2015年3月13日 (金) 掲載

◎栄好堂美原店で「純喫茶ねこ」複製原画展

 函館を舞台とした漫画「純喫茶ねこ」(幻冬舎コミックス)が、地元を中心に人気を集めている。全国書店の中で累計販売数が2位という栄好堂美原店(石井明子店長、函館市美原3)では、最新刊3巻の発売を記念した複製原画展を開催している。

 「純喫茶ねこ」は2012年から「月刊コミックバーズ」で連載中。大学受験に失敗した京都出身で、とある能力を持つ主人公と愛猫が、ひょんなことからネコのたくさんいる函館の純喫茶でアルバイトをする日々の物語。

 家業の純喫茶を守る美形の3兄弟と個性豊かなネコたち、癖のある来客や近隣住民が次々に登場。コーヒーに関する詳しい知識もあり、温かみあるストーリー展開やアニメ調の読みやすい画風で読者を魅了している。1、2巻累計で10万部を発行している。

 著者は「D・N・ANGEL」「1001(ナイツ)」などの代表作がある杉崎ゆきるさん。「函館好き」が高じて作品制作にとりかかったといい、モデルになった純喫茶の雰囲気や美しい街並みも堪能できる。改行 原画展には幻冬舎コミックスも協力し、貴重な複製原画など約30点が並ぶ。作品の世界観を表現したディスプレイも楽しめる。担当の佐藤啓太さんは「複製原画展を通し、多くの人に作品を知っていただければうれしい。ぜひお買い求めください」と来店を呼び掛けている。

 また、15日には、僅少だが杉崎さんの直筆サイン入り本をレジで販売する。問い合わせは、同店(TEL0138・47・8800)へ。(斎藤彩伽)



◎「ペシェ・ミニョン」アジアへ販路拡大

 函館の洋菓子製造業「ペシェ・ミニョン」(中沢美樹社長)が2013年にシンガポールに設立した現地法人「ペシェ・ミニョン・アジア」(大平賢社長)が積極的な事業拡大を進めている。中心街や空港、リゾート地近くのショッピングセンター(SC)内に「ペイストリースナッフルス」の直営3店舗を設け、日系百貨店の催事にも切れ間なく参加。タイやマレーシアなどへの販路も開拓中だ。大平社長は「若い女性層を中心に喜ばれている。アジアを代表するお土産品を目指している」としている。

 同法人は13年9月に、中心部で地下鉄駅とも直結するSC「プラザ・シンガプーラ」に1号店を開店。地下2階の店舗正面にはエスカレーターがあり、週末を中心に多くの人が行き交う場所だ。

 看板商品「チーズオムレット」(現地名「キャッチケーキ」)は、函館で製造した製品を急速冷凍し、苫小牧経由で1カ月平均1コンテナ(8個入り×1万箱)を輸出。大平社長は「冷蔵解凍することで函館で扱う商品と味や食感に変わりはない」とし、現地向けには限定の抹茶味などもある。

 多店舗展開は開設当初からの想定だが、14年2月にリー・シェンロン首相夫妻主催の旧正月(春節)のパーティーでの土産品に採用され、一気に認知度が向上したという。大平社長は「スタッフのサービス力向上に専念しようと宣伝は控えていた時期で、政府関係者に使用してもらったことは大きかった」と話す。

 現在、空港や観光リゾート地近くのSC内店舗の3店舗のアルバイトを含めた従業員数は設立当初の13人から55人に増え、当初目標の年間2億円の売り上げも達成する見通しだ。今後、タイや台湾、マレーシアでの販売計画を進めており、大平社長は「いずれはカフェ形態の『ペシェ・ミニョン』の店舗展開も考えている」と話していた。(今井正一)



◎管内12駅に記念スタンプ JR支社開業PR

 1年後に迫る北海道新幹線開業に向けて機運を盛り上げていこうと、JR北海道函館支社は28日から、管内12の駅に記念スタンプを設置する。同時にスタンプラリーも開催し、地域住民や観光客に楽しんでもらいながら、開業をアピールする。

 スタンプを設置するのは函館駅や五稜郭駅、木古内駅など管内の駅員が常駐する12の駅。スタンプの絵は駅ごとに異なり、列車と駅舎、その地域の名所や名物、特産品がデザインされている。函館駅はスーパー北斗と函館山の夜景、木古内駅はみそぎ祭りの様子、大沼公園駅は大沼と駒ヶ岳を絵柄にした。また、「物語がはじまる、北海道新幹線」という同社のコピーも添え、開業をPRする。

 同日から5月6日までスタンプラリーも行う。スタンプを6個以上集めて応募するAコースは、H5系オリジナルグッズセットや記念入場券セット、道南特産品詰め合わせが抽選で当たる。9個以上のBコースは、新幹線を使って仙台や盛岡、八戸を往復できる切符、旅行券、市内ホテルペア宿泊券など。

 同社は「『はこだて旅するパスポート』など道南エリアを周遊できる便利な切符を使って各駅を回ってもらえれば」としている。台紙は設置駅で配布。各駅にある応募箱に投函する。詳細はホームページ(http://jr.hakodate.jp/)に掲載している。(松宮一郎)

 スタンプ設置駅は次の通り。

 函館駅、五稜郭駅、桔梗駅、七飯駅、大沼駅、大沼公園駅、森駅、八雲駅、長万部駅、七重浜駅、上磯駅、木古内駅


◎立野さんが最優秀賞 メークイン創作料理コンテスト

 【厚沢部】厚沢部発祥で桧山南部特産のジャガイモ・メークインの創作料理コンテスト「HIYAMA P(ポテト)1 グランプリ」最終審査会が12日、町内であり、今金町の公務員立野正純(まさひろ)さん(35)の作品が最優秀賞に輝いた。ロシア料理のピロシキ風のメニューで「ダントツでうまい。イモの味もばっちり」と高く評価された。

 桧山南部近隣の関係機関でつくる実行委の主催で、昨年に続き2回目の開催。遠方は横浜市など全国の21人から計32作品が寄せられ、書類で10点を厳選。桧山南部食用馬鈴薯生産者組合の外崎明組合長(51)が審査委員長を務め、地域食としての特性や創作性、見た目、おいしさなどを審査項目に試食した。調理には厚沢部町食生活改善協議会が協力した。

 立野さんの作品は、電子レンジで加熱したメークインを裏ごしし、バターとハチミツ、牛乳などを加えた〝いもあん〟でチーズをくるみ、食パンにはさんで150度の低温の油で揚げたもの。冷えてもサックリとした食感に「イモとチーズの風味がいい。片手で持って食べられるところもいい」と人気だった。

 このほか、北見市の男子児童(10)のイモグラタン風の焼きカレーと、函館市の女性(50)のイモを織り交ぜた白玉団子などのアイスデザートが上位に入った。

 外崎委員長(51)は「レベルの高い作品ばかりで、多くの応募に感謝したい。メークインのPR強化や給食など食育に生かすことができれば」と話していた。実行委は上位作品を道の駅や各種催事で並べたい考えで、企画を詰めるという。(田中陽介)