2015年3月14日 (土) 掲載

◎さようなら「北斗星」、定期運転終了

 鉄道旅行の象徴的な存在として親しまれている青い客車「ブルートレイン」最後の寝台特急「北斗星」が13日、定期運転の最終日となった。同日夜には函館駅で行う機関車の交換や出発する様子を見ようと、約100人の鉄道ファンらが訪れた。

 同列車は1988年、青函トンネルを通り上野—札幌間を結んだ。ホテル並みの個室寝台や、豪華な料理が味わえる食堂車などで人気を集めた。車体の老朽化や2016年3月の北海道新幹線開業に伴う試験走行の影響などで定期運転が廃止される。

 この日は定刻で函館駅に到着。乗客もホームに出て札幌からけん引してきたディーゼル機関車が外されるシーンを見守っていた。函館市本通の会社員、本木清明さん(44)は「旅行や出張で何度も乗った。あと数カ月で見られなくなるのは信じられない」と感慨深げに発車する列車を撮影していた。

 4月からは週約3往復の臨時列車となる。最終運転日は、上野発が8月21日、札幌発が同22日。(山崎純一)



◎ふっくりんこも新幹線開業PR、米袋12年ぶり一新

 2016年3月の北海道新幹線開業に向け、コメ卸売業の函館米穀(石上嘉孝社長)が主力商品「ふっくりんこ」の米袋をリニューアルした。1年を切った道新幹線の開業をPRするとともに、食味ランキングで最高の「特A」を獲得した道南ブランド米の生産者を応援する狙い。観光客の土産需要を狙って2㌔入りの新商品も開発。23日から店頭に並ぶ。

 ふっくりんこがデビューした2003年から扱っており、米袋の変更は12年ぶり。道とのタイアップ事業として道新幹線で使用されるH5系車両、PRキャラクター「どこでもユキちゃん」をパッケージにデザイン。停車駅の新函館北斗、木古内、奥津軽いまべつを地図上に示し、車両上部と同色の鮮やかな「常盤グリーン」を採用した。ホクレンが作製した特Aシールも張る。

 5㌔、2㌔入りの2種類で、2㌔は保存に便利なチャック付スタンディング包装。開業までの1年間限定で、開業後はデザインの変更を検討する。通常の流通ルートに加え、JR函館駅や函館空港にも土産品としても置いてもらえるように要請する。今後、新幹線でつながる青森への販路開拓にも力を注ぐという。「(14年産の米価下落で)消費者は関東の安いコメに流れる傾向にある。今回特Aの評価をもらったので、多くの人においしいコメだと知ってほしい」と同社。

 同社が扱うふっくりんこは年間1000㌧に上り、新はこだて、函館市亀田、今金町の3JAでつくる生産者組織「函館育ちふっくりんこ蔵部(くらぶ)」の米を使用。山田幸裕取締役米穀販売事業部長は「道南の農家のため、道新幹線の応援を兼ねて発売するので、ぜひ消費者に手に取ってもらえれば」と話す。(山崎大和)



◎ふっくりんこ、玄米茶に変身…商品化目指し品評会

 【北斗】道南ブランド米「ふっくりんこ」の玄米を使ったオリジナル玄米茶の開発が、JA新はこだてや北斗市内の食品卸売業者「ライス・ハートフーズ」(吉川幹夫社長)などが中心となって進められている。13日は、北斗市役所で試作品の品評会が初めて行われ、市職員ら約60人が試飲した。今後、さらに改良を進め、5月に行われる市の桜イベント「桜回廊」に合わせて商品化を目指す。

 2016年3月の北海道新幹線開業に向けて、地元の素材を使った特産品を開発したいと、市観光課や市観光協会、同JA、同社などが協議し、ふっくりんこの玄米茶開発に挑戦。同社のネットワークを通じて全国一の茶産地、静岡から玄米茶に適した茶葉を仕入れ、ふっくりんこの食味を生かした試作を重ねてきた。

 品評会では、茶葉と玄米のブレンド比が異なる5種類を用意。市販品も合わせて6種類で味比べをした。参加した職員はそれぞれを飲み比べ、苦みや渋み、甘み、香りなどの評価をシートに書き込んでいた。

 それぞれ「飲みやすい」「苦味がほしい」など率直に意見を出し合い、池田貴史さん(39)は「どれもおいしかった。地元のお茶なので販売されたら買って応援したい」と話した。

 市内東前の農産物直売所「あぐりへい屋」でも4月中をめどに試飲コーナーを設け、さらにニーズ調査をして〝北斗の味〟を絞り込んでいく。

 吉川社長は「ふっくりんこの味を出すことにこだわって開発している。北海道新幹線開業に向け、ふっくりんこを発信したい」、JA新はこだての田山光幸営農センター長は「子どもから高齢者まで親しまれるお茶にしたい」と意気込みを話した。(鈴木 潤)


◎開業1年前 歌って盛り上げ

 1年後に迫った北海道新幹線開業を盛り上げようと、同新幹線応援隊キャプテンの歌手、暁月めぐみさんのコンサートが13日夜、函館市美原の渡島合同庁舎で開かれた。来場者約170人が開業に思いをはせながら暁月さんの歌声を楽しんだ。

 道は今月20〜29日を開業1年前ウイークと位置付けており、コンサートはプレイベントとして渡島総合振興局が企画した。

 暁月さんはオリジナル曲の「ふるさとになりたい」をはじめ、「望郷じょんがら」「また君に恋してる」など8曲を熱唱。中ほどでは、北海道新幹線PRキャラクター「どこでもユキちゃん」のイメージソングを披露し、新幹線沿線自治体のゆるキャラも一緒に登場した。

 コンサートの前にはゆるキャラの交流の場も設けられた。

 渡島総合振興局の宮内孝局長は「開業まで1年、さらに盛り上げていきたい」と話していた。(鈴木 潤)