2015年1月6日 (火) 掲載

◎ジャンボ絵馬 夢願い大きく JR函館駅

 受験シーズンが本格化するのを前に、JR北海道函館支社は5日、函館駅のコンコースに「ジャンボ絵馬」を設置した。干支のヒツジや新幹線、アクセス列車のイラストが描かれた特製絵馬で、駅利用者が次々と願いごとを書き込んでいった。

 1982年から続く同支社の恒例行事。道内では函館駅だけで行っている。絵馬の大きさは縦1㍍、横2㍍。中央のイラストは絵が得意な社員が描いたもので、北海道新幹線H5系や新函館北斗駅と函館駅を結ぶアクセス列車を描き、開業に向けた機運を高めている。

 この日は絵馬が設置されるとすぐに学生らがペンを持って願い事を書いた。20日から空手の全道大会に臨む市立函館高空手部の藤沢美瑞紀さん(2年)ら3人が書いたのは「全国大会出場」。「合宿でしっかりと練習してなんとしても全国に行きたい」と力を込めた。

 絵馬は2月6日午前10時まで設置。その後、函館八幡宮に奉納する。 (松宮一郎)



◎海藻「ダルス」 産業利用へ前進

 道南で採れる海藻「ダルス」の資源利用に向けた研究が進んでいる。高温で長時間加熱しても緑色が失われない特性を生かし、レトルト食品だけでなく、チルドや冷凍、水産練り製品など幅広い用途への応用が期待できる。また、栄養成分の鉄、ヨウ素、ビタミンAをバランス良く含むことも明らかになり、食品素材として有益といえそうだ。

 「海のパセリ」とも呼ばれるダルスは寒海性の海藻。紫色がかった紅色で、カナダやアイルランドではサラダやスープなどに使われる。日本では収穫対象になっておらず、産業利用は進んでいない。

 道立工業技術センター(函館市桔梗町)は、収穫直後に赤紫色を呈するダルスが、特定条件で加熱すると緑色に変わり、120度で処理しても良好な緑色が保たれることを見いだした。これにより、従来使われていたネギやワカメなどの緑色食材は熱に弱かったが、未利用海藻という天然素材を使い、熱に強い緑色を提供できる。

 レトルト食品での使用を見据えており、さらに研究発表に食品メーカーが強い興味を示したことで、チルド食品や冷凍食品、水産練り製品など、より広い分野で採用される可能性が出てきた。同センターでは実用化に向けた課題検証を進めている。

 また、世界で不足しがちな三大栄養素として知られる鉄、ビタミンA、ヨウ素をバランス良く持つことも同センターの研究で分かった。2月には、南茅部地区の久二(きゅうに)野村水産(野村譲社長)がボイル塩蔵品を試験製造する予定で、食品メーカーへの利用検討を促す。

 同センターの木下康宣研究主査は「産業利用に向けた可能性は高まっている。ダルスの利用が進めば、他地域にはまねできない海藻の資源価値を見直すことになる」と話す。ダルスの研究は農水省の本年度「新需要創造支援事業」を活用、北大大学院水産科学研究院と連携して行っている。(山崎大和)



◎繁盛願い威勢よく 青果・水産卸売市場で初競り

 函館市内の青果物、水産物を取り扱う両卸売市場で5日、新年恒例の初競りが行われた。関係者は今年1年の市場活性化への願いを込めて威勢よく掛け声を上げ、2015年のスタートを切った。

 ○…市青果物地方卸売市場(西桔梗町589)では午前6時40分から「初せり式」を実施。そろいの法被を着た市場関係者約130人をはじめ、逢坂誠二、前田一男両衆院議員もお祝いに駆け付けた。

 工藤寿樹市長は「人口減少が進む中で、市場がどう生き残るかを懸命に考えていきたい」と述べた。また8月にオープンする函館アリーナと函館フットボールパークに触れ「交流人口の増加に伴い、市場の取扱高向上につなげたい」と期待を込めた。丸果函館合同青果の勝木敏孝社長は「来年には新幹線が開業し、さまざまな経済効果が期待される。青果物市場の発展を祈念したい」とした。

 東一函館青果の木戸浦静男社長の発声で三本締めを行い、函館巴太鼓による和太鼓演奏が場内に響き渡った。その後、地元産のトマトなどが競りにかけられた。この日の入荷量は野菜が50・9㌧、果実は16㌧だった。

 ○…市水産物地方卸売市場(豊川町27)では午前7時から卸売業者や仲売人など約300人が集まり「初売り式」を行った。

 片岡格副市長は、昨年から学校給食で和食の日を実施し、継続して漁業者と市国際水産・海洋総合研究センターとの連携強化に努めているとし、「水産物市場が流通拠点として使命を果たすためには、市場関係者の経営が安定することが最も大事」と述べた。

 卸売業者の函館魚市場の松山征史社長は「今後も厳しい環境は続くだろうが、オール函館で立ち向かい、函館の水産業界がこの不漁から脱出し、飛躍・発展できる1年にできるよう突き進んでいきたい」と抱負を語った。

 式後の初競りではイカやホッケなどが並び、値を読み上げる競り人の威勢の良い声が響き渡った。この日の入荷量は、4日のしけと恵山方面での不漁の影響で、前年同月比14㌧減の約20㌧だった。 (千葉卓陽、蝦名達也)


◎GLAYのライブ 4日間規模で調整

 

 8月にオープン予定の函館アリーナ(湯川町1)でこけら落としを務める地元出身ロックバンド、GLAY(グレイ)のライブについて、計4日間行う方向で調整が進んでいることが5日、明らかになった。

 工藤寿樹市長は同日午前に開かれた市青果物地方卸売市場の初売り式でのあいさつで、「アリーナでGLAYがこけら落としのコンサートを4日間行ってくれる。計2万人が湯の川などに入ってくる」と述べた。

 アリーナは来年3月予定の北海道新幹線開業に照準を合わせ、最大5000人を収容するスポーツとコンベンションの中核施設として建設中。同市長は同時期にオープンする函館フットボールパーク(日吉町4)とともに年内は数多くの全国大会、全道大会の予約が入っているとし、「少しでも消費拡大につながってくれれば」と述べた。  GLAYは昨年、宮城県で開かれた大規模コンサートで同アリーナのこけら落としライブを行うと発表したが、規模や時期までは明言していない。8月の初めは函館港まつりと重なることから、7月下旬に実施する方向で、関係者間の調整が進んでいる模様だ。 (千葉卓陽)