2015年1月27日 (火) 掲載

◎シンガポール観光賞受賞者が来函

 シンガポール政府観光局が同国内の優秀な観光業従事者におくる「エクスペリアンスアワード」の受賞者ら関係者12人が26日、函館市役所を訪問した。市は2月に建国50周年の記念パレードに合わせて同国を訪問する予定で、工藤寿樹市長は「シンガポールは観光先進地として我々の手本。来月、建国記念のパレードを市民と見学するのを大変楽しみにしている」と歓迎した。

 同局と函館国際観光コンベンション協会(渡邉兼一会長)は1992年に姉妹提携を結び、94年から同賞受賞者を受け入れ、函館シンガポール協会(松川仁会長)とともに歓迎している。

 来函したのはヤップ・チン・シャン副長官、ジェラルディン・ヨウ北アジア局長ら同局関係者5人と、ホテル、小売店、ツアーガイドなど20〜60歳代の各部門の受賞者7人。同副長官は「温かいもてなしと友情に感謝している。シンガポールの人たちにも函館との結びつきを感じてもらいたい。函館との関係をこれからも深く、高いレベルにしていきたい」と述べた。

 受賞者はそれぞれの仕事への思いやシンガポールの見どころを紹介。バーテンダーのラシディ・ビン・ジャミアンさん(29)は工藤市長に来店を要請し、「まずはシンガポールスリングを楽しんでほしい」と笑顔で話した。

 一行は30日まで函館に滞在。市内近郊での観光体験や高校生との交流事業などが予定されている。(今井正一)



◎新年度予算 市長査定始まる

 函館市の2015年度予算編成が大詰めを迎え、26日から工藤寿樹市長による査定が始まった。4月に市長選を控えるため、予算計上は継続事業や必要経費にとどめる「骨格予算」となるが、工藤市長は「今までの流れを中断させないような予算を組む」と述べ、16年3月の北海道新幹線開業関連イベントやプロモーション関係経費などを盛り込む方針だ。

 この日は市役所会議室で、午前10時から査定を開始。財務部幹部が歳入歳出の見通しなどについて説明した。

 工藤市長は査定に当たり、「経済状況が決していいとは言えない中、骨格予算ではあるが新幹線や経済関係は今まで積み重ねてきた対策を盛り込んでいきたい」と述べた。市はすでに人口減少対策や子育て支援に向けた施策を検討し始めており、市長選を経た後の政策予算で盛り込む考えとしている。新幹線関連について市財務部は「開業予定が決まっており、実施しなければ間に合わないものは計上していく」(財政課)としている。

 本年度予算では市行財政改革プランに沿う形で、基金(=貯金)に頼らない収支均衡予算を18年ぶりに実現しており、新年度も引き続き収支均衡を目指す考え。同市長は「たった1年で収支均衡が崩れることのないようにしたい」としながらも、新市長が組む政策予算に向けて、一定程度財源を確保する必要があるとした。

 また、政府は本年度補正予算案で地方向けの新たな交付金として計4200億円を計上しており、市は2月補正に交付金を活用した事業を盛り込む考え。改行 市長査定は細部の調整や復活折衝を含め、30日まで行われる。新年度予算案は2月10日ごろの発表を予定している。(千葉卓陽)



◎旅券発行28年ぶり4000件台、昨年の渡島管内

 

 渡島総合振興局は26日、2014年の渡島管内一般旅券(パスポート)の発給状況を発表した。総数は前年よりも333件少ない4812件で、2年連続の減少。1986年の4209件以来28年ぶりに4000件台にとどまる低水準だった。同局は近年の円安傾向に加え、近隣の韓国、中国との関係悪化などが要因とみている。

 種類別では10年用が前年比254件減の2477件、5年用が同78件減の2334件、渡航先や期限を特定して発給する限定旅券が1件(同1件減)。

 月別では、8月以降の落ち込みが激しく、特に11月、12月で前年よりもそれぞれ102件、158件下回った。

 年代別では、未成年から80代以上までの各世代で軒並み減少。発給件数の一番多い20代が46件減少の953件、2番目の10代も35件減少し、905件。一番落ち込みが大きかったのは50代の89件減(発給件数634件)だった。

 地域別でも福島、知内、鹿部の3町を除くすべての市町で減少。発給件数が全体の71%を占める函館市が164件減の3436件、北斗市が同82件減の467件、七飯が同17件減の323件だった。

 パスポートの発給件数は96年の1万1662人をピークに減少傾向となり、米国同時テロ(01年)や重症急性呼吸器症候群(SARS、03年)などの影響によりさらに落ち込み、03年以降は5000〜6000人台で推移していた。(鈴木 潤)


◎市スポーツ大賞に3個人1団体

 函館市教委は26日、スポーツの普及や選手の競技力向上に尽力した功労者や、全国大会などで好成績を収めた個人・団体を表彰する本年度の「函館市スポーツ賞」の受賞者を発表した。功労者部門は函館地区空手道連盟最高顧問の築井邦也さん(77)。成績部門で水泳の上田有梨那さん(函館工業高2年)、陸上の菅井慧君(函館五稜中2年)、クロスカントリーリレーの道南JSCが選ばれた。贈呈式は2月12日午後3時半から、函館国際ホテルで行われる。

 功労者部門に選ばれた築井さんは、1972年に函館地区空手道連盟の常任理事に就任し、2006年から14年まで同連盟会長を務めた。選手、指導員の養成や強化、空手道の普及を目的に国際交流活動を積極的に取り組んだ点が評価された。同部門の団体表彰は該当なしだった。

 成績部門は全国大会で3位以上の成績を残した個人・団体に贈られる。上田さんは昨年8月に香川県で開かれた第49回全国高等専門学校体育大会で、女子50㍍バタフライで優勝を飾った。菅井君は昨年10、11月に神奈川県で行われた第45回ジュニアオリンピック陸上競技大会で、B男子走り幅跳び3位入賞を果たした。

 団体の道南JSCは、昨年12月大阪府で開催された第17回全国小学生クロスカントリーリレー研修大会で、準優勝の好成績を残した。メンバーは佐々木奈菜さん(久根別6年)、佐々木冴佳さん(北星同)、吉田満梨菜さん(知内同)、村本友花さん(中島5年)、堀野愛斗君(駒場6年)、平沼連君(福島同)、桝田樹君(北美原同)、小田瞬純君(深堀同)。

 同スポーツ賞は1993年に創設され、昨年度までの受賞者数は功労者部門で42個人、17団体。成績部門が64個人、28団体。多年にわたり優秀な成績を残した人に贈る特別表彰は4個人。本年度は、市スポーツ振興審議会(近藤健会長)が昨年12月に審議し、決定した。(蝦名達也)