2015年1月28日 (水) 掲載

◎ドクヘリ円滑運行へ連携 市消防本部 救急隊と初訓練

 2月16日の道南ドクターヘリ運航開始に先立ち、函館市消防本部は27日、ヘリと救急隊の連携訓練を実施した。出動要請に基づいて東部4地域から実際にヘリを飛ばし、円滑な運航に向けた一連の動作を確認した。

 道南ドクターヘリに使用するヘリコプターは25日に函館に到着しており、実機を使っての訓練は始めて。28日まで行い、消防職員やフライトドクターら約60人が参加する。

 この日は南茅部地区で、50歳の男性がジョギング中に倒れ、右半身がまひしているとの想定で実施。消防本部から出動要請を受けたドクターヘリが南茅部を飛び立つと、ヘリと救急車が落ち合う「ランデブーポイント」に設定した凌雲中学校グラウンド(千代台町)に約10分で到着。2次救急医療機関(重症患者対象)の函館中央病院に搬送する想定で、待ち構えた救急隊が患者を素早くストレッチャーに乗せ、グラウンド横で待機している救急車に運び込んだ。

 この後、ヘリは椴法華地区にも飛び、重篤患者を3次救急機関の市立函館病院に運ぶ訓練も行った。

 道南ドクターヘリ事務局によると、函館—南茅部間は通常、約6分で行き来可能といい、大幅な時間短縮効果が期待される。東消防署的場支署の鳥居秀幸救急隊長(56)は「訓練開始からほぼ予定通りだった。連携を必要とする流れがはっきり分かった」とした上で、「ヘリで市内まで搬送するメリットは今までの何倍もある」と話していた。

 28日は恵山、戸井地区で実施し、2月3〜5日には函病以外の医療機関関係者が参加する訓練を行って運航開始に備える。(千葉卓陽)



◎大野氏が無投票再選 知内町長選「元気で豊かなまちに」

 【知内】任期満了に伴う町長選が27日に告示され、現職の大野幸孝氏(63)=無所属=以外に立候補の届け出がなく、無投票で再選が決まった。知内町の町長選は1995年から6期連続で無投票となった。

 大野氏は同町出身で木古内高卒。1971年に町役場に入庁。企画課長、総務課長を経て、2002年に収入役に就任。06年から助役、副町長を務め、11年2月の町長選で初当選した。

 午後5時ごろ、当選が確認されると、町元町の選挙事務所に集まった支持者らが拍手で祝福した。大野氏は「2期目は大野カラーを前面に出し、元気で豊かなまちづくりを目指して全力で取り組んでいく。この4年間、町民の皆さんのご支援をいただきながら間違いのない行政運営に努めていきたい」と語った。

 大野氏は昨年9月の町議会定例会で出馬を表明。一次産業の振興発展、交流事業の拡大によるまちの活性化などを公約の柱とした。

 また、同日告示された町議会議員補欠選(欠員1)は、元職の農業五十嵐捷爾(しょうじ)氏(69)=無所属=が無投票で当選した。(金子真人)



◎公立高出願状況 上磯1.6倍、七飯1.5倍

 道教委は27日、2015年度の公立高校の出願状況を発表した。道南の全日制普通科の倍率は上磯が最も高い1・6倍で、次いで七飯1・5倍、函館中部、函館西が1・4倍。全日制職業科は、函館工業・環境土木と大野農業・食品科学が1・7倍と高倍率だった。一方、全日制普通科は11校中5校、全日制職業・総合科では8学科が定員割れ。桧山管内(全日制のみ)も全4校で定員割れとなった。

 募集定員に対する出願者数は、渡島管内の全日制で2360人に対して2712人となり、平均倍率は1・1倍(前年度比0・1ポイント減)。桧山管内では320人に対し256人が出願した。渡島管内の定時制は、募集200人に対して37人だった。

 道南の全日制普通科で最も高い1・6倍(前年度比0・5ポイント増)だった上磯の牧野敏教頭は、出願者に私立高校へ流れる生徒が含まれるとしながら「昨年度から学校通信を地域にも配布しており、キャリア教育などに力を入れていることが地域の中学校に伝わったのでは」と分析した。

 出願変更は28日から2月3日午後4時まで。推薦、連携型入試は2月12日、一般入試の学力検査は3月4日に行われる。合格発表は3月17日。(稲船優香)


◎大間原発適合審査 「技術能力」など論点提示

 【東京】原子力規制委員会は27日に都内で開いた会合で、電源開発(東京)が昨年12月に行った大間原発(青森県大間町)の新規制基準適合申請に対し、24項目に及ぶ主要論点を提示し、同社からの詳細な説明を求めた。

 24項目は地盤・地震、火山、津波、プラント関係の4項目に大きく分けられる。

 このうちプラント関係では、大間原発が同社にとって初めて運転する原発となることから、重大事故の対処のために必要となる技術的能力についての説明を求めるとしたほか、「建設中のため、取り得る対策の選択肢が広いと考えられる」として、採用した対策の有効性についての詳しい説明を要望。このほか、新規制基準で義務付けられたフィルター付きベント(=原子炉格納容器の圧力を逃がす装置)の基本性能の根拠となる実験データなどを求めた。

 地震関連では、下北半島の地下の地質構造に対する評価や、重大事故対処施設の基礎地盤と周辺斜面に関する検討内容の提示を求めた。また津波の発生源の設定に関わる検討内容についても求めた。

 審査は今月20日に開始。同原発はプルトニウムとウランを混合したMOX燃料を全炉心に装荷する世界初の原発となることから、規制委は慎重に審査する方針としている。 同社は適合審査の申請にあたり、基準地震動を従来の450ガル(加速度の単位)から650ガルに引き上げ、想定する津波の最大値(基準津波)も現行の4・4㍍から6・3㍍に見直すとしている。函館市は国や同社を相手取り、同原発の建設差し止め訴訟を東京地裁に起こしている。(千葉卓陽)