2015年1月29日 (木) 掲載

◎氷のレンガ次々 大沼で切り出し作業始まる

 【七飯】2月7、8両日に開催する「第49回大沼函館雪と氷の祭典」(実行委主催)で使用する湖水氷の切り出し作業が28日、大沼国定公園の東大島付近で始まった。今冬は気温が高く推移していたが、氷は例年並みの透明度で、この日の厚さは28㌢。作業は月末まで続き、ジャンボ滑り台などに使用する2500枚を切り出す。

 作業は実行委スタッフ約30人が行った。氷上には、そりのブレードで60㌢四方の碁盤の目となるように溝が付けられ、電動のこぎりで切り出した。1枚の重さは約100㌔で、専用の氷ばさみで引き上げ、重機で会場内に運搬した。

 氷は主に長さ25㍍、高さ5㍍のジャンボ滑り台に敷き詰められ、氷像にも使用。このほか、七飯町あかまつ公園で15日に開かれる「ななえチビッコ雪まつり」で作られる滑り台にも使われる。

 祭典の川村吉弘運営委員長は「氷の出来は良く、これから寒くなると氷が厚くなり作業は大変になるが、イベントで楽しんでもらえるように準備したい」と話した。(山崎純一)



◎「平成館しおさい亭」改修検討 利便性向上図る

 函館や登別で宿泊施設を展開するトーホウリゾート(札幌市)は28日までに、湯の川温泉の「平成館しおさい亭」と、隣接する「別館花月」(湯川町1)の改修に向けて検討に入ったことを明らかにした。改修費は数億円程度を見込んでおり、レストランなど館内施設を改装し、2016年3月の北海道新幹線開業で増加が見込まれる宿泊客の利便性向上を図る狙いだ。

 平成館しおさい亭の改修の目玉は、本館1階のレストラン「カトル・フィッシュ」の拡張。団体宿泊客に対応するため、座席数を現在の2倍の240席にする。デザイナーらと詳細を検討しており、宴会場の新設なども視野に入れているという。

 別館花月は、チェックイン時などの混雑を緩和するため、ロビーカウンターを増設する。また、本館と共通のラウンジに加え、別館専用のラウンジを新設。同館は、露天風呂が付いた広めの客室を中心に提供しており、同社は「こだわりを持つ個人客の利用が多く、満足度を向上させたい」としている。

 函館市内ではJR函館駅周辺のほか、湯の川温泉でもホテル改装の動きが活発化している。(山田大輔)



◎森町に大型SC進出計画 神戸物産 観光果樹園も

 【森】格安業態の「業務スーパー」を展開する「神戸物産」(本社・兵庫県)が、町赤井川地区に大型ショッピングセンター(SC)と観光果樹園の建設を計画していることが、28日までに分かった。2016年3月の北海道新幹線開業に合わせて営業開始を目指し、準備を進めている。

 胆振管内むかわ町の関連会社、神戸物産エコグリーン北海道との共同事業として計画が進められており、現段階では総事業費30億円規模を見込んでいる。

 大型SCの建設予定地となっているのは、道央道大沼公園インターチェンジ(IC)を降り、国道5号と合流する交差点付近。また、同IC付近と駒ケ岳山麓の2カ所の計約60㌶で観光果樹園を造成する予定という。

 大型SCの総面積は約8万平方㍍で、駐車場は1000台を想定。このうち店舗部分として使用する約1万平方㍍は同社が展開する業務スーパーのほか、町特産品の直売コーナー、さらに他企業の出店を見込んでテナントブースなどを盛り込んでおり、近く募集を始める予定。

 観光果樹園はハウスに温泉熱を引き込み、サクランボやブルーベリーなどの収穫体験を通年で行えるようにするという。すでに約1万本の苗を植えており、開園に向けた準備を進めている。

 同社によると、近隣に全国的に有名な観光地・大沼があることなどから、観光需要を見込んで進出を計画。従業員について「200〜300人ほどの新規雇用につながるのでは」としている。地元客はもちろん、観光客を呼び込むことで、地域の交流人口拡大にもつながることが見込まれる。

 梶谷恵造町長は「計画や出店の内容などについて、地元住民や周辺地域へ早い時期に説明会を開いてもらえるよう要望している。町としても情報が入り次第、町民に知らせていきたい」と話している。

 同社は東証1部上場で、本業のもうけを示す営業利益は51億円。同社は業務スーパーを全国691店舗で展開、道内では10店舗、そのうち道南では函館市と北斗市にそれぞれ1店を展開している。(野口賢清)


◎松前中に全国初「書道科」

 【松前】松前中学校(坂内達也校長、生徒132人)は新年度から、文部科学省の教育課程特認校指定を受け、中学校では全国初となる書道科の授業を導入する。町ではすでに町内全小学校で書道科を設けているほか、松前高校でも書道を必修科目としており、一貫した書道教育に取り組む体制が整った。

 教育課程特認校は、特色ある学校づくりのため学習指導要領によらない独自の教育課程を編成できる制度。町教委が昨年8月に申請し、今月、文科省から指定通知が届いた。

 松前中は大島中と統合し、新年度から町内唯一の中学校となる。これまでも国語科目の中で年間20時間ほど書道の授業を行っているが、新年度からの書道科目新設で、年間30時間ほどに増える。校舎は現在改築工事が進められており、普通教室の前に水道設備を設けたほか、大きめの学習机を使用するなど、生徒が書道に取り組みやすい環境を整備している。

 同町は日本を代表する書家、金子鷗亭氏(1906〜2001年)の出身地。2008年には生誕100周年を記念して、松前公園内に同氏や門人の書を刻んだ石碑84基を並べた「北鷗碑林」を整備するなど「書のまちづくり」を進めている。

 また、町が同年施行した教育指針条例には「書を愛する心を育てる」と明記し、毎年1月に小学生から大人までが参加する「児童生徒書き初め席書大会」を開くなど、学校や地域が一体となった書道教育に努めている。

 町教委は「今後も地域の特色を生かした教育を進め、町全体に書道の文化を根付かせていきたい」としている。(金子真人)