2015年2月18日 (水) 掲載

◎ガゴメしゃぶしゃぶ 手土産やギフトに フードカン21日からテスト販売

 道南産品のアンテナショップ「フードカンねばねば本舗」(函館市若松町19)は21日から、ガゴメコンブしゃぶしゃぶセットのテスト販売を始める。函館産のガゴメをしゃぶしゃぶ用に薄く削った高級品で、まろやかな味と職人技、こだわりのだしを楽しめる豪華な詰め合わせにした。同店は「函館からの手土産やギフトにしてもらいたい」としている。

 函館地域産業振興財団と北大大学院水産科学研究院、渡島総合振興局、北洋銀行函館中央支店で構成する産学官金連携組織「道南食と観光クラスター型6次産業化推進協議会」の事業。国土交通省の補助金を活用している。

 事業主体で同店を運営するノーステック(函館市昭和3)の橋本真一社長は「函館から土産を持参するときにぴったりの品物がないという声を聞いたことが考案のきっかけ。新しいガゴメコンブの食べ方を提案しようと企画した」と話す。

 商品は2人分。ガゴメの厚切り10㌘と、七飯町の王様シイタケの粉末や北斗市産の煮干し、函館産のマコンブなどをパックにしただし、マコンブのカット、ガゴメポン酢がセットになっている。

 豊川町の梶原昆布店(梶原健司社長)の職人が削ったガゴメは、絶妙の厚さが特徴。「薄すぎるとお湯に入れた時に形が崩れる。逆に厚いと口の中でねばりが強くなってしまう。厚さは試行錯誤を繰り返した」と橋本社長。ガゴメを食べた後に別の鍋料理をすることでさらにだしが効くという。今年のお歳暮商戦での本格販売を目指している。

 同協議会は本年度、函館のガゴメコンブをはじめとした海藻の活用法を探り、観光を含めた6次産業化に道筋をつけてきた。同財団の猪飼秀一専務は「新年度は、新幹線開業を控えて地域資源の活用に取り組む北斗市や七飯町、木古内町にも輪を広げ、応援していきたい」としている。

 セットは2人分。3000円。試験販売のため数量限定。問い合わせは同店(TEL0138・27・4777)へ。(松宮一郎)



◎英語スピーチ・コンテスト 石戸君(附属中1年)が全国最優秀、油川さん(駒場小6年)優秀賞に

 1日に東京都で開かれた「第37回全国ジュニア英語スピーチ・コンテスト」の決勝大会で、中学生の部で石戸凜太郎君(13)=附属1年=が最優秀賞、小学生の部で油川紗葵(さき)さん(12)=駒場6年=が優秀賞にそれぞれ輝いた。2人が通う函館市本町の大文堂外語スクール(渡辺晃代表)からの最優秀賞受賞は21年ぶり。英語が大好きという2人は「まさか受賞できるとは」と喜びと驚きでいっぱいだ。

 コンテストはステップワールド英語スクールに通う子どもたちの学習成果の披露のため、スクールを運営する日本LL教育センター(東京)が主催。教室予選とブロック大会を経て、全国の小学生16人、中学生11人が出場した。

 中学生は自作英文のスピーチを発表。3年連続出場の石戸君は「A Road to a Paleontologist(古生物学者への道)」と題しスピーチした。トップバッターで足が震えたというが「過去の2大会は悔しい思いをしたので、本番に全力を込めた」と振り返る。学校の勉強との両立が大変な中での快挙。「ほっとした。入賞もないと思っていたのでうれしい」と話す。

 小学生は課題文の暗唱を競った。油川さんは日本昔話の「Treasure Clogs(宝のげた)」を披露。ブロック大会終了後、課題とした目元の表情を豊かにするため、洋画に登場する俳優の表情を参考に改善を図ってきた。全国の舞台は初めてだったが「ステージでは緊張しなかった」と強心臓ぶりを発揮、優秀賞5人に選ばれた。

 次の大会を見据え、2人はさらなるレベルアップを目指す。石戸君は「現在は英検(実用英語技能検定)準1級を目標に、単語の勉強を少しずつ進めている」と話し、油川さんは「より感情豊かにスピーチできるよう努力していく。英検は2級を目指します」と意気込んでいる。(稲船優香)



◎乙部に温泉宿泊施設「光林荘」3月1日オープン

 【乙部】町内館浦527の温泉宿泊体験施設「光林荘」(第三セクター、指定管理者・乙部観光)が3月1日、オープンする。道内の木材をふんだんに使い、温かな造りで、観光客のほかスポーツ合宿誘致など、地域を盛り上げる拠点として期待されている。

 旧光林荘(1983年完成)が老朽化で閉館したのを受け、昨年3月に着工、今年1月に完成した。総工費は8億700万円で、このうち国の林業再生にかかわる補助・交付金計4億1793万円を活用した。

 新施設は、町営「おとべ温泉 いこいの湯」に隣接し、木造平屋(約1970平方㍍)。和洋の特別室と和・洋の計17部屋で54人〜80人が宿泊できる。大・中の研修室を備え、浴場は男女ともに新たに露天風呂を設けた。

 建築木材は、道内のヒバやトドマツ、カラマツ、スギ材などを活用。温泉は肌触りがよく、湯ざめしにくいと人気だった従来の源泉かけ流しを継続する。

 17日に町議会の議員団が視察し「来年には新幹線も開業するので、まちの一層の発展に向けてPR強化を」と期待した。  公式ホームページなどで予約を受け付けており、17日現在、オープン直後の宿泊は若干余裕があるものの、宴会は3月下旬ごろまで予約で埋まっている。町は20日に同施設で祝賀会を開く。

 予約などの問い合わせは同施設(TEL0139・62・3347)へ。(田中陽介)


◎コンブ生産量4930トン 函館市2014年分 前年比5%増

 函館市は、2014年分のコンブ生産量(速報値)をまとめた。不漁だった前年を5%上回る4930㌧となり、特に天然コンブは豊漁で全体の数量を押し上げた。主力のスルメイカとスケトウダラが振るわず、魚種で明暗が分かれた。

 市農林水産部によると、内訳は天然が前年比2倍の1508㌧、養殖が同13%減の3422㌧。天然は平年値まで回復するも、養殖は前年にしけなどの影響で若干被害を受けており、天然の好調で補った形だ。同部は「総体を見ると平年より低い状況だったが、前年よりは好転した」という。

 一方、生産額は同10%減の58億1500万円。07年以降で最も低く、全般的に数量増の単価安で推移した。

 道総研函館水試(金森浩一場長)の赤池章一研究主幹は「14年は冬季の水温が低めに推移したので、海中の栄養分が多い傾向となり、コンブが生き残るために良い環境になったのではないか」と話す。

 同部によると、コンブとはマコンブ、ミツイシコンブ、ガゴメコンブがメーン。数量、金額とも函館、戸井、恵山、椴法華、南茅部の各地区の合算値。14年の市の魚種別漁獲高ではイカとスケトウが不振だった一方、イワシやサバ、ブリが好調だった。(山崎大和)