2015年3月18日 (水) 掲載

◎函水高実習船が帰港…海保・警察が立ち入り調査

 米ハワイ沖で実習中に行方不明になった函館水産高校機関工学科2年の男子生徒(16)が乗船していた道の実習船「北鳳(ほくほう)丸」が17日、函館市万代町の万代埠頭(ふとう)に帰還した。着岸後に海保職員や警察官計約35人が立ち入り調査を行い、生徒が行方不明になった当時の状況などを調べた。

 北鳳丸は1月23日に函館港を出港。現地時間の2月17日午前6時35分ごろ、点呼を取った際に、生徒がいないことに気付いた。生徒は同16日午後9時から17日午前0時まで船内の確認などをする当直業務に当たり、当直を終えた4分後に男子生徒がデッキに出る姿が船内のカメラで確認されている。また、生徒が行方不明になった時間帯に出入口に設置している夜間監視装置(センサー)の電源を入れていなかったことも分かっている。同乗していた実習生38人は2月25日にホノルルから空路で帰国している。

 北鳳丸は午前8時半ごろに着岸。税関などの手続き終えた後、同10時すぎに乗組員26人が乗ったまま、函館海上保安部の職員や函館中央署、道警函館方面本部の警察官が船内に立ち入った。

 函館海上保安部によると、立ち入り調査は午後2時40分ごろまで行われ、職員がデッキから海をのぞき込んだり、カメラの位置をチェックしたりした。このほか生徒の映像やセンサーなどを確認。今後は乗員や生徒から聴き取りを中心に調査を行う方針。

 取材に応じた澤田成彦船長は「安全運航を行うべき船長として、事故が発生したことに責任を痛感している。センサーでの安全管理が的確に行われていれば、生徒が船外に出たときに早期に発見することが可能だったのではなかったのかと思う。大変申し訳ない」と謝罪した。道教委職員らと出迎えた三ツ石茂之校長は「現在も生徒の手掛かりがなく残念に思う。他県の船とともに捜索してくれたことには感謝している」と話していた。



◎羊出産ラッシュ

 道南の羊飼家で羊の出産が本格化している。羊舎内では、生まれて間もない赤ちゃん羊が母羊に甘えたり、乳を飲んだりする姿が見られる。

 七飯町東大沼で「サフォーク種」を中心に約100頭を飼育する繁田誠さん(34)は、昨秋に交配した35頭の羊の出産がピークを迎えた。約60頭が生まれる予定で、連日、羊舎に泊まり込んでお産の対応にあたっている。

 分娩(ぶんべん)後2〜3日は、小さな仕切りの中で母親とともに過ごす。親子関係が芽生え、健康状態をチェックしやすいためだ。草が芽吹くころになると、放牧されて元気に駆け回る。

 繁田さんは「サフォーク種の平均産子数は1・8頭で、今年はいい確率で双子が生まれている。事故や病気など産後のトラブルに気を付けている」と話す。出産は4月中旬まで続く。(山崎大和)



◎定数30に33人出馬へ…函館市議選告示まで1カ月

 任期満了に伴う函館市議選(定数30、4月19日告示、26日投開票)は告示まで1カ月となった。17日現在、現職29人のうち1人が引退、2人が道議選に転じ、26人が再選を目指して出馬を予定。これに加えて元職1人、新人6人の出馬が固まり、計33人が出馬する見通し。大半の陣営は本番に向け、事務所開きなどの活動を加速させている。

 市議選は2011年の前回改選時に、定数が38から30に削減。旧4町村地域に設けられていた各定数1の選挙区も廃止されている。

 今期限りで引退するのは無所属の出村勝彦氏(76)のみ。出村氏の長女でデイサービス経営の出村ゆかり氏(49)が後継として無所属で出馬し、15日に事務所開きを済ませた。

 道議選函館市区に転じる民主党の見付宗弥氏(45)の後継には、逢坂誠二衆院議員秘書の島昌之氏(63)が出馬、14日に事務所開きを行った。民主は島氏以外の新人候補擁立を断念しており、民主系は現職7人と島氏との8人で臨む。共産党から同じく道議選に転じる本間勝美氏(46)の後継には、党函館地区生活相談室長の中嶋美樹氏(51)を擁立。2月8日に本間氏と同じ場所に事務所を設けた。

 新人はこのほか、市民団体代表の荒木明美氏(41)が前回に続いて無所属で出馬。市内の居宅介護支援事業所に勤務する丸山崇氏(41)も無所属で出馬、美原地区での事務所開設を予定している。

 南茅部地区では2004年の合併時に市議を務めた遠山俊一氏(66)が無所属で出馬し、地域ぐるみで準備を進めている。また、自動車整備工場経営の山口勝彦氏(60)も保守系無所属として出馬。13日に事務所開きを行い、石川、北美原、桔梗地域での票獲得を目指すとしている。

 一方、2月27日の候補予定者説明会に出席した黒田絵理子氏(32)は出馬取りやめを決め、17日に市選管に伝えた。  市議選は同時に行われる市長選が無投票の公算が強まっていることに伴い、投票率が低下するとの見方が強まっている。また前回同様に、現職を中心に宣伝カーを使う時間を短縮する動きも出ている。(統一地方選取材班)


◎大間反対 署名14万6076人…市町連 25日経産省に提出

 函館市の183町会でつくる函館市町会連合会(新谷則会長)が大間原発(青森県大間町)の建設凍結を求めて集めていた署名は、17日までに14万6076人分が集まった。

 町連が直接集めた約9万6000人分に加え、市内の団体や道町内会連合会、本州の個人からも署名が届いた。町連では20日に工藤寿樹市長に報告。25日に上京して経産省へ署名と総括表を提出し、電源開発本社には建設差し止めを求める予定だ。

 町連では昨年12月15日から署名活動を実施し、街頭に加えて町会の回覧板などを通じて1月末まで続けてきた。また、市内の漁協や医師会などの団体へも署名の協力を呼び掛けてきた。恵庭市や七飯町など道内の57町内会から同事務局に署名が送られてきたほか、東京や千葉など個人からも署名が届いた。

 新谷会長は「道内外から多くの署名が集まり、大変力強く思っている。活動への協力に感謝し、市民の総意を経産省と電源開発に訴えていきたい」と話している。(能代俊貴)