2015年3月23日 (月) 掲載

◎新幹線ウイーク 各地でイベント

 2016年3月の北海道新幹線開業に向け、道が定めた「北海道新幹線開業1年前ウイーク」(20〜29日)のセレモニーやイベントが22日、北斗市の新函館北斗駅と函館市の五稜郭タワーアトリウムで開かれた。新函館北斗駅ホームで行われた「北海道新幹線1年前ウイーク新函館北斗セレモニー」には、高橋はるみ知事、JR北海道の島田修社長、高谷寿峰北斗市長らが出席。1年後の開業に向けた準備状況や、開業効果への期待を述べた。

 ホームには公募で選ばれた北斗市民約100人も参加。札幌で活動するバンド、ザ・トンアップ・モーターズの歌で幕開け。続いて今月1日に本年度の走行試験を終えた営業車両「H5系」が特別に入線。緩やかな流線形が特徴の先頭車両が姿を表すと、子どもから大人まで歓声を上げていた。

 あいさつで高橋知事は「新幹線が開業すれば、この地が道内と本州を結ぶ拠点になる。開業機運の高まりを全道に広げたい」。島田社長は「走行試験は予定通り進んでいる。開業を楽しみにしてほしい」。高谷市長は「(着工に向け尽力してくれた)先人の労苦に応えるためにも、あと1年かけてしっかり準備をしたい」とそれぞれ述べた。

 参加者は記念撮影や、再び演奏したザ・トンアップ・モーターズの歌を楽しんだ。向野の主婦竹田寛子さん(67)は「初めて新幹線を見た。孫が4月から仙台の大学に進むので、来年はこの車両に乗って会いに行ける。大勢の人で北斗市がにぎわってほしい」と期待を話し、セレモニー終了後に出線するH5系を見送っていた。



◎ロゴマーク決定 道南いさりび鉄道

 江差線(五稜郭−木古内間)の列車運行を引き継ぐ第三セクター「道南いさりび鉄道」(社長・荒川裕生道副知事)は、五稜郭タワーアトリウムのステージで同社のロゴマークを発表した。

 地元のデザイナーに制作してもらおうと、同社と公立はこだて未来大学、函館デザイン協議会の共同ワークで制作。同協議会が立案した約60のデザインから、同会会員と同大大学院の木村健一教授が6つに絞り、その中から決定。同協議会の岡田暁会長(41)らがロゴマークが書かれたボードを序幕した。

 デザインは木古内駅から五稜郭駅に向かう際、海沿いを走る車窓に広がる津軽海峡や函館の雄大な景色をモチーフにした。レールの英語(Rail)の「R」にも見える青い海と、社名にある「いさりび」を温かみのある色で表現。鉄道が人をつなぎ、地域とともに力強く未来へ伸びていく思いを込めている。

 岡田会長は「何度も車窓から景色を眺めて考案した。見る人がいろんなイメージを持ってくれると思う」と話した。



◎日ハム稲葉SCOトークショー 新幹線開業1年前「わくわく」

 昨年限りで現役を引退し、今年から北海道日本ハムファイターズのスポーツ・コミュニティ・オフィサー(SCO=スポーツや文化振興の責任者)に就任した稲葉篤紀さんが22日、五稜郭タワーで開かれた北海道応援スペシャルトークショーに出演し、道新幹線開業や今季のファイターズへ期待を語った。

 トークショーは北海道新幹線開業1年前イベントin函館・五稜郭(道主催)の一環。稲葉さんは「引退後もこのようなイベントで函館に来ることができうれしい。新幹線開業が1年後に迫り、わくわくしている。」と話した。

 ヤクルトスワローズ時代は東京から広島まで新幹線で移動。「新幹線は静かで快適。駅から宿泊先への距離も短い。飛行機は空港からの移動が大変」とし、ファイターズの選手は飛行機移動が多く「道新幹線ができることで移動が楽になり、ありがたい」と笑顔。

 七飯町出身の鍵谷陽平投手について「いい顔している。調子が良い証拠」と活躍に期待を込めた。今年の函館でのファイターズの試合(6月30日、対オリックス)について「地方で2試合はやりたい。球団に相談してみます」と話すと来場者から拍手が起こった。今季のファイターズについて「3位には入る。皆さんの応援で勝たせてほしい」と後押しを求めた。


◎幼稚園などで一時預かり事業 新年度から

 函館市は新年度から、主に0〜2歳の非在籍園児を対象とする「一時預かり事業(一般型)」を市内の幼稚園や認定こども園で始める。保護者が働いている間や冠婚葬祭などで子どもの面倒を見られない時に、幼稚園などの施設職員が子どもを一時的に預かる。現時点で市内計22園のうち、17園ほどが事業実施の意向を示しており、子どもと保護者の生活を支援する事業として期待される。

 同事業は国が新年度から進める「子ども・子育て支援新制度」に盛り込まれている支援事業の一つで、各自治体が計画を策定し、事業所への委託事業として実施。これまで幼稚園での預かりは在籍園児のみが対象だったが、子どもを産み、育てやすい地域づくりを目的に非在籍園児も対象とした。

 新制度移行に伴う預かり事業では、各事業所に保育士か保育士資格を持つ専任の職員を1人配置し、子どもの年齢や人数によって事業所スタッフも援助する。預かり時間は、平日は閉園後から約4時間。休日および長期休暇中は、午前10時から午後6時ほどになる見通し。利用料も市内の認可保育所で行われている預かり保育の料金と同額(1日当たり1800円)程度とする考えだ。

 市は現在、具体的な運営方法などについて事業所と協議を進めているといい、「事業が浸透していけば今後実施する事業所数も増えるのでは」(市子ども未来部)とみている。また、市の委託事業所である「ファミリー・サポート・センター」が会員制の預かり事業を実施していることを踏まえ、「幼稚園での預かり事業をはじめ、自分の生活スタイルに合わせて上手にサービスを利用してもらいたい」としている。(蝦名達也)