2015年2月22日 (日) 掲載

◎大門横丁メニュー多言語化、実証実験へ

 函館市は増加する外国人観光客らに対応するため、飲食店メニューの多言語化対応の実証実験を大門横丁全26店で実施する。英語、中国語(繁体・簡体字)、韓国語、ロシア語で、料理の写真と簡単な紹介文、飲食店のルールを記載したシートを配布。外国人客の応対に役立ててもらう。

 外国人客の利便性向上に向けた取り組み。各店にはおすすめ料理5品を選んでもらい、市内の翻訳者が各言語に翻訳した。「先に飲み物を頼む」「お通しには料金が発生する場合がある」など、日本の居酒屋のスタイルも各言語で用意した。

 大門横丁内のジンギスカン店「ラムジン」の新本昌史さんは「円安もあって、台湾や中国、タイやマレーシアなど東南アジア地域からも来店が増えている」と話す。スマートフォンアプリの翻訳機能を使うこともあるが精度は今ひとつという。新本さんは「メニューも助かるが、天気の話題などちょっとした一声で相手の警戒心を解くこともできる。コミュニケーション力を身につけたい」と話していた。

 実験期間は3月20日までで、各店舗にアンケートを行い、メニューの利用状況や課題などを洗い出す。市企画部国際・地域交流課は「観光客だけではなく、在住外国人客の利便性も高まる。環境整備に向けた課題を洗い出し、全市的な動きに広めていきたい」としている。(今井正一)



◎旧イギリス領事館で「姫チェン」

 女の子がメークとドレスアップを楽しむイベント「姫チェン」が21日、函館市元町の旧イギリス領事館であった。約150人が色鮮やかなドレスを着て、お姫様の気分を満喫した。

 同館の主催。観光客のほか、市民にも施設に足を運んでもらおうと毎年行っている。イベントには函館理容美容専門学校(中島町)の学生が協力。子供たちにメークを施した。

 会場には赤、白、ピンク、紫色など色とりどりのドレスが用意され、参加者は気に入った一着を選び、袖を通していった。同校の学生や教員が髪をセットし、メークを施すと、子供たちはお姫様に〝変身〟。家族と一緒にレトロな雰囲気の館内を回り、記念撮影を楽しんだ。

 毎年参加しているという湯川小2年の土井楓湖さんは「お化粧をしてもらえるのがとてもうれしい」と笑顔だった。(松宮一郎)



◎函館市新年度、家庭訪問で特定疾病児支援

 函館市は新年度から、家庭訪問型の「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業」を始める方針を固めた。自立支援員が特定疾病のある児童がいる家庭を訪問し、保護者に家庭看護や食事に関する相談支援をするほか、福祉制度の紹介や学校との連絡調整などの役割を担う。

 昨年5月の児童福祉法改正により、都道府県、指定都市、中核市が、小児がんや白血病、糖尿病などといった特定疾病のある児童とその家族の負担軽減、児童の自立や成長支援を行うと示された。

 市では、2005年から特定疾病のある児童への医療費の給付や、ベッドなど日常生活用具の給付を行ってきた。しかし、相談業務は職員配置に限度があり、保護者から依頼があったときのみしか対応できなかった。市母子保健課は「これまでは書面上のみで児童の症状を把握していたが、自立支援事業によって児童と保護者の詳しい情報を知ることで、きめ細かなサポートができる」としている。

 相談支援は、家庭看護や食事・栄養など日常生活に関する相談を行う「療育相談指導」や、福祉の措置が適用されず、やむを得ず在宅での療育をしている家庭を訪問する「巡回相談指導」など。民間事業所への委託事業とし、専属スタッフ1人を配置する考え。

 今年1月1日に医療費給付の対象疾病数が514から704疾病に増え、現在の市内の特定疾病児童数は約160人。自立支援員は必ず1年に1度は全家庭を訪問し、支援の状況に応じて訪問数を増やし、学校、医療機関と連携した心理面のケアや就労支援にもつなげる考え。

 同課は「疾病による児童の孤独感を軽減させ、社会参画の手助けとなるような事業にしたい」と話す。(蝦名達也)


◎「トワイライト」「北斗星」のグッズなど25日から展示

 3月中旬で引退する寝台特急「トワイライトエクスプレス」(札幌─大阪間)と定期運行を終了する「北斗星」(札幌─東京間)のグッズ展示や走行映像を上映し、長年の活躍をねぎらうイベントが25〜27日、JR函館駅2階イカすホール(若松町12)で開かれる。主催する函館大沼鉄道模型動楽倶楽部(相澤宗生代表、会員約10人)は「列車に対する思い出を共有してもらえる機会になれば」と来場を呼び掛けている。

 同倶楽部は2007年に結成。これまで大沼国際交流プラザで鉄道模型の運転会などを開催している。今回は、2つの寝台特急列車が旅行やビジネスで多くの人に利用され、道民にとって身近な存在として活躍したことに感謝し、名前や姿をいつまでも覚えていてもらおうと企画した。

 会場では、両列車のグッズ展示や走行映像を上映するほか、鉄道模型の運転(Nゲージ、車両持ち込み可)などを行う。相澤代表は「子どもたちが、玩具と違い本物そっくりの模型を通して、ブルートレインの魅力を感じてもらえれば」と話す。

 時間は午前10時から午後4時40分。入場無料。問い合わせは同倶楽部事務局(TEL0138・67・3335、ぽっぽ爺(や))へ。(山崎純一)