2015年2月1日 (日) 掲載

◎マカロニどん菓子が人気急上昇、TERUさんがツイートで

 【知内】町小谷石のやごし本舗(村田優代表)が製造するマカロニのどん菓子「ドン・デ・マカロニ」が、函館出身のロックバンド「GLAY」のTERUさんが短文投稿サイト「ツイッター」で紹介したことで注目を浴びている。町内や函館の販売店では売り切れが続出している。

 同商品は3年前に販売を開始。乾燥したマカロニを専用の圧力釜に入れて加熱した後、一気に減圧するとマカロニが膨張する。砂糖やバターなどで味付けし、独特のサクサクとした食感でファンも多い。

 1月22日の朝、友人から送られてきた「ドン・デ・マカロニ」を食べたTERUさんが、商品の画像とともに「とんでもなく美味しい!」とコメントをツイッターに投稿した。改行 その日、商品を置く函館市昭和のコミュニティ&カフェ「はなはな」では、午前11時の開店と同時に訪れたGLAYファンの女性が購入したのを皮切りに、在庫の60袋があっという間に売り切れたという。同店の多田朋美代表は「山口県や宮崎県からも注文の電話があった。5個や10個などまとめ買いする人も多く、再入荷してもすぐに売り切れる」と話す。

 商品の製造や配達は村田さんが一人で行っており、殺到する注文に追われている。村田さんは「注文が3倍になって友人にも袋詰めなどを手伝ってもらっている。TERUさんにおいしいと言ってもらえたことが素直にうれしい」と話している。

 「ドン・デ・マカロニ」は函館、木古内、知内など道内の13店舗で販売している。110㌘入り300円(税込)。(金子真人)



◎恵方巻きに感謝込め、七飯高などが高齢者宅に配る

 【七飯】七飯町社会福祉協議会(大竹幸次郎会長)は1月31日、「学生ボランティア体験入門〜節分に恵方巻きを届けよう」を行った。七飯高校(佐藤久道校長、生徒357人)の生徒たちが恵方巻きを配りながら、地域住民と触れ合った。

 日ごろ地域から応援してもらっていることに感謝の気持ちを表したいと、同校が同会に働き掛け、初めて行った。

 この日は同校のサッカー部員12人、女子バレーボール部員10人が参加。見晴町内会(小杉晃弘会長)と本町町内会(薮下義晴会長)の関係者約10人も手伝った。生徒たちは見晴会館に集合し、本町町内会の寺沢久光さん(79)から町内会活動の紹介を受けた。恵方巻きに添えるメッセージカードには「体調に気をつけて」などと書き込んだ。

 その後6つのグループに分かれて、両町内会の高齢者約30人の家を訪問。生徒らが中心となって家主に声を掛けながら、恵方巻きを手渡した。訪問先では「どこの学校なの」「寒い中ごくろうさま」といった声を掛けられ、生徒らはうれしそうに微笑んでいた。

 サッカー部所属1年の山田怜君(16)は「地域の人たちのおかげで、自分たちはここにいるし、こうした触れあいを大切にしていきたい。これからもサッカー部の応援をよろしくお願いします」と話していた。(野口賢清)



◎少雪泣き笑い…浮く除雪費、関連用品は不調

 今冬の道南は、冬型の気圧配置が長続きしない影響で、気温は高めに推移している。このため積雪(地面に堆積している雪の深さ)は少なく、自治体の除雪費は大幅に減少する一方、除雪用品などの売れ行きは伸び悩み、さまざまな影響が出ている。

 気象庁の速報値によると、函館の1月1〜30日の平均気温は氷点下1・0度で平年より1・6度高い。一方で、11月からの累積降雪量(雪の降った量)は207㌢で、平年(225㌢)の92%と大きな差はない。暖かいため、雪が地面に積もらない状況だ。

 市道の除雪を担う市土木部維持課によると、市内一円の幹線道路を一斉に除雪する機会はなく、山沿いなど局地的な除雪にとどまり、20日までに出動したのは9日間のみ。市民からの要望件数も大幅に減少し、昨季は1月中に400件を超えていたが、今季は4分の1程度だという。

