のイメージのマイナスになる。既存施設を最大限活用し、利便性の高い施設にしたい」としている。(松宮一郎)


◎新幹線木古内駅開業イベントの原案示す

 【木古内】町や町内の商工団体など30団体でつくる「北海道新幹線木古内駅開業記念事業実行委員会」(委員長・大森伊佐緒町長)の第2回会合が22日、町役場で開かれ、新年度から実施する新幹線木古内駅開業イベントの原案が示された。今後、関係機関との協議を重ね、年度明けに開く第3回の会合で決定する。

 実行委事務局は昨年12月に木古内、函館、江差で開いたワークショップや町の広報誌に寄せられた198件のアイデアを参考にした31件の原案を示した。

 開業までを盛り上げるイベントとして、駅舎見学会、新幹線や鉄道に関する展示やクイズ大会をはじめ、咸臨丸を通じた交流がある宮城県白石市の小学生を招いた体験観光事業、新幹線をイメージした大型山車の製作、はこだて和牛まつり、新幹線イルミネーションアートイベント、花火大会など12件を挙げた。

 開業日のイベント案は8件で、上り一番列車出発セレモニー、渡島西部、桧山南部9町の小学生による合同合唱、運行を終える特急「スーパー白鳥」、新幹線、第三セクターの道南いさりび鉄道、函館—新函館北斗間アクセス列車に乗る「新幹線満喫ツアー」などを予定している。

 このほか、PRキャラクター「キーコ」の実物大郵便ポストの設置、スマートフォンの対話アプリ「LINE」のキーコスタンプ作成、北海道新幹線でつながる青森県今別町の「荒馬まつり」への参加なども盛り込んだ。

 全体の概算事業費は約2000万円。町の一般財源ほか、道の「地域づくり総合交付金」を活用する計画としている。(金子真人)