2015年1月8日 (木) 掲載

◎「いずし」伝承へ、函短大が「郷土料理データベース」第2弾

 函館短大(上平幸好学長)が本年度取り組む「郷土料理データベースプロジェクト」で、いずしの漬け込み作業が7日、同短大で行われた。昨年秋の「くじら汁」の試作に続く第2弾で、道南の家庭でよく食べられる料理のレシピのデータを集め、インターネット上で公開する。初心者でも作れるような成果物を目指す。

 食物栄養学科の澤辺桃子准教授ら6人がチームを組み、南北海道学術振興財団(函館)の助成を受けた。いずしは、同短大非常勤講師で管理栄養士の青山浩子さんがレシピを提供した。

 7日の試作では、味の違いが出るかどうかを確かめるため、ポリ容器と木だるの2つを用意。作り方は一緒で、下からコンブ、ササ、野菜、ショウガ、ユズ、タカの爪、サケ、ご飯と清酒を混ぜ合わせたもの、米麹(こうじ)の順に敷き詰めていった。野菜以降を繰り返し5、6層分入れ、最後に漬物石で重しをかけた。

 この状態で約1カ月、室温10度で寝かせて2月上旬に完成予定。出来上がったいずしは人の味覚による官能評価を行うほか、道総研食品加工研究センター(江別市)に送り、味覚センサーで味を数値化する。

 プロジェクトメンバーで同学科2年の石崎華奈子さん(20)は「祖父が家で作るいずしは、具材が大きめで水分は少なめ。実際に作ってみて、野菜や魚の下処理が大変だと思った」と話した。

 郷土料理を作る上で、食材や調味料は各家庭で〝適宜〟となっており、初めて作る人は戸惑うケースが多い。そこで味や調理法をデータベース化すれば、伝承が可能になるという。澤辺准教授は「今後もイカの塩辛やニシン漬け、三平汁など、他の郷土料理でもデータベースの構築を目指す」と意気込んだ。(山崎大和)



◎マイタケ炊き込みご飯新発売、渋田産業

 厚沢部町でキノコ栽培と農水産資材の小売を行う渋田産業(渋田義幸社長)は、自社生産のマイタケを使用したレトルト商品「えぞまいたけの炊き込みごはん」を新発売した。同社が加工品販売に乗り出すのは初めてで、7日に始まった丸井今井(函館市本町)の「第3回道南うまいもの大会」で初披露した。

 同社は町特産のエゾマイタケの販路拡大を狙い、加工品製造を手掛ける七飯町の中水食品工業と共同で、昨年10月に新商品開発に着手。肉厚なエゾマイタケのシャキシャキとした食感を味わえるよう、大きめにカットするなど工夫を施し、約2カ月かけて完成した。

 具材には道内産の鶏肉やニンジンなどを使用しており、米2合分で1箱648円。催事後は同町内の道の駅で提供するほか、道産品を扱う札幌のアンテナショップでも販売を予定している。同社の渋田博文専務は「北海道新幹線開業に合わせて加工品の品数を増やし、地元の特産物をPRしていきたい」と意気込んでいる。(山田大輔)



◎在来線ホーム仮使用へ、新函館北斗駅

 【北斗】2016年3月の北海道新幹線開業に向けて今年6月に完成予定の新幹線新函館北斗駅(市渡)について、在来線ホームの一部が4〜6月にも仮使用されることが7日までに明らかになった。

 北斗市によると、同駅には新幹線ホームと同一平面上に在来線ホーム2面を建設しており、このうちアクセス列車の入線部分を除いた面が使用される見通し。現在、在来線の列車は駅舎そばにある渡島大野駅で乗降しており、4〜6月ごろに新ホームに入るという。

 市は昨年12月、市議会の北海道新幹線調査特別委員会で、新幹線駅開業までのスケジュールを報告する際に新ホーム利用を説明した。

 ただ、在来線部分の建設を担当するJR北海道は、在来線ホームの利用開始時期については「未定」としている。

 新幹線駅舎は6月に完成予定。現在、外装工事はほぼ完了し、内装工事を進めている。新年度には既存のホームと歩道橋の撤去作業のほか、駅北側部分の整備が本格的に行われる。(鈴木 潤)


◎合格目指し151人挑む、附属中で入試

 道教育大附属函館中学校(羽根田秀実校長)の入学試験が7日、同校で行われ、函館市内や近郊の小学6年生151人が試験に臨んだ。市内では8日に函館ラ・サール中学校の入学試験、17、18日に大学入試センター試験を控えており、受験シーズンが始まった。

 同校の定員は105人で、附属小学校からの進学者を除いた分を入試で選考する。受験生は昨年より17人増加した。

 同校には朝早くから受験生が続々と到着。試験は国語、社会、算数、理科の4科目25分ずつに加え、作文と面接試験が課された。作文のテーマは「附属中学校で目指すもの」で、用紙が配られると受験生たちは一斉に鉛筆を走らせていた。

 また、午後からは個人面接が行われ、受験生たちは合格を目指して真剣な表情で臨んでいた。

 合格発表は9日午後4時に正面玄関に掲示される。(平尾美陽子)