2015年3月1日 (日) 掲載

◎ドンコ料理堪能…煮付けなどに挑戦

 ドンコ(エゾイソアイナメ)を使った料理教室(函館農水産物ブランド推進協議会主催)が2月28日、市総合保健センターで開かれた。男性3人を含む30人が旬の魚のおいしい食べ方を学んだ。

 函館産農水産物の消費拡大に向けて開催、本年度6回目(最終)。ドンコは1〜3月が漁期で、戸井地区が好漁場。主に東北に出荷されており、戸井以外の市民が食べる機会は少ない。どんな料理にも合い、特に肝が絶品とされる。

 戸井漁協女性部の室谷久恵部長ら6人が講師となり、煮付け、すり身汁、フライの3品に挑戦。おろし方の実演後、6班に分かれて調理した。

 参加者は包丁で3枚おろしの作業を手際よく進め、各料理を仕上げていった。函館市美原の主婦樋浦美奈さん(39)は「ドンコは名前すら聞いたことがなかったので、どんな料理ができるのか興味があった。とても勉強になる」と話した。出来上がった料理を全員で堪能し、ドンコへの理解を深めた。(山崎大和)



◎本町地下道を改修…函館市新年度

 函館建設管理部は新年度、老朽化が目立つ函館市本町の交差点地下横断歩道の本格改修に着手する。現在工事が行われている再開発ビルや北海道新幹線の開業を見据えており、内部の展示デザインも一新する。

 改修工事は2015、16年度の2カ年を予定しており、総事業費は約9000万円。

 同交差点のある本町地域は、函館市の中心市街地活性化基本計画の域内で、北海道新幹線開業で人通りの増加も想定されることから、にぎわいの創出も狙った改修を図る。内部壁面に五稜郭の歴史をたどる写真パネルやゆかりの物を展示することも考えている。現在、旧グルメシティ跡地に築造中の複合ビルとも接続する。

 工事は歩道を閉鎖せずに行い、メーンの通路部分は新幹線開業に間に合うよう15年度中に完成させる。

 同交差点は車の通行量が多く、市電も通過することから信号の待ち時間が長いため、1973年に地下横断歩道を設けた。長さ91㍍、内部の歩道の幅は5〜5・3㍍。設置から42年が経過し、漏水や壁面の腐食などが目立ち、改修を望む声が上がっていた。

 改修のコンセプトやデザイン案については有識者の助言を得て進める。同部は「新幹線開業に向け、観光客にも情報発信していくような改修を進めていきたい」としている。(鈴木 潤)



◎流山温泉 13年の営業に幕

 【七飯】流山温泉(町東大沼294)が2月28日、多くの人に惜しまれながら約13年間の営業に幕を閉じた。地元住民をはじめ大勢の人が駆け付け、温泉を満喫し名残を惜しんだ。改行 2002年4月に開業。現在は日帰りの温泉やキャンプ場、パークゴルフ場のほか、同温泉に隣接する農業生産法人「流山」(宮本秀樹社長)が運営する大沼流山牧場などが営業を続けていた。

 JRが2月12日、北海道新幹線開業に合わせて、JR函館線流山温泉駅周辺の観光施設を整備することを発表。それに伴い2月いっぱいで同施設の営業終了が決まった。営業を終了するのは流山温泉(日帰り温泉施設)、パークゴルフ場、スポーツ広場、キャンプ場、ネイチャーイン(簡易宿泊施設)。なお、彫刻公園ストーンクレージーの森は継続する。

 同温泉を訪れた七飯町軍川で酪農を営む男性(85)は「すぐそばに住んでいるので、毎日のように温泉につかりに来ていた。今日で最後になるのは寂しい」と営業終了を惜しみながら、「できればこれからも温泉を継続してほしい」と期待する。

 今後はJR北海道と北洋銀行の出資による新会社「どさんこミュゼ」(宮本英樹社長)が運営を引き継ぐ。計画では同温泉をカフェテリアやレストランに改修。また、同牧場で飼育している北海道和種馬「ドサンコ」などを活用した乗馬体験やホースセラピーを体験できる牧場をつくる。一部施設を今年10月にプレオープンさせ、道新幹線が開業する来年3月に全面開業する予定。(野口賢清)


◎本格運行に住民安堵…「Jバス」新年度から函バス路線

 陣川あさひ町会(高橋実会長)が2012年から実証実験として運行してきた「Jバス」について2月28日、同町会と函館バス、函館市の共同会見が開かれた。新年度からは函バスの「9—J系統」として本格運行が決まり、町会関係者は「地域住民の念願が叶った」と安堵(あんど)の表情を浮かべながら、新年度以降もバス運行を支援していく考えを示した。

 Jバスは公共交通が不便な陣川地区から、商業施設が集積する美原・昭和地区を結ぶ独自路線を設けようと、地域住民が運営委員会(上野山隆一代表)を組織して函バスと運行委託契約を締結。行政の補助を受けずに自主財源で運営する形態で、2012年4月に運行を開始した。利用実態に合わせて運行形態を変えながら3年間実証実験を続け、月間1500〜1600人と一定の利用客を維持してきたことで路線化につながった。

 会見で高橋会長(61)は「試行錯誤を繰り返しながら運営してきた町会にとって大変喜ばしい。路線化を目標達成とせず、存続に向けて市や函バス、地域住民の協力を得てまい進したい」と述べた。

 これまでは町会がバスを貸し切る形態だったため、Jバス専用の利用券や回数券での乗車に限られていたが、路線化に伴って大人210円、子ども110円の均一料金とし、乗り継ぎ割引や市の高齢者交通料金助成なども適用される。

 函館バスは今後、美原地区での乗り換えで行ける主要施設を周知し、利用促進を図る。金岩祐也バス事業部管理課長(35)は「利便性をPRして新たな需要を開拓し、路線を維持したい」。上野山代表(50)は「苦労の連続だったが、町会や市、函バスの協力を得て乗り切れた。3年間よく続いた」と振り返り、「路線化により現金が使えるので、利用者が伸びるのでは。これからも見直すものを見直しながら、後方支援に努めたい」と話していた。(千葉卓陽)