2015年3月27日 (金) 掲載

◎亡き父思いグラウンドへ…大関さん 今年のファイターズガールに

 27日に今シーズンのプロ野球が開幕する。V奪回に向かう北海道日本ハムファイターズをファンとともに応援し、チームを盛り上げる「ファイターズガール」に今年、函館出身の大関凪(なぎ)さんが選ばれた。野球好きで1年半前に急死した父、敦士さん(享年48歳)の思いも背負い、グラウンドなどで躍動する。「現メンバーで道南出身は私のみ。球場ばかりでなく地元も、北海道も盛り上げたい」と笑顔にあふれている。改行 大関さんは子どものころからダンスに興味を持ち、チアリーディング部がある市内の高校へ進学。高校野球の支部大会も応援し、選手を元気づけた。部活を引退後、踊る機会がなくなったことで「あらためて自分がダンスが好きで、表現者になりたいことが分かった」と振り返る。

 在学中、大手レコード会社などを展開するエイベックスの「アイドル・ストリート生」として、札幌を拠点に活動するグループに所属。アイドルとしてソロとなり、コンサート活動やバラエティー番組出演を目指していた。敦士さんは札幌まで送迎するなどして後押しし、市内のダンススタジオも特別レッスンに協力した。だが、本人の一身上の都合でストリート生は約10カ月でピリオドを打った。

 それから約半年後、敦士さんは突然の病で亡くなった。

 高校卒業後、表現活動を目指す中でファイターズガールを選んだ。「ただ自分の情感を伝えるばかりでなく、野球が大好きだった亡き父の思いも一緒にして、強い気持ちでできる場所と思った」。敦士さんは小学生から野球を続けていたという。「(選んだ)最大の理由は父の死です」と気丈に語る。

 オーディションには205人がエントリー。ダンスや会話力が問われたが「ダンスは予想以上にハードルが高く、合格は厳しいと思った」と話すも、基礎練習を徹底して合格者95人の1次試験を突破。「父の後押しがあったと感じている。グラウンドに出ることは、自分だけの思いだけでないことがさらに分かった」と一層の頑張りを決意。2次もパスし、見事に38人のメンバー入りを果たした。「ようやくスタートに立てた気持ちになった」と振り返る。

 「先輩を見習い、常に自分を磨き続け、心に響く表現者として社会で必要とされる人になる」。たくさんの道民を笑顔にする大役に向かう。  (山崎純一)



◎市公民館の改修完了

 昨年から行われていた函館市公民館(青柳町)の大規模改修工事が終了した。耐震補強とともにバリアフリー化を進め、築80年以上の建物がレトロな雰囲気を残しながら生まれ変わった。26日には完成記念式典や演奏会が行われた。

 公民館は2009年度の耐震診断でコンクリートの劣化が確認された。10年度には有識者でつくる懇話会からも時代のニーズに合った整備が必要との提言を受け、工事費約2億2000万円をかけて昨年7月から改修工事を進めていた。

 高齢者の利用が多い点を踏まえ、建物左横に地下1階と1階を結ぶエレベーターと多目的トイレを設置したほか、正面玄関前の階段も傾斜を緩めた。講堂の座席数は346席から282席に減らし、座席の前後幅を広めるとともに後部座席を車いす対応にした。

 完成記念式典には関係者約50人が出席。市教委の山本真也教育長は「皆さんにホールを使っていただき、建物が市民の文化交流の拠点となるよう各種事業を展開したい」とあいさつ。市公民館活性化ネットワーク「イキ!ネット」代表でフルート奏者の松石隆さんと、函館出身のピアニスト類家唯さんによる演奏会も開かれ、爽やかな音色が講堂にこだました。

 松石さんは「歴史あるホールをまた使えるようにしたことは素晴らしい。このホールは函館の宝。たくさん使って文化を発信できる拠点にしたい」と喜びの表



◎避難計画の原案11月策定…函館市 恵山噴火備え防災対策本部設置

 函館市は26日、活火山・恵山(618㍍)の噴火に備えて、市防災会議内に恵山火山対策部会(部会長・中林重雄副市長)を設置し、恵山の防災対策に本格着手した。気象庁が導入を進める「噴火警戒レベル」に対応する避難計画の原案を11月に策定し、来年1月の成案化を目指すことを決めた。  国は昨年9月の御嶽山噴火を受け、全国に47ある常時観測火山について本年度内の火山防災協議会設置を求めており、これに対応する形で発足。部会は市や札幌管区気象台、函館開発建設部、函館海上保安部など11機関で構成する。

 気象庁が導入を進めている噴火警戒レベルは、平常時のレベル1から、噴火発生で避難を必要とするレベル5までの5段階を定めている。恵山の防災対策に関しては、旧恵山町と旧椴法華村でつくる恵山火山防災会議協議会が2001年に噴火の度合いに応じた3つのケースで対応策を定めていたが、同協議会は04年の函館市との合併に伴って、解散している。

 この日の部会で、札幌管区気象台の平野広伸火山防災情報調整官は噴火警戒レベルの導入について「市町村長による避難指示発令などの対応を迅速に講じることが可能になるが、噴火シナリオやハザードマップに基づいて検討された具体的な避難体制の整備が前提になる」と述べた。

 同部会では実務者レベルの幹事会を設け、5月の幹事会から噴火シナリオに対応した対策を検討。9月の噴火警戒レベル案作成を経て11月に避難計画の原案をまとめる。来年1月に成案化し、3月末までに防災ハンドブックの配布を終える方針を決めた。(千葉卓陽)


◎ひと足早く入社式…同友会

 北海道中小企業家同友会函館支部(高橋泰助支部長)の2015年合同入社式と新入社員研修会が26日、函館市末広町の五島軒本店で開かれた。23人が出席し、ひと足早く新社会人としての第一歩を踏み出した。

 採用人数の関係などから独自の入社式が行いにくいという中小企業の声に応え、毎年合同で行っている。ことしは会員企業13社の新入社員が参加した。

 高橋支部長は「一人一人かけがえのない戦力。仕事を通して成長し、若い力で地域を元気にしてほしい」とあいさつ。新入社員の紹介に続き、みぞぐち事業の藤浪康次さんが代表して決意表明し、「何事にも興味を持ち、向上心を持って仕事に臨みたい」と力強く語った。先輩社員として出席したタザキトーヨー住器の高橋玲菜さんは「最初はできなくて当たり前。チャレンジ精神を忘れず頑張って」とエールを送った。

 入社式終了後には、電話応対などを学ぶマナー教室が開かれ、出席者は真剣な表情で講師の話に耳を傾けていた。(山田大輔)