2015年2月25日 (水) 掲載

◎函館に開発拠点開設 クロス・コミュニケーション

 スマートフォン向けアプリ開発などを手掛けるIT企業「クロス・コミュニケーション」(本社・東京、富永晴次社長)は、新たな開発拠点となる「函館テクニカルセンター」を函館市末広町のエスイーシー(SEC)本社ビル内に開設した。業績拡大に伴う開発体制の強化が目的で、今後、市内での独立拠点開設やデータ分析業務の移管などを想定している。

 東証マザーズ上場の「クロス・マーケティンググループ」の連結子会社。金融、航空会社など、多くの大手企業を取引先に持ち、ウェブサイトやアプリ開発をはじめ、自社アンケートモニターに167万人の登録があり、さまざまなデータの調査・分析事業などを展開している。

 同社によると、業績が拡大する一方で、首都圏ではIT関連人材の確保が困難となっている背景があり、地方への生産拠点移行を検討。昨年4月からSECとの間で協業体制の構築を進めてきたほか、空路や新幹線の開業といった交通利便性、公立はこだて未来大学など高等教育機関の集積などを理由に函館への進出を決めた。

 既に社員ら約30人の規模で、一部の開発業務、端末検証業務などを函館で始めている。今後、コールセンター事業や各種データ関連の事業などを函館で進める方針。専門的な人材確保・育成に加え、一部事業は幅広い年代層の雇用も想定している。富永社長は「大学や地域の企業ともより良い関係をつくりたい。産学官の連携を進め、新たなビジネスを展開していく」と話している。(今井正一)



◎バトン5人 全国切符 PL北海道第三MBA 全日本選手権「踊り切る」

 函館市のバトントワーリングチーム「PL北海道第三MBA」の5選手が、3月27〜29日にさいたま市で開かれる全日本選手権大会に出場する。全国行きを決めた矢原有瑳さん、岸実里さん(ともに遺愛女子高3年)、小笠原結衣さん(白百合中3年)、宮川らなさん(七飯大沼中2年)、伊藤逷奈さん(函館亀田中2年)は、さらなる飛躍を目指して練習に励んでいる。

 5人は昨年12月に札幌で行われた全道大会で上位入賞を果たし、全国への切符を手に入れた。中学生の部では、スリーバトンで小笠原さんが優勝、ペアで宮川さんと伊藤さんが準優勝だった。高校の部はペアで矢原さんと岸さんが準優勝、矢原さんはソロトワールでも準優勝を飾った。

 小笠原さんは全道大会優勝という結果に満足することなく、集中力の持続を課題に練習しているといい、「全国でも相手を意識せず、自信を持って堂々とした演技をしたい」と意気込む。

 宮川さんと伊藤さんは久しぶりにペアを組んだというが、息の合った演技を武器に優勝を目指す。2人は「練習の成果を発揮し、悔いの残らないよう踊り切る」と声を弾ませた。

 高校生活最後の全国出場となる矢原さんと岸さんは、小学5年生のころからずっとペアを組んできた〝ベストパートナー〟。矢原さんは「プレッシャーに押しつぶされずに、これまでの集大成となる演技を見せたい」。岸さんも「自分たちらしい演技をすれば結果はついてくるはず。まずは練習あるのみ」と飛躍を誓う。

 同MBAの北村真琴監督は「練習を工夫しながら追い込みをかけている。今の良い流れをそのままに、本番では楽しく悔いの残らないよう踊ってほしい」と期待を込める。(蝦名達也)



◎函館バス、Jバス運行へ 新年度から

 函館市生活交通協議会(木村健一会長)が24日、市企業局で開かれた。新年度の市内バス路線再編案に関し、陣川あさひ町会が実施主体となって2012年から運行しているコミュニティーバス「Jバス」を、新年度から函館バス(森健二社長)が路線バスとして運行することが示された。

 Jバスは行政の補助金を受けず、生活の足を地域の町会が自ら確保する新たな試みとして、12年4月から運行。運営委員会を組織して函バスと運行委託契約を結び、3年間実証実験として運行を続けてきた。

 事務局の市企画部は「毎月1500〜1600人の安定した乗降があり、採算的にも合う状況」と説明。新年度からは「9—J系統」として平日に3往復、土・日・祝日に2往復運行し、均一運賃を導入するほか、乗り継ぎ割引やプリペイドカードも使えるようにする。小中学生の通学バスは引き続き同町会が貸し切りで運行し、9—J系統は赤川中学校方面への乗り入れを取りやめるなど、経路を一部変更する。

 路線廃止は50—2系統(東山墓園裏—昭和営業所)の1路線のみ。元町・ベイエリア周遊号など3路線で経路を変更する。

 ◇路線網再編計画 3案を詳細に検討

 会合では併せて、市内のバス路線網再編に向けた「生活交通ネットワーク計画」が示された。

 これまでに、幹線と支線をそれぞれ設定する「ゾーンバスシステム」の考え方に基づき、▽中心部と周辺で運行形態を分ける基本型▽市電とバスとの分担型▽市内を大きく循環する方式—の3案を提示。営業距離や1便当たりの乗車人員などで一長一短があることから、函バスが今後、再編に向けてバスの配車や運転手のシフトなど、各パターンで詳細な検討を行うとともに、市や同社が交通結節点の整備や停留所の上屋整備、ICカード導入などに取り組むとした。

 同計画は3月に成案化する見通し。新年度は法改正に伴い策定が必要となった「地域公共交通網形成計画」の策定に取り組み、国の補助を得ながら路線再編の実施計画をまとめることにしている。(千葉卓陽)


◎本年度最後 豪快に海へ 函館どつく進水式

 函館どつく(函館市弁天町)で24日、本年度最後の新造船「ベルゲ・ハコダテ」(2万1550㌧)の進水式が行われた。小雪が舞う中、大勢の見学客が船の雄姿を見守った。

 新造船はマーシャル諸島共和国の海運会社が発注した全長180㍍、幅30㍍のばら積貨物船。燃費性能を向上させたエコシップで、同社の親会社にあたる名村造船所(大阪)と共同で、昨年12月12日から同船の建造を進めてきた。完成・引き渡しは4月下旬の予定。

 この日は市民ら約130人が訪れ、豪快に海に滑り出す船の姿に歓声を上げていた。函館市内の酒井八重子さん(64)は「初めて見たけど、すごい迫力。色とりどりの風船が舞ってきれいでした」と話していた。

 同社は本年度、昨年度と同じ6隻を手掛けた。船籍別では、パナマ共和国が4隻、香港・リベリア共和国が各1隻。(山田大輔)