2015年1月5日 (月) 掲載

◎イカ博士 函館に集結 道内初11月に国際頭足類学会シンポ

 世界のイカ研究者がイカのまちに集合—。国際頭足類学会(CIAC)のシンポジウムが11月8〜14日、函館で開かれる。日本開催は1991年の静岡県清水市(現静岡市)以来2回目で、道内では初めて。実行委員長を務める桜井泰憲北大大学院水産科学研究院特任教授(海洋生態学)を中心に準備を進めており、函館の強みを世界に発信できる好機だ。

 CIACは1983年に設立、国際シンポは3年に1回開催される。2012年にブラジルサンタ・カタリーナ州の州都フロリアノーポリスで開催された前回大会で、桜井特任教授が15年函館開催を発表した。

 頭足類の専門分野は分類や生態、行動、発生、寄生虫、生理、養殖、漁獲方法、漁業資源、資源管理、加工・流通など多岐にわたり、国際シンポはイカ研究者の〝サミット〟ともいわれる。清水開催の91年には、函館でも「函館国際イカフォーラム」が開かれ、世界のイカ博士が講演した。

 函館大会のテーマは「頭足類科学の最新の進歩」で、参加人数は200〜250人規模を想定。中国や韓国、東南アジアからの参加者増が見込まれるという。分科会やポスター発表、現地視察のほか、市民向けフォーラムも企画。視察はイカ漁や水産加工会社の見学へ向かうという。分科会では、昨年6月にオープンし大型実験用水槽がある市国際水産・海洋総合研究センター(弁天町)も使い、イカの飼育実験と人工授精について理解を深める。

 五稜郭をバックとするスルメイカをかたどった独自のロゴマークも決定。桜井特任教授は「イカやタコに関する研究は裾野が広がっており、新しい分野も含めて最先端の科学を発表できる場としたい。函館のイカも世界にアピールできれば」と意気込んでいる。(山崎大和)



◎氷上で笑顔 ワカサギに釣り夢中 大沼・蓴菜沼

 【七飯】大沼漁業協同組合が運営する大沼国定公園の氷上ワカサギ釣りが4日、蓴菜沼で始まった。氷の厚さが約20㌢ほどになったことから営業を開始。晴天の中、初日から多くの家族連れらが訪れ、冬の風物詩を楽しんだ。

 ワカサギの体長は5〜10㌢前後。群れで回遊するため、ひとたび掛かると続々と釣り上がる釣況。使い慣れた釣り竿を持ち込んで楽しむ常連の姿も。スタッフは「竿先の繊細な動きを見極め、素早く合わせるのがコツ。早朝や夕暮れは浅く、日中は中層〜深めに仕掛けを入れると食いつきが良い」と話す。

 毎年訪れるという七飯町大中山小5年生の村上歩稀さん(11)と友人の道教育大附属函館小5年生の中村茜心さん(11)は「2時間で50匹以上釣れた。天気も良くて、とても楽しい」と喜んだ。

 また、寒さをしのぐビニールハウス内での穴釣りは今週中をめどに再開する。同組合は「子どもや初心者でも安心して楽しめます。ぜひお越しください」と呼び掛けている。

 遊漁料は大人600円、小中学生300円(未就学児は無料)。貸し竿・餌など道具一式のレンタル代500円。営業時間は午前8時〜午後4時。無休だが、天候の悪い場合は中止することもある。予約は不要。問い合わせは同組合(TEL080・4040・7575)まで。(斎藤彩伽)



◎初詣客数10万人超 正月三が日まとめ

 三が日の函館・道南は断続的に雪が降ったものの、大雪にはならず、神社への参拝客数は好調に伸びた。主要12カ所の初詣客数は前年比2万200人増の10万5060人となり、2012年以来3年ぶりに10万人を超えた。元日から営業した観光施設なども多くの人でにぎわった。

 ■初詣

 道警函館方面本部地域課によると、道南での三が日の初詣客数は神社12カ所のうち8神社が増加。函館市では、函館八幡宮が前年比1万6800人増の4万2800人と最も多く、次いで湯倉神社が同1000人増の2万6000人、亀田八幡宮は同1300人増の2万4800人となった。降雪に見舞われた前年に比べ、天候が良く、気温もさほど下がらなかったことから軒並み増加したとみられる。函館以外では、江差町の姥神大神宮が同50人増の3600人、今金町の今金八幡宮が同770人増の1620人、森町の森稲荷神社も同480人増の1450人など。

 ■観光施設

 五稜郭タワーの展望台来場者数は、前年より639人減の5102人。同社は「5日が仕事始めで、余裕を持って3日に函館を離れた人が多いことが要因。元日の早朝営業(午前6時から)に訪れた人は微増した」という。

 一方、函館山ロープウェイは前年比5856人増の1万4768人。昨年は1月3日に停電による運休が発生したが、その影響を差し引いても「外国からのツアー客が増加に寄与した。特に台湾、中国などが多い」(同社)とみている。

 このほか、元日から営業した金森赤レンガ倉庫や箱館奉行所、旧函館区公会堂、北海道坂本龍馬記念館なども観光客らでにぎわいを見せた。

 ■スポーツ施設

 七飯町東大沼666の函館七飯スノーパークの利用者(券購入者)は3265人。期間中の売り上げは昨年とほぼ同じという。同スキー場は「全面滑走が可能。自然雪が少ない状況だが、人工降雪機で対応しており、滑走には問題ない」と来場を呼び掛ける。

 2日に営業を始めた函館市民スケート場(金堀町10)は2日が前年比242人増の1068人、3日が同24人増の1037人と好調。「天気も良く、帰省客の利用が多かったためでは」としている。(小林省悟、稲船優香、山崎大和)


◎オオワシにくぎ付け 八雲で探鳥会

 【八雲】日本野鳥の会道南桧山(奥田孝一代表)は6日、八雲町の遊楽部(ゆうらっぷ)川流域で探鳥会を開いた。

 会員や一般の約15人が参加。餌となるサケを求めて越冬する天然記念物のオオワシやオジロワシが観察できる時期で、新年の探鳥会として恒例となっている。

 晴天に恵まれた中、河口では凍結した川の上にオオワシがいたり、消波ブロックにシロカモメなどがいたりするのを確認。続いてさらんべ公園(栄町)付近では、マガモなど数種のカモとオオハクチョウが羽を休める様子を楽しんだ。

 河口から約10㌔離れた上八雲付近では、山林の高い場所で見られるという猛きん類の姿はなかった。この日は約30羽のオオワシが見られたが、奥田代表は「数は例年と変わりないが、下流で多く見られたのは珍しい。何らかの工事が影響していることが考えられる」と話した。(山崎純一)