2015年2月12日 (木) 掲載

◎冬の夜空 花火彩る、15日まで開催

 冬の夜空を彩る「函館海上冬花火」(実行委主催、函館新聞社など後援)が11日、函館港豊川ふ頭で始まった。冬の観光目玉イベントにしようと、開催日数を昨年の2日間からことしは5日間に拡大。約2000発の大輪の花が澄み切った夜空を照らし、訪れた市民や観光客を魅了した。

 「はこだてクリスマスファンタジー」終了後の冬場の観光を盛り上げようと、昨年から実施。前年は単独で主催した函館国際ホテル(柴田大介社長)が、周辺のホテルや観光団体などに呼び掛け、実行委を組織した。

 観覧場所として開放された旧シーポートプラザ周辺には大勢の客が詰め掛け、花火が打ち上がるたびに歓声を上げていた。七飯町から夫婦で来た竹内竜一さん(49)は「フィナーレは見ごたえがあった」と笑顔。東京から母と旅行で訪れた井上綾香さん(34)は「花火があることを知らず、偶然見ることができた。また函館に来たくなりますね」と興奮した様子だった。

 実行委は、花火のフォトコンテストを開催しており、作品を募集している。応募は「函館海上冬花火」のフェイスブック(https://facebook.com/hakodatekaijoufuyuhanabi)に写真をアップするか、データを添付してメールで送信する。優秀者には羽田—函館間の往復航空券や市内ホテルの宿泊券を進呈し、入賞作品は函館国際ホテル内のギャラリーで展示する。

 冬花火は15日まで。連日午後7時40分から約20分間同所で開かれる。開催の有無は当日「函館海上冬花火」のフェイスブックで告知する。また、函館市青函連絡船記念館摩周丸は期間中午後8時まで特別営業を実施。船内から花火を鑑賞することができる。(山田大輔)



◎五輪メダリストが水泳指導

 ロンドン五輪(2012年)女子競泳銅メダリストの寺川綾さん(ミズノ)、加藤ゆかさん(板橋区役所)、上田春佳さん(キッコーマン)と、アテネ・北京五輪の2大会で銅メダル(200㍍背泳ぎ)を獲得した中村礼子さん(東京スイミングセンター)を講師に迎えた「スイムクリニックin函館2015」が11日、市民プールで開かれた。

 函館市文化・スポーツ振興財団の主催。この日は函館水泳協会が推薦した強化選手40人と、一般公募で選ばれた親子20組を対象にした2教室を実施。参加者はメダリスト流の水泳の楽しみ方や泳法別の練習法を学んだ。

 ロンドン五輪の3人は400㍍メドレーリレーで銅メダリストとなり、寺川さんは100㍍背泳ぎでも銅メダルを獲得。来函は昨年2月の同イベント以来。一方の中村さんはアテネ(2004年)、北京(08年)両五輪の200㍍背泳ぎで銅メダルを手にした。

 午前は初開催の親子20組を対象とした水泳教室に臨み、寺川さんは「水に慣れて親子仲良く水泳を楽しめるように頑張ろう」、中村さんも「初めてのイベントを楽しみたい」とあいさつした。その後、上田さんが自由形(クロール)、寺川さんと中村さんが背泳ぎ、加藤さんがバタフライの模範泳法を披露。ストロークの長さやキックの強さなど、各選手のフォームの特徴が紹介され、全身を大きく使ったメダリストならではのダイナミックな泳ぎに参加者らは圧倒されていた。終盤には水中玉入れなどのゲームなどでも盛り上がった。

 午後からの競技者向けの教室には40人が参加。4泳法すべてのレクチャーがあり、専門ではないもののこの日のために練習を重ねてきたという上田さんが平泳ぎの見本を示すと、大きな拍手が上がっていた。

 2教室の終了後にはチャリティーサイン会も行われ、訪れた人たちは一流選手との交流に胸を躍らせていた。親子教室に参加した岡島瑚友妃さん(北美原小2年)は「得意なバタフライも良かったけどクロールの練習も楽しかった。もっと水泳を続けたくなった」と笑顔だった。(小杉貴洋)



◎「全日本学校ポスター甲子園」で市函高美術部が2年連続準V

 市立函館高校美術部が、学校行事を告知するポスターのコンテスト「第10回全日本学校ポスター甲子園」で昨年に続き2度目の準グランプリを獲得した。同校の学校祭「柳星祭」(昨年7月開催)の告知ポスターを出品。同部は「受賞できるとは思っていなかった。苦労が報われた」と喜んでいる。

 コンテストは印刷会社総北海(旭川)の通販部門「印刷通販プリントコンシェル」が主催。全国の高校や大学、専門学校など65校から76作品の応募があった。

 原案を考えたのは、部長の長谷川詩歩子さん(16)、渋谷奈津樹さん(17)、西村穂花さん(17)。昨年5月下旬に構想を練り始め、部活が終わった後も五稜郭公園に集まって、約150ものアイデアを考えた。長谷川さんは「市立函館高を志望したきっかけは柳星祭。普段勉強に励む生徒の柳星祭に懸ける思いを表現したかった」と話す。

 柳星祭を心待ちにする生徒20人の表情を並べた。写真は構成を担当した顧問の佐々木龍教諭が、モデルとなった生徒を一人100枚ほど撮影して厳選。そこに、3人が「一番苦労した」と振り返るキャッチコピー「アタマの中は柳星祭一色」「これぞイチハコの青春週間」を添えて、爽やかな色合いでまとめた。

 審査員からは「このまま学校のPRポスターとして使えそう。学校のイメージアップにつながる作品」と高い評価を受けた。佐々木教諭は「悩みに悩んでクオリティーを突き詰めた。受賞できて良かった」と話している。(稲船優香)


◎函館市、プレミアム付商品券発行へ

 函館市は新年度、地域住民の消費意欲を喚起し景気回復につなげようと、プレミアム付商品券を発行し、子育て世代に商品券を配布する。市として初めての実施で、国の新たな交付金を活用し、プレミアム付商品券は総額12億円分を発行。26日開会予定の市議会定例会で本年度一般会計補正予算案を追加提案する。

 プレミアム付商品券は、プレミアム率を20%とし、1万2000円の買い物ができる商品券を1万円で販売する。市経済部によると、小売り店以外のサービス業などでも使えるようにしたい考えで、「地域住民に広く行き渡るようにし、しっかりと効果を出せるよう努めたい」としている。

 市内では2009、10年に函館商工会議所が、同会議所や市内の商工会会員の店舗を取扱店としたプレミアム付商品券を発行している。09年はプレミアム率15%で3億4500万円分発行。10年はプレミアム率を10%に変更し、3億3000万円分を発行した。使用率は2年とも100%に近く、新年度の商品券発行も地域経済活性化の起爆剤としての役割が期待される。

 子育て世代に対しては、15歳以下で中学校修了までの子ども1人につき1万円の商品券を配布する。市子ども未来部によると、配布対象となる世帯は約2万世帯ほどだという。

 商品券発行は、国の「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」に沿って創設した「地域住民生活等緊急支援のための交付金」(概算約5億5000万円)を活用。いずれの商品券も発売や配布の日程、利用期限など未定で、市は今後詳細を決める。(蝦名達也)