2015年3月28日 (土) 掲載

◎道南ポカポカ陽気 大沼でミズバショウ咲く

 【七飯】暖かい空気が入り込んだ影響で、27日の道南は気温が上がった。気象庁の速報値によると各地の最高気温は木古内14・9度、奥尻13・1度、長万部12・9度が5月上旬並み。函館13・2度、森12・1度が4月下旬並みだった。函館地方気象台によると28日も引き続き気温の高い状態となり、予想最高気温は函館で15度としている。

 3月後半から暖かい気温が続く七飯町大沼では、早くもミズバショウが咲き始めた。大沼湖畔周遊道路沿いでは、例年より2週間ほど早い開花で、春の訪れを感じさせている。

 今年の大沼は、冬期間(昨年12月〜2月)の降雪量(雪の降った量)は平年比66%の275㌢だったが、3月中旬に大雪となり、13日は積雪(地面に堆積している雪の深さ)が97㌢に達した。その後は雪解けが進み、27日午後5時現在で9㌢までに減っている。

 ミズバショウはサトイモ科の多年草。仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる純白で葉が変形したものの中に、円柱状の花を咲かせる。自然公園財団大沼支部によると20日ごろからミズバショウの姿が見られるようになったという。見ごろまでは約3週間かかる。(山崎純一)



◎道南の食材魅力実感…JR系ホテルが森と七飯視察

 1年後に迫った北海道新幹線開業を見据え、質にこだわる消費者を狙った道南食材の販路拡大を目指す動きが加速してきた。26日には、レストランでのフェアの際に使う食材を選定するため、東日本のJR系ホテルの料理人や食材の仕入れ担当者34人が道南を訪れ、視察や商談に臨んだ。食材の魅力を肌で感じ取り、活用法を探った。

 北海道、東北、首都圏のJRホテルグループ加盟の13ホテルでは、6〜8月に青函の食のフェアを開催する。ホテルチェーンをあげて青函フェアを開くのは珍しい。今回の視察・商談はグループを束ねる日本ホテル(東京)の要請に応じ、渡島総合振興局が企画した。

 森町のひこま豚、七飯町のはこだてわいん、同町の福田農園の3カ所を視察。はこだてわいんでは、営業部の濱本順一係長が「北海道100シリーズ」の3銘柄など、お薦めワインを紹介、試飲した参加者は「すごく飲みやすい」と感想を口にした。ホテルメトロポリタン丸の内の岩崎均料理長(49)は「道南は海鮮類が素晴らしく、ウニやマゾイなど期待できる食材がある」と話した。

 商談を目的とした食材展示説明会も渡島総合振興局で開かれ、道南10社が自慢の商品をPRした。

 参加者は試食しながら生産者と意見を交わし、ガゴメコンブのところてん「函館がごめの滴」(だるま商品本舗製造)が、夏のフェアに合うなどとして注目を集めた。JR東日本ホテルズの遠藤喜信取締役は「フェアを開催することで、その土地の食材を味わってもらい、新幹線を使って現地へ行ってもらうのが狙い。積極的に食や観光情報を発信したい」と話していた。

 同振興局は「開業に向け、道南食材をアピールする機会が増えてくる。現地に来て道南産品のポテンシャル(潜在能力)を知ってほしい」(商工労働観光課)としている。(山崎大和、野口賢清)



◎「はやぶさ」宇都宮停車を…函館市などJR北に要望

 【札幌】函館市と栃木県宇都宮市は27日、JR北海道本社に対し、来年3月開業の北海道新幹線「はやぶさ」の宇都宮駅停車を求める要望活動を行った。

 2月18日のJR東日本、国土交通省鉄道局に続く共同活動で、工藤寿樹市長、松尾正寿市議会議長、松本栄一函館商工会議所会頭と宇都宮市の佐藤栄一市長、熊本和夫市議会議長、北村光弘宇都宮商工会議所会頭の6人で実施した。道商工会議所連合会の高向巌会頭も同行した。

 同日午後にJR北海道の島田修社長を訪れて要望書を手渡した。市企画部によると、島田社長は「要請を重く受け止める。JR東日本とも協議し、検討を進めていく」と話したという。

 同部は「今後ダイヤが決定されるので、引き続き宇都宮市と連携し、停車に向けて協力していきたい」(政策推進課)としている。(千葉卓陽)


◎作業船が転覆 1人死亡3人不明

 27日午後3時15分ごろ、函館市住吉漁港の東約1・5㌔沖合で、熊本県上天草市の船会社「パールライン」が所有する作業船「第十八明祐」(19㌧)が転覆しているのを付近住民が見つけ、118番通報した。4人が乗船していたとみられ、うち1人を救助して函館市内の病院に搬送したが、間もなく死亡が確認された。午後11時現在、残りの3人の行方は分かっていない。

 函館海上保安部によると、同日午後4時10分ごろ、ヘリコプターで現場に行った機動救難士がナイフの柄で船体を叩いたところ、中から叩き返す音が聞こえたという。同4時半ごろに、立待岬から東南約2・5㌔の海域で乗組員とみられる男性1人が漂流しているのを同海保の巡視艇ゆきぐもが発見。救助して病院に搬送したが、死亡が確認された。

 同6時すぎに第三管区海上保安本部所属の特殊救難隊5人が駆け付けたが、現場は強風で、潮流が強いため救助活動はできず、待機となった。船で近づくのも困難な状況だという。

 同船は同日に万代埠頭付近から出港。船の部品(約141㌧)を積んだ台船を曳航しながら宮城県石巻港を経由して、神奈川県横浜港を目指していた。当時の現場付近の気象は、南西の風16㍍で、波の高さは3㍍だった。

 同海保は巡視船などでの捜索を続けている。