2015年2月27日 (金) 掲載

◎函工高電子機械科3年 全員ジュニアマイスターゴールド認定

 函館工業高校電子機械科を今春卒業する3年生40人全員が、在学中に資格や検定などに数多く合格した生徒に贈られる「ジュニアマイスターゴールド」に認定された。同校によると、クラス全員の認定は道内初の快挙。生徒たちは切磋琢磨(せっさたくま)した仲間に感謝し、笑顔と思い出の詰まった学びやを巣立つ。

 ジュニアマイスター顕彰制度は、全国工業高等学校長協会が主催。資格や検定、コンテストの入賞実績を点数化し、合計点数30点以上でシルバー、45点以上でゴールドが与えられる。

 ゴールドかつ上位8つの資格の合計点数が60点以上で認定される特別表彰にも同科の20人が輝き、同一クラスでの同表彰は同校で過去最多となった。

 3年間ホームルーム委員長を務めた西村絢佳さん(18)は「みんなで一緒に頑張ったからこそ得られた結果。うれしい」と顔をほころばせる。クラスの方針は「資格取得のために部活を一秒たりともおろそかにするな」で、生徒のほとんどが部活に所属し、中には全国大会に出場した生徒もいたが、部活終了後に講習を受け、資格取得を一つ一つ積み重ねてきた。勉強だけでなく、学校行事にも全力投球。体育文化大会、学校祭、陸上競技大会で3冠を獲得した。

 卒業後は、ほとんどの生徒が道外で新生活を始める。弘前大に進学する鈴木翔馬君(18)は「培った絆が途切れることはない。卒業後も辛いときは支え合いたい」と話し、愛知県の自動車メーカーに就職する中坂倖大(こうた)君(同)は「青春を謳歌(おうか)できた。函館に帰省したときにはみんなで集まりたい」と再会を誓った。道内企業に就職する西村さんは「楽しい思い出と笑顔をありがとう」と仲間と恩師に感謝した。

 担任の久保田哲也教諭(28)は「生徒の頑張りが実を結んだ。これを糧に、新天地でさらなる飛躍を」とエールを送った。  (稲船優香)



◎新幹線開業見据え 新商品ずらり 不二屋本店が観光商品見本市

 観光土産品の卸売や特産品の製造を手掛ける不二屋本店(函館市西桔梗町、名取明彦社長)は25、26日に「総合観光商品見本市」を函館総合卸センター流通ホール(西桔梗町)で開いた。会場には2016年3月の北海道新幹線開業をにらんで開発した新商品などが並び、来場者の注目を集めていた。

 市内の小売業者らを対象に、同社が取り扱う菓子、水産加工品などを一堂に展示する恒例の催事。54回目の今回は、約5000点の商品を並べた。

 新商品を紹介するコーナーには、サケ節や山ワサビを用いた松前漬など約20点がずらり。ガゴメコンブを使用したノンオイルドレッシングは、用意した野菜にかけて関係者に振る舞い、好評を得ていた。

 また、バタークッキーのパッケージには「ようこそ函館へ」という文字と合わせ、H5系北海道新幹線車両をデザインし、開業ムードを盛り上げる商品にした。名取社長は「新商品は海産物など〝函館らしさ〟にこだわった。お客様に喜んでもらえるような商品をこれからもどんどん開発していきたい」と話していた。(山田大輔)



◎市営競輪 ミッドナイト開催可能に 他場借りて実施

 函館市競輪事業部は、国内の他の競輪場を借り上げて行う「ミッドナイト競輪」を、新年度から開催可能とする方針だ。函館競輪場では冬季に開催できないため、他の競輪場を借りて開くことで売り上げ増加や累積赤字解消につなげる狙い。26日開会した市議会に関係条例の改正案を提案しており、可決されれば新年度下半期から開催可能となる。

 26日に開かれた市競輪運営協議会(今井敏博会長)で、同部が報告した。

 ミッドナイト競輪は午後9時以降、観客を入れず、電話やインターネット投票のみで開催する形式。他の競輪や公営競技と競合する可能性が低いという利点があり、全国では岡山県玉野市、山口県防府市、佐賀県武雄市、長崎県佐世保市が小倉競輪場(福岡県北九州市)を借りて行い、収支改善を図っている。

 市営競輪は本年度の売り上げが前年度比7・5%増と改善傾向にある一方、前年度までで5億7600万円の累積赤字を抱えている。市議会総務常任委員会は昨年12月、全国の他競輪場との連携やミッドナイト競輪実施を提言していた。

 開会中の定例市議会には、必要に応じて他場での開催を可能とする内容の条例改正を提案。新年度は4〜9月の日程がすでに決まっており、可決されれば早くても11月以降の開催となる。同部によると、小倉や青森など全国4競輪場で開催が可能だが「借りたい競輪場が空いていなければ行えない。日程調整が必要になる」としている。

 また、三上部長は協議会で「本年度も前年度並み(4700万円程度)の単年度黒字が出る見通し」と説明。新年度は4月16日から11月3日まで計55日間開催、205億円の売り上げを見込んでおり、8月21〜23日にサマーナイトフェスティバル(GⅡ)を5年ぶりに開くほか、函館記念(GⅢ)を10月31〜11月3日に開催する。このほか、16年度には北海道新幹線開業記念として、高松宮記念杯(GⅠ)か共同通信社杯(GⅡ)の開催を要望していることを明らかにした。 (千葉卓陽)


◎シンガポール訪問団出発 建国50周年記念し企画

 函館市とかかわりの深いシンガポールの建国50周年をお祝いする市民訪問団が26日、現地に向けて出発した。工藤寿樹市長をはじめとする公式訪問団と市民訪問団合わせて約140人が参加。27日夜に行われる同国最大のイベント「チンゲイパレード」の見学などが予定されている。

 函館とシンガポールの間では、同国政府観光局と函館国際観光コンベンション協会(渡邉兼一会長)が1992年に姉妹提携を締結。ツアーは市と同協会、函館シンガポール協会(松川仁会長)が企画した。

 函館空港で行われた出発式では全日空便で出発する約90人が参加。渡邉会長は「シンガポールとのさらなる交流を深めるツアーに多くの参加をいただき感謝している。函館との友好親善を深め、お祝いをしてきたい」とあいさつした。

 現地の滞在は3月1日まで。工藤市長、斉藤佐知子副議長らは26日夜に出発し、現地で合流する。市や両協会、函館商工会議所などで構成する公式訪問団は政府観光協会との昼食会、シンガポール航空への要請活動を予定。市経済部も現地で貿易販路拡大に向けたセールス活動を予定している。 (今井正一)