2015年2月6日 (金) 掲載

◎春節控え中華圏の集客期待、道南でも準備着々

 中華圏の旧正月「春節」(19日)を控え、道南でも台湾を中心に多くの外国人観光客の来訪が期待されている。JR函館支社は春節需要を見込み、5日に函館と大沼公園駅を結ぶ「臨時特急大沼号」の運行を開始。「第49回大沼函館雪と氷の祭典」(7、8日、大沼公園)、「函館海上冬花火」(11〜15日、函館港)など冬季イベントも予定され、受け入れの準備が着々と進んでいる。

 JRの臨時特急は3両編成で、28日まで毎日1往復する。同乗する中国語ガイドが周辺の見どころを紹介するほか、乗車証明書を発行する。昨年まではこの時期の臨時列車は「快速」での運行だったが、海外客に喜ばれるという「特急」に変更した。初日は上下線合わせて130人程度の利用だったが、同社は「春節前後には多くの利用が見込まれる」としている。

 雪と氷の祭典を控える大沼周辺では、連日、JRやツアーバスでインバウンド客が訪れている。大沼合同遊船が大沼湖上で実施しているウインターアクティビティーが人気で、台湾を中心に、中国本土や韓国からの客も増加傾向。同社は「連日、800〜1000人は大沼を訪れている。スノーモービルや島巡りそりツアー、ワカサギ釣りが人気。さっぽろ雪まつりも始まり、今年も多くの来訪が期待ができる」とする。

 函館市内では「函館海上冬花火」が11日から5日間連続で予定され、毎晩2000発の花火が冬の澄み切った夜空を彩る。駅前や西部地区などのイルミネーションと合わせて、冬の一大イベントとしたい考え。

 また、函館空港ビルデングは16日から、国際線ターミナルビルの天井から縁起ものの赤いちょうちんをぶら下げて歓迎ムードを盛り上げる予定だ。台湾・台北線のほかにも中国・天津線のチャーター便が運航されており、空港利用者は増加が見込まれている。同社は「例年通り中華圏の観光客に喜んでもらえれば」としている。(今井正一、松宮一郎)



◎本町防犯カメラ 今月中旬に稼働

 五稜郭商店街振興組合(中里好之理事長)は、本町の繁華街で防犯カメラの取り付け作業を進めている。5日には地下歩道に設置。地上にも順次取り付ける計画で、今月中旬の稼働を予定している。

 同組合は2年ほど前から防犯カメラ設置の検討を開始。函館中央署と協議を重ねて、設置場所を決めた。事業費は約2000万円。商店街まちづくり事業に採択され、国が3分の2を補助する。

 カメラは全部で18台。設置場所は本町交差点を中心にメーンストリートの行啓通り、一本入った飲食店が軒を並べる通り。防犯、治安の向上を図る上で重要な地下歩道も加えた。

 商店街が独自に設置するのは大門地区の函館都心商店街振興組合に次いで2例目。運用に関しては大門地区と同様に、警察と協定を締結する考え。犯罪発生時、警察から要請があった場合にのみ映像を提供し、歩行者のプライバシーには配慮する。

 中里理事長は「まちの安全、安心が一番。地域住民はもちろん、北海道新幹線開業で増加が見込まれる観光客に安心して本町・五稜郭地区に来てもらえるようなまちづくりを進めたい」と話している。(松宮一郎)



◎道南の旬の食材たっぷり、あぐりへい屋あすから「冬の鍋まつり」

 【北斗】JA新はこだて(畠山良一組合長)は7日から、ファーマーズマーケット「あぐりへい屋」(北斗市東前62)で、4週にわたって土・日曜限定のイベント「冬の鍋まつり」を開催する。ゴッコ(ホテイウオ)など道南の旬の食材をたっぷり使った鍋を販売するのが特徴で、同JAは「郷土料理の良さを伝えたい」と意気込んでいる。

 道南の家庭でよく食べられる鍋物料理に着目、利用客が落ち込む冬季対策として取り組んで3回目。毎年多くの市民や観光客でにぎわう。

 メニューは7、8日がゴッコ汁、14、15日が初登場のいも団子汁、21、22日が三平汁、28日、3月1日が知内カキニラ鍋。どれも新鮮な食材を店内で調理して提供。カキニラ鍋の日は上磯郡漁協の協力を得て冷凍カキも販売する。

 各日とも限定100人、1杯100円。午前10時半からで、なくなり次第終了。

 同JA大野基幹支店の田山光幸営農センター長は「1月のレジ通過者は前年並みの3000人だったが、イベント効果でさらにてこ入れを図る。家庭ではなかなか作らなくなったとの声もあり、郷土料理を楽しめる場所を提供したい」と話す。問い合わせは同店(TEL0138・77・7779)へ。(山崎大和)


◎函教大生の卒業作品「見て」

 道教育大函館校情報科学専攻情報デザイン分野の卒業制作作品などを展示する「デザイン・アート展」が5日、同大(八幡町1)多目的ホールで始まった。毎年市芸術ホールで開催していたが、ことしは会場を同大に移して行っている。7日まで。

 例年に比べて規模は縮小したものの、4年間の総仕上げとなる力作などが勢ぞろいして来場者の目を楽しませている。展示会には4年生5人の卒業制作作品ほか、3年生5人、2年生7人の油絵約30点も並ぶ。

 平澤由來さん(21)=4年=は、函館の観光スポットを個性豊かなデザインでPR。赤鬼と青鬼が温泉を探して街を駆け巡るストーリーで、妖怪絵巻調の作品だ。また、葬式のプランニングができる葬儀屋のホームページの提案、使いやすく見た目もかわいい消臭剤のパッケージデザイン、函館バスのウェブサイトをリデザインした改善案、兵庫県多可町にある「まちの駅」の知名度を上げる高齢者向けサービスのアイデアなども並んでいる。

 平澤さん、森田雄大さん(23)=同=、金谷真之介さん(23)=同=、横山里奈さん(22)=同=は「学生だけでなく、ぜひ一般のご来場者にも見てほしい」と呼び掛けている。入場無料。午前9時〜午後6時(最終日は同5時)。(斎藤彩伽)