 市の除雪費は、本年度は4億円(本庁管内分3億7000万円)。2009年度以降は毎年、シーズン当初に予算が払底し、補正予算を組んで対応してきたが、今年は20日現在の執行分は前年同期1億1000万円の半分以下となる4500万円。同課の中西博文課長は「このままの気象状況で推移すればありがたいが、2月末までは気を緩めずに対応したい」と話す。委託先の業者には除雪車両を維持するための必要経費を支払う保障制度を導入して対応している。

 1月の真冬日は平均12・3日だが今年は8日(30日現在)にとどまり、水道凍結の被害も少ない。市企業局と水道修繕センター(海岸町)に寄せられた凍結の問い合わせは、昨年12月に20件あったが、1月は7件のみ(29日現在)。昨年1月の160件より大幅に減少している。

 「除雪用品の売れ行きは良くない」。市内のホームセンターは頭を抱える。ホーマックスーパーデポ石川店では、融雪剤やスコップなどの売り上げが前年比で60%減少という。「前年並みに在庫を揃えているが、今冬の雪はすぐに解けるので売れない」と曇り顔。ジャンボイエロー亀田店は「例年だと除雪用品の売り場面積を縮小する時期だが、今年は在庫が多く、なかなかできない」と話す。

 スキー場でも影響はあった。七飯町のニヤマ高原スキー場は降雨の影響で26日から3日間、休業を余儀なくされた。現在は滑走可能で、これからの積雪に期待。同町の函館七飯スノーパークは大きな影響はなかったが、雪が少ないのではという問い合わせが続いたという。担当者は「長年勤めているが、こんなに電話を受けたのは初めて」と驚く。

 暖房の燃料代は節約できているようだ。深駒町会事務局の渡部静子さんは「会館の灯油代は月約2万円だが、2000円以上は抑えられている」と話す。ただ、灯油の販売は、価格が下がっていることで求める人は多いようだ。セルフ函館港町SS(港町1)では「購入しやすい価格となり、1日平均30人が来店し、売り上げは平年並み」と話した。

 札幌管区気象台によると、向こう1カ月の道内は、引き続き気温は高めに推移するとしている。


◎ひな人形コンパクト志向

 3月3日の「桃の節句」に向け、函館市内の専門店や百貨店では、ひな人形商戦が活気を帯びている。少子化に伴いひな人形の購入客は減少傾向にあるが、この時ばかりは子どものために奮発しようと、品定めする家族連れの姿が目立つ。近年は段飾りの大きなタイプに変わり、コンパクトな人形に人気が集まっている。

 創業120周年の宮田商店(若松町30、宮田一人店主)では、リカちゃん人形をひな人形にした日本で38台しかない「リカちゃんスワロフスキー雛(ひな)人形」(シリアルナンバー入り)のほか、珍しい「木目込み立ち雛」も店頭に並ぶ。

 家庭の事情に合わせ、2体のお内裏さまのみのコンパクトタイプ、飾る台に人形と道具一式を片付けられる収納タイプも。人形の着物に淡い紫や緑、白色など春らしい色合いを取り入れている。

 宮田店主(36)は「珍しい品から収納タイプまで幅広く取りそろえているので、気軽に見に来てほしい。日本文化をオリジナルなひな人形で楽しんで」と話す。

 人形の京菊(桔梗2、菊池厚夫店主)では、100セット以上のひな人形を用意。3人官女が入った3段型の飾りや親王飾り、つるし飾りや名前旗などが勢ぞろいし「コンパクトなひな人形がよく売れている。現代風のかわいい表情をした人形も人気」と菊池店主。10万円前後の商品が売れ筋で、この土・日曜日がピークと見ている。

 テーオーデパート(梁川町10)では、ガラスケースに華やかな衣装の男びなと女びなが入った「親王飾り」など約15点を展示。価格は7〜8万円程度がよく売れるという。「下見で来る客が増えており、客足のピークは2月半ば」としている。(斎藤彩伽、平尾美陽子)